活動報告
北から南から 各地の動き
さわやか福祉財団では全国各地の助け合いの創出、
住民主体の地域づくりの推進を支援しています。
その取り組みの一部をご紹介します。
2026年5月1日~5月31日分
SC=生活支援コーディネーター
3ステップ=ステップ①体制づくり、ステップ②ニーズと担い手の掘り起こし、ステップ③助け合い創出
SC研修・情報交換会等に協力
大野市(福井県)
5月26日
大野市の第2層協議体は公民館単位の8圏域で活動しており、第2層SCは各地区の在宅介護支援センターに配置されている。この日は市主催「生活支援体制整備事業第2層生活支援コーディネーター新任研修」が開催され、講師として当財団が協力した。7月には県主催の初任者SC向けの研修会が予定されているが、引き継いだ協議体の会議が直近に予定されていることもあり、その前に取り組みの全体像を理解する機会が設けられたもの。
講義では「なぜこの取り組みを行うのか」「住民主体とはどのようなことか」などを中心に説明、「居場所立ち上げ」の事例として同市内の第2層協議体が取り組んできたプロセスも紹介した。
同日には第1層・第2層SC、行政(健康長寿課)が参加する「SC連絡会」も開催された。この連絡会は、各圏域の取り組み状況や課題などを共有し、今後の進め方について意見交換する場となっており、財団もアドバイザーとして参加した。
地域での取り組みについて、活動は住民のニーズを基に立ち上げ、寄り添う視点で押し付けないようにすることを各SCと共有した。(髙橋 望)
大阪府
5月29日
大阪府北河内地域のSCを中心とした実行委員会の企画・運営により、「生活支援コーディネーター情報交換会 in 北河内」が開催された。この情報交換会は、同府「本音で語ろう!!情報交換会」の北河内版として、地域や所属を超えて生活支援体制整備事業に携わる仲間同士が、日頃の実践や悩み、工夫を本音で語り合える場として企画された。当財団は同事業についての講義と情報提供、まとめのコメントで協力した。
当日は、北河内7市(交野市・門真市・四條畷市・大東市・寝屋川市・枚方市・守口市)のSCや行政担当者など28名が集まり、各市の取り組み紹介やグループでの意見交換を行った。
前半は各市からの実践報告。第2層協議体の交流会、生活サポーター養成講座、スマートフォン講座、シルバー人材センターとの連携、移動支援の取り組みなど、それぞれの地域での活動が紹介された。地域によって進め方は違っても、「住民の力を生かしたい」「地域の支え合いを育てたい」という思いは共通しており、参加者同士熱心に耳を傾け、メモを取りながら聞く姿が見られた。
後半の意見交換が始まる前に、当財団の助け合い推進パートナー永濱旭氏によるプチ体操を全体で行いリフレッシュした。
意見交換では、「こんなんやってる」「こんなんやりたい」をテーマにグループワークを行った。この情報交換会の魅力は、成功事例だけではなく、悩んでいることやうまくいかないことも率直に話せること。「否定しない」「話しすぎない」「好意的に聴く」というルールの下、参加者一人ひとりが安心して発言し、「うちも同じです」「そんな方法があったんですね」といった声が自然に飛び交っていた。休憩時間にも名刺交換や情報交換が活発に行われ、市町村を越えたつながりが広がった。
この事業は地域ごとに状況や課題が異なるからこそ、こうした横のつながりが大きな力になる。1人で抱え込むのではなく、互いの実践から学び合い、支え合いながら進めていくことが大切。今回の情報交換会も、実行委員の熱意と工夫によって、とてもあたたかく実りある場となった。この場で生まれた学びや出会いが、それぞれの地域での新たな実践につながり、北河内地域の支え合いの輪がさらに広がっていくことを期待したい。(目﨑 智恵子、島村 彰)
協議体の活動・編成等に協力
北名古屋市(愛知県)
5月14日
昨年度末に立ち上がった北名古屋市第1層協議体の今年度初会合が行われた。当財団も依頼を受け、年3回の会議に参加することになった。
今回の目的は「目指す地域像を考える」。第1層としての共通の目標を話し合い、何から取り組むかにつなげることとした。第1層SCから相談を受けプログラムを一緒に考えた。「協議“会”にならず協議“体”にしていくにはどうしたらよいか」「協議体の役割についての理解がメンバーによって違うがどうしたらよいか」などの悩みがある中、「目指す地域像を考える」=第1層としての共通の目的をつくろうという企画になった。
前半は「北名古屋市の地域課題について」。第2層協議体4圏域で出されている課題を共有した上で、さらに第1層協議体メンバーに第2層SCらも加わり、市全体の地域課題をグループワークで話し合った。第1層協議体に新自治会長として30代男性が初参加し、世代が違う人との意見交換はお互い刺激になった様子だった。「若い世代の参加」「顔が見える関係」「困り事が言える地域」などの意見が出され、地域愛が広がり「もっと魅力ある地域にしたい」と、とても活発な議論になった。
後半は「目指す地域像について」。最初に財団から「目指す地域像とは」「目指す地域像を考えるポイント」「目指す地域像の実現に向けてのポイント」を説明し、どんな地域にしたいか、その実現のためには何から取り組むかについて、2つのグループに分かれて話し合った。「魅力をどう伝えるか」「町民運動会など地域の多世代でできるイベントをきっかけにする」「良い事例を伝える」「自治会ごとに話し合う」などさまざまな方法を発表で共有した。
まとめで財団より「委員それぞれ立場は違うが、地域を良くしていきたいという地域愛が感じられた。5年後10年後の目指す地域像という共通の目標を共有し、実現するための方策を話し合ったが、その中の何から取り組むか具体的に話し合い、地域に働きかけていく動きにつなげてほしいと」コメントした。
次回9月開催の第1層協議体では「曼荼羅チャート」をつくる予定。真ん中に目指す地域像を入れ、その周りに実現に向けた方策を入れていき、それを充実させながら具体的な取り組みにつなげていくとのことだった。(鶴山 芳子)
南アルプス市(山梨県)
5月21日
南アルプス市の「令和8年度5月 第2層協議体運営意見交換会」に当財団も参加した。この意見交換会は毎月開催されている。参加者は行政、地域包括支援センター、市社会福祉協議会(第2層協議体事務局)、第1層SC(市職員)、第2層SC(市社協)、斉藤節子氏(アドバイザー)、市社協の課長ら約20名。テーマは生活支援について。
市の課長のあいさつに続き、市基幹型包括センター長が市の施策と現状などについて以下のように説明した。
◇生活支援体制整備事業で協議体の取り組みを始めて10年以上が経つ。人口は増加傾向で、高齢化のピークは2045年。課題は介護人材の不足とケアマネジャー不足。要支援1・2の人の支援については、介護保険ではなく市の独自財源で行っている。
◇今後、要介護者が増加していく中で、総合事業を推進していくために取り組みを推進中である。
◇事業所の専門職も不足し、40年になると働く世代が激減する。
◇事業所のサービスが自立支援になっていない
次に、第2層・第3層の協議体に関わっている社協職員や第2層SC、委託包括の職員らから、地域ごと(第2層ごと)の状況や課題が共有された。主な発言は以下の通り。
◇協議体の活動は「楽しい」を優先しており、当初の生活支援や支え合いの必要性について議論するような動きが弱くなっているかもしれない。
◇支援は草刈りや話し相手のみ、など、やることが固まっている地域もある。
◇落合地区は前向きで、つながりは子どもから高齢者まで世代を超えて「芋掘り(畑の居場所)」を通じて広がっている。代表・副代表は生活支援に関わっており、その意見が住民に響いている。
◇ささえあいの輪が広がってきて、「生活が豊かになった」と感じる人が増えてきている。 等々
全体を受けて財団にまとめのコメントが求められ、「この10年で住民の意識の醸成が進み、多世代のつながりや活動が広がり出していることは素晴らしい。まずしっかり評価することが大切」と伝えた上で、次のステップとして、①生活支援(有償ボランティア)の仕組み、②多様な活動の交流会を仕掛けるときではないか、と話した。
また、同市の高齢化のピークは2045年とのことだが、一人暮らしや認知症の人がこれからも着実に増えていく中、家族機能も低下している。「例えば、住民勉強会で要支援者の生活支援は具体的にどんなサービスが行われているのか紹介し、仕組みを学び合う。主体的な住民だからこそ動き出していくのではないか」とコメントした。
具体的な動きにつながることを期待したい。(鶴山 芳子)
(本原稿は、島村彰、髙橋望、鶴山芳子、目﨑智恵子)