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子どもが主体の時間通貨のすすめ(2/2)

 子どもたちは、感動しながら育っていきます。親が自分を抱きしめてくれた喜び、新しい言葉を覚えた時の誇らしい気持ち、友達ができた時のわくわくする思い、お手伝いして、「ありがとう、えらいね」とほめられた時に心の底から湧き上がってくる快感。
 子どもは、小さくても、自分の生命を持った生き物です。親の大切な宝物ではありますが、親とは別の感性を持つ、違う人間なのです。植物ですら、自ら自然の恵みを吸収してその力で育っていくのに、植物よりはるかに複雑な機能をさずかった人間ですから、自らが持っている独自な育つ力を無視して、大人の思うように育つはずがありません。
 そして、その育つ力の基本が、自分の能力をいろいろに発揮してみようとする意欲(自助能力)と、それを発揮することにより認められ、喜ばれて感じる自己肯定感(共助能力)
です。
 しかし、そういう基本的な能力を育てる環境は、今の日本では、残念ながら豊かだとはいえません。
 その貴重な環境を生み出す有効な道具(ツール)として、時間通貨があります。
もしあなたが、子どもたちから明るい未来をつくる力を引き出したいなら、時間通貨を仕掛けてみませんか。

(財)さわやか福祉財団 堀田 力