「地域助け合い基金」助成先報告

 北海道中途難失聴者協会 オホーツク支部

北海道網走市 ウェブサイト
居場所

助成額

132,000円2023/05/08

助成⾦の活⽤内容

聴覚障がい者は全員が手話を習得しているわけではありません。難聴者・中途難聴者・中途失聴者の多くは、コミュニケーションが上手く取れず、日々の生活において孤独や不便を感じています。
本会では、北見市と網走市で、月に1回例会を開催し、同じ悩みを持つ仲間との交流を深め、おしゃべりを楽しんだり、聴覚障がいに関する情報交換等を行い、居場所づくりの輪を広げる事業を進めています。
今回、現在本会が行っている活動から1歩広げるため、先進的に活動をしている足し部の仲間との交流や、情報交換等の場を通じて、本会のレベルアップにつなげたいと考えています。
特に、会員ではない難聴者・中途難聴者・中途失聴者にも本会の活動を知ってもらい、少しでも孤独に悩む方が減らすことができる取り組みに力を入れられたらと思います。
また、網走市においても3人に1人が高齢者です。今後、高齢化が進む中、加齢に伴い、聴覚が不自由になる方も増えてくることも想定されるので、よりよいコミュニケーションができる環境づくり、居場所づくり等、本会の取り組みが高齢者にとってもより良い暮らしへの一助につなげていきたいと考えております。
要約筆記は、自分の目で文字を見て理解するものなので、聴覚に不自由を感じている方にとって、コミュニケーション方法の選択肢を増やせたらと考えております。
網走市、北見市のふれあい広場の、展示、体験コーナーで、十勝支部との交流で得られたもの(学んだこと)を、来場者に知ってもらう活動をします。当事者、支援者、理解者を増やすため、オホーツク耳のかわら版に掲載し、無料配布します。
(オホーツク耳のかわら版は、網走社会福祉協議会の山中さんのご協力のもと、網走市総合福祉センターに設置させていただいています(支部のポスターの下)。ホームページでも公開しています。)

活動報告

【助成を受けてできたこと】
今回、さわやか福祉財団様のおかげで、2023年7月1日(土)、北海道中途難失聴者協会オホーツク支部は、北海道中途難失聴者協会十勝支部に訪問することができました。オホーツク支部は設立3年目です。定期的に集まり、難聴者・中途難聴者・中途失聴者の悩みや情報を共有する活動をしています。十勝支部は、30年以上の歴史があるそうで、十勝支部の難聴者・中途難聴者・中途失聴者と交流をすることで、今回たくさんのことを学ぶことができました。前半は、全体で交流をし、後半は、グループに分かれて交流をしました。

【1.今回の学びを地域へ】
・今回の十勝支部との交流で、学んだことを、ふれあい広場の市民向けの体験向けブースを活用し、理解の促進に務めます。
・小中学校等からの以来を受け、出前講座を実施します。
・子供たちへの福祉教育の一環として、聞こえない・聞こえにくい人への理解促進に向けた取り組みをします。
・UDトークという音声認識アプリの普及活動をします。
・仲間がいること、1人ではないことを知ってもらうため、地域の方に団体を知ってもらう活動をします。

【2.UDトークという音声認識文字変換アプリについて。】
(オホーツク支部 支部長 岩渕聖司)
十勝支部では、会長をはじめ多くの会員がUDトークを利用しているそうです。何度もUDトークの講習会を行っているそうです。皆さん使いこなしていていました。
十勝支部の会長に教えてもらったUDトークをオホーツク管内にも広めて、筆談以外にも、音声認識という方法があるということを多くの人に知ってもらいたいです。私たち中途難失聴者は普通にしゃべれるので聞こえない・聞こえにくいことを理解してもらえず、いろいろな場面で、「書いてほしいのに、書いてくれなくて困る」という場面が多くあります。そういう場面でうまく活用できるように、ふれあい広場などで、体験会を実施し、多くの人に知ってもらいたいです。

【3.要約筆記(パソコン)について。】
(オホーツク要約筆記サークル 会長 土方雅恵)
オホーツク管内に要約筆記派遣制度がある市町村は一つもなかったのですが、2023年度から北見市と網走市で派遣制度が始まりました。2022年に要約筆記の養成講座が行われ、修了生が派遣を担っています。その時は手書きコースだけでした。今回十勝支部に行き、パソコン要約筆記を見ることができました。4人で連携して「IPトーク」というパソコンのソフトに入力し、一つの文章を作り上げてスクリーンに投影していました。たくさんの中途難失聴者が入力された文字で話の内容を見てその場に参加することができていました。手書きより、文字数が多く、なおかつ要約されていました。同行した他の北見市・網走市在住のオホーツク要約筆記サークルの仲間も、すごい技術だ、生で見られてとても勉強になったと言っていました。オホーツク管内でもパソコン要約筆記ができるようにと、必要な機材を見ることができました。オホーツク支部でもそろえられそうな機材から、そろえていきたいです。オホーツク管内にも普及させられるように、広報をしていきたいです。パソコン1台で一人で入力する方法もあり、様々な伝える方法を多くの人に知ってもらえるように、ふれあい広場での体験会や、要約筆記体験会を開催していきます。多くの中途難失聴者が、自分に合った情報保障の方法を選べる社会になったらいいです。オホーツク管内では、まだまだ始まったばかりなので頑張ります。

【4.参加者からの声(別紙)】
【資料5.十勝支部との交流会 まとめ】
【資料6.オホーツク耳のかわら版(無料配布のものは、両面白黒印刷です。ブログに載せるときは個人名を隠しています。)】
【7.今回のポスターチラシと、配布場所一覧】

今後の展開

【団体PR】
北海道中途難失聴者協会オホーツク支部は、難聴者・中途難聴者・中途失聴者に、聞こえない・聞こえにくい同じ悩みを持つ仲間がいること、悩みや情報を共有する場です。
身近な人とのコミュニケーションでさえ難しい私達ですが、要約筆記という言葉や音を文字にして伝えてくれる人が集まりの場に来てくれますし、筆談や、音声認識文字変換アプリを使っておしゃべりをします。安心して集まれる場所です。

【今後の活動】
網走市、北見市では、要約筆記の派遣制度が2023年度から始まりました。地域社会に参加することができるようになりました。
今までは、病院受診、子供の参観日、自治会の総会や、地域の講演会、ありとあらゆるところに要約筆記による情報保障がなく、社会参加をすることが難しかったです。ですが、これからは、地域社会に参加することができます。

・地域の人に、中途難失聴者の団体があること、それを支援する団体があることを知ってもらう活動。(ネットワーク作り。)
・音声認識アプリの普及活動。(体験コーナーの実施。)
・出前講座の実施。(聴覚障がいのことを知ってもらう。)
などの活動を頑張ります。

ぜひ、私たち団体のホームページ https://okhnansicchou.fc2.net/ をご覧ください。
よろしくお願いします。

添付資料