活動報告

北から南から 各地の動き

さわやか福祉財団では全国各地の助け合いの創出、
住民主体の地域づくりの推進を支援しています。
その取り組みの一部をご紹介します。

2026年8月1日~8月31日分

SC=生活支援コーディネーター
3ステップ=ステップ①体制づくり、ステップ②ニーズと担い手の掘り起こし、ステップ③助け合い創出

SC研修・情報交換会等に協力

長崎県

8月3日

 長崎県主催の今年度「第1回SC情報交換会」が開催された。SCや行政らが地域における助け合い活動の推進に必要な地域の理解を深めるとともに、先進事例の共有や参加者同士の意見交換を通じて、課題解決の具体的手法や活動継続の工夫を学び、各地域の実践につなげることが目的。県内市町からのSCや協議体メンバー、自治体職員、県保健所職員等63名が参加し、当財団は講師として協力した。
 県からの説明に続き、財団が「助け合いのネットワークづくり―生活支援体制整備事業と生活支援コーディネーターの役割―」と題して講演。参加者への事前アンケートを基に、悩みを解決するためのポイントを事例と共に紹介。加えて、制度についても説明し、住民主体の助け合いの必要性やその推進ポイントを伝えた。
 実践報告は佐賀県武雄市より、「地域で展開する助け合いの実践―武雄市の取り組みに学ぶ地域づくりのヒント―」と題して行われた。
 次に情報交換を実施。地域を越えたグループで、事前アンケートを基に「現在の悩み・課題、グループメンバー同士で聞きたいこと」と、解決するためのヒントを話し合った。参加者は皆、他市町との意見交換は求めており、大変活発な話し合いとなった。「協議体開催の工夫」「多世代へのアプローチ」「次世代への継承」「1層2層の連携」「受け入れない地域」などさまざまな悩みや課題と知恵が共有された。
 終了後アンケートでは、「各市町が行っている活動で私の町でも取り入れられそうなものがあり参考になった」「助け合い活動は1年で成果や数字が出るものではなく、そればかりを追い求めると本来の目的を見失う」「今後はSCとして地域の声を丁寧に拾い上げ、行政や関係機関との連携を深めながら、助け合い活動が地域に根づき継続できるよう、担い手や後継者の育成にも地域住民と共に取り組み、今後の業務に生かしていきたい」等の意見が寄せられた。
 同県では、10月に武雄市と県内波佐見町での現地視察研修、12月に情報交換会が予定されている。(鶴山 芳子)

岩手県

8月28日

 岩手県北部軽米町の「常設型居場所トコトコかるまい広場」(以下、トコかる)に岩手県内のSCや生活支援体制整備事業担当者など25名と岩手県庁、公益財団法人いきいき岩手支援財団が参加、当財団もアドバイザーとして同行した。
 軽米町の文化交流センターに集合して1日の流れを確認し、車で5分ほどのトコかるに移動。広間で軽米町第1層SCの中里早苗氏と、トコかる代表の佐藤勝子氏から説明があった。「ここに来れば誰かがいる。話を聞いてほしい」というニーズに応える場にと実行委員会を立ち上げ、トコかるをつくったこと、スタート直前の2か月は何度も集まり話し合って、みんなが一つになり始めたこと。トコかるとなった空き家の掃除や草刈りは地元の高校と連携して進めたことなどが話され、現場での生の話に参加者の理解が深まり、運営などに関する質問も出た。
 次に、毎月第3土曜日に行っている地域食堂「トコかるキッチン」を体験。当番の一員としてプロの料理人が特製カレーやいただいた野菜での料理に腕を振るった。そのおいしさに感激し、みんなで食べることの楽しさを体感。障がいのある人でも誰でも、食でさまざまな人がつながっていた。
 その後、文化交流センターに移動し、「軽米町生活支援体制整備事業の取り組み」について地域包括支援センターの松浦博子氏と中里SCが説明。そして、当財団の進行で「研修を通じて感じたことや質問」「生活支援体制整備事業の中での悩み」など全体を通じての情報交換を行った。例えば「要支援やフレイルの人たちが来るようにするには、どうしているか」という質問に「要支援やフレイルの人は行政は把握していますが、住民同士は知りません。皆さん、ここに来ているのは口コミです。一緒にご飯を食べようとか、やってみたいことがあるとか、誘い合って来ています。障がいのある人、認知症の人、お元気な人、高校生、働く人などさまざまな人たちが来たいときに来ます」との回答。制度から見るのと地域の暮らしを見る視点の違いが共有されたと感じた。
 立ち上げて5年、思いを持って進んできた皆さんはブレずに活動を継続していた。そして何より、いきいきと楽しそうだったことがうれしかった。(鶴山 芳子)

新潟県

8月10日

 新潟県主催「生活支援体制整備事業研修会」がオンラインで開催され、県内のSCや行政担当者、傍聴者(協議体メンバー、認知症地域支援推進員等)など約120名が参加、当財団は講師として協力した。多世代の地域住民、生活支援・介護予防サービスの実践者、市町村、地域包括支援センターの連携・共創を推進する生活支援コーディネーター及びそれを支える協議体の基本的な役割や制度に関する理解と、地域の多様な活動主体との連携に係る具体の取組事例を通じ、各地域における支え合いの体制づくりの活性化のヒントを得る機会とすることが目的。
 県からの行政説明に続き、財団が市町村及び生活支援コーディネーターの役割と連携について講義。新任者向けの基本的な制度説明をベースに、住民主体の地域づくりについて、行政の役割、ニーズ把握、SCを中心とした多様な主体の連携等について、事例を基に伝えた。
 県内の事例報告は、柏崎市(くらしのサポートセンターを拠点とした生活支援、支え合い活動等)、小千谷市(コミュニティバスによる買い物支援、路線バス空白地域での移動支援等)。
 グループワークは、最初に市町村混合グループで行われた。前半は「講義及び事例発表を聴いて感じたこと」「多様な主体による多様な生活支援・介護予防サービスの提供をするには、どのような事業・団体と連動できそうか」について話し合われた。後半は講義・事例報告・前半のグループワークを受けて、それぞれの地域でできそうなことなどを話し合い、地域の取り組みに生かすこととした。
 全体共有は、情報交換から新たな視点だと感じたこと、自市町村でできそうだと思ったことを各グループが発表した。
 最後のまとめとして、伴走支援のアドバイザーである河崎民子氏(NPO法人全国移動サービスネットワーク副理事長)、甲斐香代子氏(大分県竹田市地域包括支援センター)と共に財団もコメントした。(鶴山 芳子)

協議体の活動、編成等に協力

開成町(神奈川県)

8月1日

 第1層協議体の活性化を目的に昨年度、県のアドバイザー派遣事業を活用してフォーラムなどを開催し、協議体メンバーも役割の理解を深めた開成町。今年度は、第1層協議体が町や町社会福祉協議会と共に主催となり、開催周知や当日の運営に携わり住民に働きかける「支えあいセミナー」をこの日開催した。当財団は第1層協議体メンバーでもあり、講師として協力した。
 住み慣れた地域で暮らし続けるためには「住民同士の支え合い」がカギとなることを再認識し、開成町の現状を踏まえ課題解決に向けた話し合いをすること。同時に次世代の担い手創出を促進することを目的とし、昨年度のセミナーより多い100名程度が参加。町社協の呼びかけで県立吉田島高校の高校生4名も参加した。
 瀬戸俊彦第1層協議体委員長の開会あいさつに続き、「みんなで考えよう! 支えあいのまちづくり」と題して財団が講演。「なぜ、助け合いが必要なのか」を一緒に考え、有償ボランティアの事例を通じて、助ける側・助けられる側の気持ち、どんなことで助け合いに参加しているか、助けられる側の気持ちを考える必要性、仕組みがあることによるメリット等を伝えた。
 事例報告は、地元の助け合い団体「ちょこボラ円中ブロック」代表の福井寛暉氏より。思いを持ち、主体的に仲間と共に試行錯誤しながら活動を進めてきたプロセスを紹介し、「不安があったから前に進んできた。壁という表現をする人がいるが、私は扉だと思います」という前向きな発言は参加者の感動を呼んだようだ。
 財団の進行で助け合い体験ゲームを実施した。高校生が4グループに1人ずつ入り、積極的に大人たちの中に溶け込んで盛り上げていた。振り返りの後にも、マイクを向けると「この町の住民ではないが、開成町の人たちとこのような機会を一緒にできてとても楽しかった。これからも地域の取り組みにぜひ参加させてほしい」と発言。参加者は頼もしさとうれしさで、笑顔で大きな拍手を送っていた。
 グループワークは第1層の小野洋美SCが進行し、「こんなまちだったら素敵だな! ~めざす地域像の実現に向けてできることを考えよう!~」をテーマに話し合いを行い、高校生3名に内容を発表してもらった。
 最後に11月開催の担い手養成講座の案内があり、山神裕町長からもコメントがあった。閉会あいさつは遠藤隆佳第1層協議体副委員長が行った。第1層協議体としても新たなステップになったと思う。
 秋に開催する居場所の集まりにも高校生が参加する予定とのことで、今後の活動に期待したい。(鶴山 芳子)

美里町(埼玉県)

8月24日

 美里町で「令和8年度第2層協議体情報交換会」が開催され、町内全3圏域からそれぞれ第2層協議体の正副リーダー計8名が参加した。
 開会あいさつ等に続き、各協議体が活動報告を行った。
◇大沢地区…1年かけて認知症について学び、住民にわかりやすく周知するために寸劇をつくり、地区内や民生委員を対象に披露。楽しみながら活動し、高齢者の近くにいる人にちょっとしたことで気づいてもらえるようにしたい。今後、仲間を増やしていきたい。
◇松久地区…交流の場を各地域につくることを目標に、サロンや百歳体操を支援している。ボッチャが盛んな地域なので、近いうちに地区全体で大会を開きたい。防災についても取り組んでおり、今後は交流の場をしっかりつくっていきたい。
◇東児玉地区…交流の場づくりを始め、2回開催した。ボッチャの全体交流会を計画中。ほかにも、デイサービスの地域活動の企画を協議体としてサポートした。今後も協働したい。
 その他、「防災をどう高齢者の生活支援につなげるかのイメージがない」「今後、サロンをどう展開していけばよいか」などの課題も共有された。
 続いて、当財団・目﨑より群馬県高崎市の取り組み事例を紹介。認知症になっても安心して暮らせる地域づくりや気軽なサロンづくりについて高崎市の実践を紹介するとともに、防災については地域での人と人とのつながりが大事であることなどを伝えた。
 質疑応答では、サロンへの移動支援をどうしているか、核になる人はどうしたら出てくるかなどの質問があり、高崎市の例を挙げて回答した。(目﨑 智恵子、野尻 史子)

生駒市(奈良県)

8月25日

 介護予防、介護予防ケアマネジメント、活動・サービスCなどで全国モデルとなっている生駒市。生活支援体制整備事業について、各協議体が何を目指し、具体的に何に取り組んでいくのかを目的に、今年度3回のワークショップを予定しており、この日が1回目となった。
 第1層SCで市の担当課長である齊藤新吾氏からの行政説明に続き、当財団より「目指す地域像を考えよう」と題し、なぜ今助け合いが必要なのか、SC・協議体の役割、目指す地域像、各地の事例紹介等の内容で講演を行った。
 ワークショップは、5年後10年後、足りない助け合い活動、あったらいい・やってみたい活動、キャッチフレーズなどについてKJ法で話し合ってもらい、全体で共有した。
 各グループから「近所づきあいを平時からつくる」「世代間の交流も大切」「通院など生活支援」「有償ボランティア」「男性の居場所」「子どもたちが活躍して高齢者がいきがいを持つ」など多様な意見が発表された。
 どの地域も地域愛にあふれており、若い世代とのつながりを意識している様子も見られた。次回以降も期待したい。(鶴山 芳子)

豊能町(大阪府)

8月28日

 豊能町で「令和8年度豊能町生活支援・介護予防サービス協議体(研修)」が開催され、協議体構成員や地域関係者など約20名が参加した。生活支援体制整備事業および協議体の理解促進と、地域の情報共有を図ることが目的。
 町からの開会あいさつに続き、町社会福祉協議会所属SCの田口裕之氏より、これまでの事業の取り組みが報告され、協議体の基本的役割や位置付け等についての説明も行われた。
 次に当財団・目﨑が「みんなでツナグ、豊能町の未来」と題して講義。助け合いの必要性や事業の目的を伝え、実践事例を紹介した。
 グループワークでは「助け合い体験ゲーム」を実施し、全体で共有。「多世代が交流できる居場所を地域につくっていきたい」「ゲームを通して、実際に困ったときのイメージがつかめた」「移動支援については地域の力で助け合う必要性を改めて痛感した。今後も研修を重ね情報共有をお願いしたい」等の意見が出ていた。
 最後に田口氏が「ざっくばらんに意見交換ができる協議体を目指しており、今回いただいた意見を今後に生かしていきたい」とまとめ、目﨑からは「小さなできることをつないで、お互い様で助け合うことの大切さを協議体の中で育んでいただきたい」とメッセージを送った。(目﨑 智恵子、島村 彰)

アドバイザー派遣事業に協力

平戸町(長崎県)

8月4日

 今年2月に開催された「いきがい・助け合いフェスタ in 長崎」に参加して、県のアドバイザー派遣事業に手を挙げた平戸市。旧平戸市に3つの町村が合併し離島もあるという地域性や、若い女性世代の流出が目立ち過疎人口減が進む中で、要支援1・2の減少のみならず、要介護3~5の重度者数と総合事業対象者を含む支援が必要な高齢者総数がこの9年間で減少傾向にある、とのこと。
 この日、当財団がアドバイザーとして1回目の支援を実施した。地域分析がしっかりされており、今回の狙いは、SCの役割を理解し、行動できるようにしていくこと。財団から、地域に働きかける役割の必要性と手法等を事例も交えて紹介し、グループワークで話し合う勉強会となった。
 この勉強会を受けて、11月には住民に働きかける機会を持つように計画していく予定。(鶴山 芳子)

精華町(京都府)

8月7日

 京都府のアドバイザー派遣事業を活用し、精華町の生活支援体制整備事業の推進に向けて支援を行った。参加者は、行政担当者4名、第1層SC1名、第2層SC3名、地域包括支援センター4名、山城南保健所3名、オブザーバーとして京都府より1名。
 同町では、これまで第1層・第2層SCの配置を進めてきた一方、協議体の設置や役割分担、生活支援体制整備事業と総合事業との整理等について課題を抱えていた。7月の京都府生活支援コーディネーター初任者研修会の内容を踏まえ、あらためて生活支援体制整備事業の基本を振り返るとともに、行政・包括・SCが共通認識を持つことを目的とした。
 前半では、当財団から、生活支援体制整備事業の目的や基本的な考え方、SC・協議体の役割について説明した。
 後半は、行政・包括・SCが所属や立場を越えてグループをつくり、ワークを行った。テーマは、①生活支援体制整備事業について理解できたこと、まだ疑問に感じていること、②「こんな精華町になったらいいな」という、これからのまちの姿や夢、③その実現に向けて、今後どのような取り組みをしていきたいか。
 一人ひとりが付箋に意見を書き出し、グループ内で共有・整理した。特に②では、目の前の課題や制度の話だけではなく、住民が安心して暮らせること、人と人がつながり困ったとき自然に支え合えることなど、同町のこれからの姿について、それぞれの立場で自由に語り合った。
 参加者からは、地域の困り事や既存の活動・サービス、住民同士のつながり、関係機関との連携等さまざまな視点から意見が出た。「誰が何を担うのか」という役割分担だけではなく、互いの役割を理解し、一緒に地域を見ていくことの必要性についても共有された。
 今回のグループワークを通して、生活支援体制整備事業を「SCだけが担う事業」と捉えるのではなく、関係者が一緒に地域づくりを進めていく事業であることを確認する機会となった。
 今後は、今回描いた「こんな精華町になったらいいな」という思いを大切にしながら、第1層・第2層SCの役割や行政・包括との連携、協議体のあり方を整理し、町の実情に合った生活支援体制整備につなげていくことが期待される。(目﨑 智恵子)

(本稿は、島村 彰、鶴山 芳子、野尻 史子、目﨑 智恵子)