「コロナ禍と全国助け合い活動の現状」緊急アンケート調査結果より

2020年05月13日 ニュース

こんな工夫をしながら、活動しています

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々の暮らしに深刻な影響が出ています。
 さわやか福祉財団では、先月末に当財団と連携して全国で助け合い活動を展開しているさわやかインストラクター及び生活支援コーディネーター他(推進パートナー)の方々にコロナ禍の活動への影響について、緊急にアンケート調査を行いました。
 全国およそ100名の方から、現場の実態についてお寄せいただきました。
 ご協力をいただきました皆様に改めてお礼申し上げます。

 さわやか福祉財団では、今大変なコロナ禍をみんなの温かい心で乗り越え、将来に向けて、さらに助け合いが広がり、明るい未来が拓かれていくことを願い、今後様々に情報発信を行い、支援寄付も呼びかけていきます。

緊急アンケート回答結果の概要は以下の通りです。

全体の骨子まとめは、こちら(PDF)をご覧ください。

  • アンケート実施日:2020年4月24日~4月30日
  • 有効回答96 メール及びホームページにより回答

【回答結果の概要】

  • 居場所、通いの場など、住民が集まって行う助け合い活動の9割、住居を訪問して対面で行う助け合い活動の3割は、コロナ禍のためやむを得ず活動を休止している。その他の団体で一部の参加者から生活維持上の強い必要性に基づく要望があって活動を続けているところも、活動規模を縮小している。
  • 多くの団体は、対面できなくなった参加者が生活意欲を喪失しないよう、電話による個別相談や励まし、弁当・食事の配布、買い物代行、チラシや冊子の配布による情報提供などの支援活動を続け、心身の状況悪化の防止に努めている。
  • 助け合い活動者らは、対面しての助け合い活動が途切れる間に、これまで培ってきた住民の助け合い活動参加の機運が消滅することを非常に心配している。
  • 住民の寄付や参加費用負担で活動を展開してきた助け合い団体は、家賃や活動経費の負担に苦しんでおり、これに対する資金援助を望んでいる。
  • また、多くの団体がコロナ禍収束後の助け合い活動の復活、伸長を見据えた資金援助や活動支援を望んでいる。

 コロナ禍により、活動をやむを得ず休止している団体、制約がある中で活動している団体共に、費用の負担が発生しています。

合計(活動休止による負担)
合計(活動継続による負担)

 また、一方で、感染が拡大している中でも、様々に工夫を凝らしながら、つながりを維持し、行っている助け合いの活動もお寄せいただきました。

「こんな工夫をしながら、活動しています」

緊急アンケートより

(活動を休止中、または一部の活動のみ実施の中で、会員利用者の皆さんに何らかの支援・サポートを提供している事例、地域で実践中の取り組みなど)

外出できないことを前提とした「助け合い」の仕組みづくりを始めていかなければならない。

<電話等による見守り>

  • 電話での声かけ・安否確認、手紙での元気付け
  • 近隣の行政の日常生活支援体制状況のアンケート調査を行い情報を共有中
  • ハガキでの安否確認&アンケートを検討中
  • 定期的に様子を伺っている。訪問した際には、マスク・レトルトごはん等を届けている。
  • 利用者には、SNSを使用しての報告

<手作りマスク等の配布>

  • 医療従事者に雨ガッパを送ろうプロジェクトを実施
  • 手作りマスクの販売やキッチンカーを呼んでの買い物の場づくりの継続
  • フレイルに関するお知らせポスティング

<食事の配布>

  • ワンコイン弁当の配達、安否確認
  • お弁当のほかに誕生日プレゼントを配ってます。またいろいろな理由をつけて玄関まで訪問しています。
  • 集まることは中止していますが、配食と生活支援の訪問は変わらず続けています。
  • 3月から、出前居場所(2人が各自宅で手分けして昼ごはんを作り、高齢者宅へ伺って、話す、食べる)を週2回、一人暮らしのお宅や高齢世帯で。会いたいという人を連れていく時もあります。土曜日はカレーライスや焼きそばを20人分程作り、2、3人で高齢者など気になる人へ届けています。

<買い物支援、移動支援等の個別支援>

  • 住民ボランティアが担っている病院の送迎(社協事務局移送サービス)に関して、現在、ボランティア運転手は活動休止中であるが、社協内で福祉有償運送運転者講習修了証を取得している職員が業務対応にあたっている。
  • サロン・集いの場は休止中ですが、在宅生活支援サービス・移動サービス支援活動は継続して提供している。
  • 老老介護の家庭の支援、保健所やホームドクターへの状況報告、土日の薬や、状況の管理、近くを通ったときに安否確認。

<冊子やチラシの作成、配布>

  • 自宅でできる体操の動画を市のホームページで見られるようにし、ケーブルテレビで紹介してもらった。ボランティアが作成した脳トレドリルを高齢者に配布する郵送代を補助金の経費にできるようにした。
  • 文書郵送により普段の生活で意識することや運動方法などを周知。
  • 全世代型対応の小冊子(自宅で行える体操・脳トレ問題・子ども向けの塗り絵と間違い探し・口腔ケア体操など)を連休前に村内全戸配布予定です。これまでは集まることに主眼を置いていたので、発想を転換して様々な事業展開を行っていきたいです。
  • 通いの場の活動継続への相談対応やチラシによる通いの場(参加者)への情報提供(感染予防やフレイル予防対策、自宅でできる体操など)。
  • 集いの場利用者に注意喚起のチラシと家でできる体操のパンフレット配布。
  • 生活不活発病予防を啓発する記事を市広報に掲載。通いの場を開設するグループには、自宅でできる運動を記載したチラシを個別に送付。
  • 高齢者を対象にした感染予防、フレイル予防のリーフレットを作成し、健康増進課作成のリーフレット(予防、自宅でできる筋トレ)と合わせて配布。また、マスクを作成し、まち協、市老連、民協、婦人会役員に贈呈した。

<活動を継続もしくは縮小して継続>

  • 最近は「居場所」を半日開けています。居場所のある地域で市第1号の感染者が出たためまずもって感染拡大しないことが求められたが、「居場所」があることで情報の共有ができる事もあり、住民にとって「つい立ち寄る場所」となった。
  • 活動は中止せず、必要なサービスはずっと続けてきたが、地域では近隣の助け合いと見守り、そして、地区民の気にかかる人への心配りが広がり出した。