活動報告
北から南から 各地の動き
さわやか福祉財団では全国各地の助け合いの創出、
住民主体の地域づくりの推進を支援しています。
その取り組みの一部をご紹介します。
2025年12月1日~12月31日分
SC=生活支援コーディネーター
3ステップ=ステップ①体制づくり、ステップ②ニーズと担い手の掘り起こし、ステップ③助け合い創出
住民に参加を呼びかける支援
(住民対象のフォーラムや勉強会の支援等)
武蔵村山市(東京都)
12月6日
武蔵村山市で、地域で行われている助け合い・支え合いの取り組みを共有し、住民がその必要性を理解するとともにどのように活動に関われるかを具体的にイメージし、助け合い活動につながることを目的として、住民座談会が開催された。当財団は講師として協力した。参加者約40名。
財団の基調講演は「つながりの大切さについて」と題し、地域で安心して暮らし続けるためには、公的な制度による支援だけでは限界があり、地域の実情に寄り添った細やかな支えができる住民同士の助け合いが必要であることを説明。そのためにも住民同士のつながりづくりが大切であることを伝えた。
続いて、市内各地区で活動する生活支援団体より実践発表が行われた。同市では、生活支援体制整備事業から住民主体の助け合い活動が小地域で創出され、多くの好事例が生まれている。
① 「お互いさまサロン日の出生活支援部」 介護保険サービスを利用できない人や、家族の支えが得られない高齢者を対象に、買い物同行、通院支援、ごみ出し、庭の手入れ、軽度の家事支援などを実施している。車の移動を伴う買い物等の支援が年々難しくなっていることが課題として挙げられた。
② 助け合いクラブ「さんさん山王森」 地域における新しい助け合いの立ち上げ経過が紹介された。自治会加入率が10%未満と低く、住民同士の顔の見える関係が希薄であったため、まず交流イベントを繰り返し、住民同士がつながる場づくりから開始した。活動は草取り・剪定、家事支援等。地域へのさらなる周知のため、イベントやチラシ配布など広報の工夫を重ねている。
③ 買い物支援「しおん」 2022年より、65歳以上で買い物や通院に不安のある人を対象に、自家用車を使った同行支援を行っている。デマンドタクシーが使えない市外等への支援にも対応し、利用者は年々増加。活動の充実と継続に向け協力者を募集している。
④ 「三ツ藤・木の葉の会」 高齢化が進む三ツ藤住宅での有償ボランティアによる助け合い活動。屋内・屋外の家事支援や、移動を伴う通院支援など多様な生活支援を行っている。地域のつながりを大切にしており、地域活動団体や自治会とも連携し、地域の認知度も高い。
⑤ 「雷塚シニアクラブ」 自治会内の高齢者活動。高齢化が進みこれからのあり方を検討して、困り事や助け合いをテーマに子どもから高齢者まで支援が実行できるようにと発足し、草取り・ふれあい訪問、庭木剪定等の活動、交流イベントなど実施。高齢者の社会参加を継続的に促すことが見守りや生活支援にもつながる、という視点で取り組んでいる。
質疑応答では、移動を伴う買い物や通院支援を行っている団体に質問が集中した。ガソリン代や事故対応のほか、過去のトラブルについての質問も出たが、これまで大きな問題は報告されていないとのことであった。さらに、視察についての質問もあり参加者の関心の高さがうかがえた。
グループワークは、「これまでできたことができなくなってきた場面」「将来困りそうなこと」を出し合い、その課題に対し「自分にできること」を考えた。話し合いでは、移動や買い物の負担、家事や庭の手入れ、急な病気や困り事を頼める相手の不在、等の不安が多数挙がった。一方で、「声をかける」「情報を届ける」「行事に誘う」といった小さな行動が大きな安心につながるとの意見が多く、住民主体の支え合いの必要性が共有された。
まとめとして財団より、「自分にもできる」と思ったことから始め、今日得た気づきを今後の行動につなげてほしいと話した。また、助け合いは無理のない範囲で続けることが原則であること、担い手不足などの課題もあるが、活動内容を工夫したり、企業や学生への協力呼びかけなどさまざまな資源も活用しながら長く続けてほしいことを伝えた。この場が、活動者にとっては新たなヒントを得る場となり、まだ助け合い活動に参加していない人にとっては一歩踏み出すきっかけになることを期待したい。(岡野 貴代)
香芝市(奈良県)
12月14日
香芝市で、「令和7年度地域支え合い活動推進セミナー 生きがいをもった お互いさまの支え合い」が開催された。地域活動者を含む全市民を対象に、市内における住民の支え合い活動を一層推進することを目的として実施されたもので、事前のチラシ配布や関係者からの呼びかけに加え、市公式LINEを活用した広報を行った結果、当日参加も含め市民64名の参加につながった。
講演は当財団・目﨑より「生きがいをもった お互いさまの支え合い」をテーマに、日本の高齢化の現状、地域包括ケアシステム、生活支援体制整備事業の概要、社会参加・介護予防・生活支援の重要性について説明した。特に、人との交流がフレイル予防につながることをデータで示し、地域で社会参加を促しながら、お互いさまの気持ちで支え合う関係づくりの重要性を伝えた。事例紹介では、群馬県高崎市の居場所づくりや見守り活動の動画を上映し、活動者や参加者の声を紹介した。居場所に参加している人たちの元気な声や楽しそうな笑い声が会場に広がり、参加者も自然と笑顔になるなど、住民主体の活動の持つ力を実感してもらう機会となった。
アンケート結果では、「本日参加して、地域の支え合い活動について興味・関心が高まりましたか」という問いに対し、「高まった」「ある程度高まった」と回答した人が93%に上り、地域活動への関心の高さがうかがえた。
最後に目﨑より、「地域活動は一人ひとりの個性や得意なことを生かせる場です。困った時はお互いさまで助け合う香芝市を、皆さんで一緒につくっていきましょう」とメッセージを伝え、セミナーを終了した。
今後も、香芝市における地域支え合い活動のさらなる発展を応援していく。(目﨑 智恵子、雛形 亮我)
新発田市(新潟県)
12月21日
新発田市には、厚生労働省の2023年度「地域づくり加速化事業」のアドバイザーとしての伴走支援をきっかけに、昨年度から県のアドバイザーとして伴走支援している。今年度は住民への働きかけを進めており、8月の1回目の支援では住民フォーラムの事例を紹介し、フォーラム開催のポイントを伝えた。その後、行政やSCらが検討を重ね、今回初めてのフォーラム開催となり、財団も2回目の支援として協力。予想を大きく上回り60名以上の参加となった。
フォーラムは「地域支えあいフォーラム ~みなさんは10年後、20年後どんな地域に住みたいですか?~」と題し、支え合いの必要性を伝え、住民の参加意欲を醸成し、意思を示した住民の取り組みたい助け合い活動や協議体への参加をバックアップしながら支え合いの地域づくりを推進することを目的に行った。
行政説明に続き、「『安心して暮らし続けられる地域』をつくろう」と題して財団が講演。なぜ助け合いが必要なのかを伝え、SCと協議体の役割、全国の助け合いの事例を紹介した。
パネルディスカッションは、「まんなかの会」(同市加治地区)代表・石村フジ子氏、「川東いきいき大作戦」(川東地区)会長・長谷川利一氏同市第1層SC・宮村栄理氏が登壇し、財団がコーディネーターを務めた。元気な団塊世代が皆で楽しいことをしようということで始まった「まんなかの会」は、年4回程度集まり、何をするか話し合って決めている。タケノコを捨てずにメンマを作るなどしており、料理ではたくさんの役割が生まれる、と話した。「川東いきいき大作戦」は、過疎化少子化が進む地域で意識改革が必要と考え、「元気な過疎をつくろう」と呼びかけ話し合いを実践中。集落での集いも8集落まで進み、中学校へ出向いて出前講座で子どもたちの声を聞いている。世代を超えた取り組みをさらに進めていきたいとのことだった。
財団からはいくつか質問して深掘りした。それに対し第1層SCはどうしていきたいかなどを聞きながら、こうした活動をさらに市内に広げていくことがSCらの役割であること、勉強会を1月末に開催することを伝えてもらった。会場との質疑応答も行い、最後に3者からメッセージが送られ、財団から「素晴らしい活動で、思いが心に響いた。皆さんはいかがですか」と会場に呼びかけたところ、共感した参加者も多く、大きな拍手で終わった。
参加者アンケートには、「事例発表から具体的なイメージが湧いた。個人の思いを活動づくり・仲間づくりにつなげられる話し合いの場があるとよい」等の感想が寄せられ、アンケートで勉強会への参加意思を示した参加者も多かった。今後は住民勉強会を行っていく予定である。(鶴山 芳子)
SC研修・情報交換会等に協力
鹿児島県
鹿児島県で12月3・4日の2日間にわたり、今年度2回目となるSC養成研修会の実践編が行われた。テーマは「世代や属性を超えた『地域づくり』」。多様な主体の連携が推進される中、SCらが多世代の住民や企業をはじめとする地域のさまざまな組織や団体との連携に向けて、どうアプローチするかについて学び合うことを狙いとし、当財団も事前に県、県社協とオンラインでの打ち合わせを行い参加した。
多様な主体の連携に向けたアプローチをメインにしながら、プログラムには、さわやかインストラクターや当財団の助け合い推進パートナーの実践事例紹介について相談があった。また、企業連携を進めている他県の市町村事例を取り上げたいとの要望から、いくつか市町村を紹介した。また、県内のSCや自治体の課題として、「協議体が機能していない」「住民主体の地域づくりがなかなか進まない」「担い手不足」「後継者問題」などを共有。事前アンケートを実施し、住民主体の地域づくりの基本を押さえた上で、多様な主体の連携についてのアプローチを入れることを提案した。
12月3日(1日目)
当財団から、「地域ニーズや課題・資源の掘り起こし等地域づくりの基本について」と題して特別講義と質疑応答を行った。事前アンケートでの悩み(課題)では具体的なノウハウを求めていることも読み取れたため、「住民の意識の醸成をはじめとする住民主体の地域づくりの基本」や「SCと協議体の役割などの基本」を事例も交えて伝えた。多様な主体の連携は、ニーズがポイントになること、ニーズは住民だけで解決できることもあれば、企業も含めた他団体や組織、多世代と連携することで解決できることもあることを伝えた。
鹿児島県のさわやかインストラクター齋藤鈴子氏、瀬戸三保氏、助け合い推進パートナーの島名博美氏の講演では、住民住体の活動のプロセスや他のサービスとの関係など、地域の実情に応じて活動を柔軟に変化させていく様子などが紹介された。島名氏は昨年5月に有償ボランティアを立ち上げて活動している具体的な話であり、移動支援も含めて実践していることから、講和後に質問もたくさん出ていた。
グループワークは、①どのような地域課題があるのか、②課題解決に向けて必要とされることは何か、③必要な取り組みをするためにどのような連携やアプローチができるか、をテーマに実施。就任したばかりのSCやベテランSCが同じ立場での悩みを出し合い、さまざまなノウハウなどを吸収できる機会となり、活発な情報交換が行われた。活動していると不安もある中、やはり情報交換を求めていることを実感した。
12月4日(2日目)
この日のメインテーマは「多様な主体との連携」。「他県のSCからの事例報告」では、財団が紹介した中から決まった新潟県佐渡市がオンラインで登壇した。「多様な主体と連携した取り組みについて」と題して、同市の第1層SC髙野康栄氏が報告。ウエルシア薬局の買い物支援をきっかけとした居場所づくりと、第1層協議体が「協議体」と「企業体」になった経緯と、協議体と企業体が連携しての企業体会議の内容、住民向け勉強会やフォーラムの実施など具体的に紹介された。続いて財団の進行によりトークセッションを行った。参加者が聞きたいであろうことを財団から髙野氏に質問し、会場からも続けて質問が出るなど活発に行われた。
グループワークは、①どんなことを実現したいか、②一緒に取り組むにはどのように働きかける必要があるか・どんな関係性を築くべきか、について話し合った。「住民への仕掛けをしてみたい」「住民の声を生かして取り組みたい」「企業連携におけるSCの役割が見えた」「移動支援について」等の発表があり、質問に財団から回答した。
最後に財団から、「人口減少、財政難、人材難が進む中、ますます住民参加、住民の力を生かすことが重要。そこにSCの大きな役割がある」「何でもSCが支援をするのではなく、その気にさせる機会をつくり、本気の住民を見つけ、その人の仲間づくりを進めながら、バックアップしていくことが大切」「対象は高齢者に限らず幅広く」「帰ったら一つでも取り組んでみることが大切。地域に戻ると不安もあるかもしれないが、今日集まった人たちや県社協、県も仲間として情報交換し、私たちも応援していきたい」などとメッセージを伝えた。(鶴山 芳子)
岩手県
12月10日
岩手県主催のSC連絡会が開催された。目的は、SCなど参加者のスキルアップと円滑な活動を支援するための情報共有、ネットワークの構築促進。県内市町村から生活支援体制整備事業担当者やSCら43名が参加した。事前アンケートで参加者から寄せられた、「それぞれの地域における悩みや連絡会で聞きたいこと」等を共有する資料も配布され、後半のグループワークでも活発な情報交換が行われた。
当財団は「機能する協議体とは ―全国の事例から地域に合うヒントを見つける―」と題して講演した。「人口減少により、今後ますますニーズが多様化複雑化していく中で、既存の資源を生かしながらも、さらに住民参加を広げていくためには、機能する協議体が必要」「若い世代や企業などニーズから必要な人に声をかけて話し合う」など、多様な主体の連携についても触れながら、さまざまな市町村の協議体の取り組み事例について、ポイントを押さえながら紹介した。
また、今回は「南アルプス市の実践から学ぶ」会となっており、山梨県南アルプス市の元第1層SC斉藤節子氏が実践事例を紹介した。「生活支援コーディネーターと協議体による地域づくり ~概要編~」「~勉強会編~」と題して、生活支援体制整備事業を推進するために行政(包括)、社協、SCらの規範的統合や協議体の立ち上げ、第1層・第2層・第3層の広がりとその連携における関係者の役割が分かりやすく説明された。「大づかみ方式勉強会」による“手上げ”での体制づくりが、主体的な地域づくりを広げている。
自分事と実感した住民たちが協議体メンバーとなり、自分たちが暮らす地域の中で話し合い、主体的に行動していることが分かるDVDの上映もあり、参加者が感動する様子も見られた。(鶴山 芳子)
和歌山県
12月10日
和歌山県「令和7年度第2回生活支援コーディネーター実践研修会」の3回目が開催され、当財団も支援した。本研修会は、市町村における生活支援サービス体制整備の充実を目的に、SC等が直面する課題の解決や実践力の向上を図るものであり、今回は特に「住民主体の移動支援」をテーマとして実施された。今回の対象は、田辺市、白浜町、上富田町、すさみ町、新宮市、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町の行政職員、第1層・第2層SC、協議体メンバー等。市町村ごとのSCの配置状況や役割、協議体の運営状況と住民主体活動の広がり、移動支援をめぐる地域課題と行政・住民・関係団体の関わり方について、現場の声を直接把握することを特に重視した。
前半は和歌山県の進行で、「支え合いの仕組みづくり」をテーマにグループワークが行われ、各地域における取り組みの共有と交流が図られた。
続いて、NPO法人全国移動サービスネットワークの柿久保浩次氏より、「住民主体の移動支援」について制度的背景や全国の動向、実践上の留意点について説明があった。
その後、移動を含む生活支援団体「ささえ愛高野口」と「たすけ合う中下」から、住民主体による移動支援の具体的な取り組み内容や運営の工夫、継続への課題等が報告された。
グループワークでは、移動支援に係る課題の共有と対策について意見交換が行われ、最後に県総合交通政策課より地域公共交通に関する説明があった。
各地域で移動支援のニーズは高い一方、担い手の確保、制度理解、行政内部や関係部署との連携などに課題を抱えている状況があらためて確認された。また、SCが調整役として重要な役割を担っているものの、その役割や期待が十分に共有されていない地域も見受けられた。
住民主体での工夫や小さな取り組みが着実に積み重ねられている事例もあった。
今後も各市町の活動状況や課題を県とも共有し、伴走支援していく予定である。(目﨑 智恵子)
協議体の活動・編成等に協力
奄美市(鹿児島県)
12月6日
奄美市の第2層圏・下方地区にて、「ふぁみりー」と第2層協議体が連携した勉強会が開催され、当財団も講師として協力した。同市は2015年に生活支援体制整備事業を開始、フォーラムや住民勉強会を重ねて住民主体の地域づくりに取り組んできた。「ふぁみりー」代表の島名氏は第2層協議体メンバーでもある。下方地区では、11月に地区内の集落ごとの地域資源や課題を把握し、地域福祉計画で「こんな地域にしたい」という話し合いも行っていたため、それを生かそうと今回の勉強会が行われた。
最初に行政が、地域の現状とこれからについて資料を使って説明。また、11月の話し合いの内容に触れ、地域を回って感じた地域差、一人暮らしや認知症の人の増加、家族機能の低下やご近所のつながりの希薄さ等によるさまざまな課題に触れ、地区ごとのこれからについて考えていこうと呼びかけた。
当財団は、グループワークの進行を担当。まずアイスブレークとして助け合い体験ゲームを行ったところ予想を超えた盛り上がりとなり、誰でもできることがあり得意を生かし合うこと、「助けて」と言うことの必要性などが共有できた。
次に、新しい参加者もいたことから、地図を見ながら11月に話し合ったことを各グループで振り返り共有した上で、どんな地域にしていきたいか、これから予想される困り事はどんなことが考えられるか、何をしていきたいかなどを話し合った。とても主体的な話し合いであり、発表では積極的に手を挙げての発表は地域愛に溢れていた。
鹿児島県のさわやかインストラクター齋藤鈴子氏の有償ボランティアについての講話も行われた。
住民たちがこれからのわが地域についての話し合いを求めており、それによって「何とかしたい」という気持ちも醸成されていく。市の担当者も「やはり話し合いは大切。各地で行っていきたい」と話していた。同じ地域に住むさまざまな人同士で話し合うプロセスの大切さを実感した。(鶴山 芳子)
対馬市(長崎県)
12月17日
対馬市上対馬地区で、住民や第2層協議体メンバーを対象とした勉強会が開催された。介護保険事業所撤退により要支援者の生活支援サービスが1月から提供されなくなることを受け、行政、市社協、SCが住民に向けた勉強会を企画。当財団は県のアドバイザー派遣事業で協力した。
上対馬地区は、市の中心地から車で2時間弱かかる北部にあり、人口減少が進み高齢化率も高い。困っている一人ひとりの実状を共有し、これからの人口減少による影響等も行政から説明し、行政とSCが支援することを伝えた上で住民同士の有償ボランティアについて参加者に考えてもらうことを目的とした。
行政による開会あいさつと開催経緯説明に続き、市社協のSC阿比留真氏よりSCの取り組みが紹介された。
財団の講話では、20年前との地域の変化、なぜ助け合いが必要か、有償ボランティアの仕組みと運営のポイント(守秘義務、押し付けない、お互いさま等)、事例を通じて「できる人が、できる時に、できることを」とは実際にどんなことか、また、「仕組みで助け合うことの意義」などを伝えた。
グループワークはSCがファシリテーターを担当した。今後、感じたことや気づいたことを参加者が話し合うことからじっくり進めていくことも提案していきたい。(鶴山 芳子)
天童市(山形県)
12月19日
天童市の第2層協議体選出(天童中央・成生地区)を目的とした勉強会の最終回(3回目)が開催され、約40名が参加した。
動員はせず主体的な住民を核に協議体を立ち上げていこうと周知。内容は、①「なぜ助け合いが必要なのか」、②「目指す地域像を考える」、③「第2層協議体は何をするのか」とするプログラムを行政、市社協、包括、SC、山形県のさわやかインストラクター加藤由紀子氏と共に考え準備を進めてきた。
最初に前回の勉強会の振り返りとして、各グループでの「目指す地域像」を確認した。
グループワーク「目指す地域像を実現するために何から取り組むか」を実施。①それぞれの立場でできること、②私たちが取り組むことについて。
SCがファシリテーターになりKJ法で意見やアイデアを出し合った。多様な主体の連携も視野に入れ、メンバーにはスーパーや専門職、教員なども参加。支援する側に何ができるかという視点からの提案に、同じグループのメンバーである住民が「まずは地域住民が何に困り、何を望んでいるのか、しっかりニーズを聞くことが大切」と意見するグループもあり、住民の力を感じた。各グループからの発表を共有し、その後、当財団の講演。「第2層協議体は何をするのか」と題し、全国のさまざまな地域の協議体の事例を紹介しながら、主体的な住民の動きをどうSCらが関わっていくのかなども伝え、また、話し合いの気づきから動き出すさまざまな取り組み(広報、助け合い創出、ニーズ調査、若い世代への働きかけなど)を紹介した。
最後に加藤氏がまとめのコメント。天童中央・成生地区の皆さんの積極的で前向きな話し合いの様子に驚かされたこと、これから期待が持てること、さらに応援していきたいこと等の熱いエールがあった。
これまで3回ワークショップを重ねてきた参加者同士のつながりも生まれ、良い発言も出ていた。関係者も手応えを感じており、1月始動予定の1回目の協議体の準備を進めていく。(鶴山 芳子)
活動団体ネットワーク研修会に協力
町田市(東京都)
12月22日
町田市の日常生活支援サービス「玉ちゃんサービス」の活動メンバーを対象とした「町田市生活支援団体ネットワーク研修会」で講師を務めた。本研修会は、日々地域で支援活動に携わるメンバーが、活動の活性化に向けた視点や具体的なヒントを共有し、あらためて活動の意義を確認するとともに、今後の取り組みを考える機会とすることを狙いとしている。
冒頭では、玉ちゃんサービス推進責任者である岩崎克己氏よりあいさつがあり、同サービスがこれまで地域に根差した形で生活支援を積み重ねてきた経過や思いが語られた。これを受けて当財団からは、住民同士の助け合いの重要性について講演を行い、高齢化や単身世帯の増加が進む中、公的サービスだけでは支えきれない生活上の困り事を、地域の中で補い合う仕組みが不可欠であり、玉ちゃんサービスは正にその実践例であることを共有し、こうした日常生活支援の取り組みが、地域で安心して暮らしていく中で果たす役割の大きさについて説明した。
講演後は、約1時間にわたり十分な質疑応答の時間が設けられ、参加者から多様な意見や質問が出された。まず、介護保険制度について、地域住民への周知がまだ十分とは言えないのではないかという問題提起があった。財団からは、制度の存在を知らないために支援を抱え込んでしまい、結果として介護が大きな負担となっているケースは、依然として少なくないと考えられる。一方で、介護保険であらゆることに対応できると誤解している人もいることから、制度に関する正確な情報を住民に伝えることの重要性や、生活支援活動の中で、困っている人に気づいた際には声をかけ、必要な制度や支援につなげていくことも重要である旨を伝えた。
活動に若い世代をどのように巻き込むか、というテーマも、参加者の関心が高い話題であった。これに対しては、若い人に頼ることが難しい場合も多く、まずは同世代でできる人が、無理のない範囲でできることを続けることが大切ではないかという意見が出された。一方で、単発であれば協力できる人や、地域の中に才能や経験を持つ人が埋もれている可能性もあり、そうした力を引き出す工夫が必要であるとの指摘もあった。さらに、若い世代と一緒に協働できる場がもっとあればよいという声を受け、財団からは、こども食堂などの場では、調理や受付、配膳などで高齢者が活躍できる機会が多く、協働することで自然に若い人とつながることができることを紹介し、まずは一度話し合いの場を持ってみることを提案した。
そのほか、平日は働いている人に対して、土日だけでもよいと呼びかけることで新たな担い手が見つかるのではないかという意見も出された。これに関連して、岩崎氏からは、チャレンジ企画として一緒に作業や活動を行うことで人と人とのつながりが生まれると考え、味噌作り講座や利き酒の会、ウクレレや合唱団など、楽しさを軸にした企画を検討していることが紹介された。こうした場を通じて、子育てが一段落した人や、時間に余裕のある人に、少しの時間でも運営に関わってもらえれば、活動の広がりにつながるのではないかという考えが示された。
さらに、国が生活支援・介護予防の重要性を掲げながら、十分に取り組んでいないのではないかという問いに対しては、SCや協議体を設置し住民同士の助け合いを広げる「生活支援体制整備事業」が進められていること、また財団も講演会や勉強会を通じてその支援に関わっていることを説明した。
また、ボランティアの責任の範囲についての質問もあり、利用者に対しても、サービス事業者ではなく住民同士の助け合いであることを丁寧に伝えるとともに、万が一の場合は保険の範囲内での対応となることもあわせて伝えることの重要性を伝えた。
本研修会を通じて、玉ちゃんサービスの活動の意義をあらためて確認するとともに、楽しさやつながりを大切にしながら、無理のない範囲で多くの人に参加してもらい、担い手を広げていくことの方向性も参加者の間で共有されたのではないかと感じる。今回得られた多くの示唆を踏まえ、同サービスの取り組みがより一層充実し、発展していくことを期待したい。(岡野 貴代)
活動団体の情報交換会・勉強会等に協力
奄美市(鹿児島県)
12月5日
奄美市上方地区の浦上地区にて「浦上おたすけ会」の立ち上げに向け、市主催の勉強会が開催され、地域住民と「浦上おたすけ会」メンバー20名強が参加した。
同市では2015年に生活支援体制整備事業を始めてから、有屋町内会、住用村(社協)に続き今年度、平松町で「有償ボランティアふぁみりー」が立ち上がっている。現在、浦上町内会では坂元マスエ会長を中心に仲間づくりまでは進んでいるが、いざ活動を始めようというところでスタートできない。市から、あらためて「有償ボランティアとは」を学び、さらに「不安を払拭し活動につなげたい」と相談があり、当財団からの提案で「ふぁみりー」代表の島名博美氏にも話をしてもらうことになった。
市の行政説明に続き、財団から「有償ボランティアとは」をテーマに講話と質疑応答を行った。有償ボランティアは有料のサービスではなく助け合いの仕組みであり、頼む側が気兼ねなく頼める仕組みであること。家族機能が低下していることから今後ますます必要性が高まること。「できる人が、できる時に、できることを」することで多くの人が参加し広がっていきやすいこと。頼む側の立場に立つことが広がりにつながること。プライバシーの尊重(守秘義務)や宗教・政治・販売行為の禁止など運営上の共有事項を学び合うことで誰でも参加しやすく、安心して助け合えること等を事例とともに伝えた。
「ふぁみりー」は5月にスタートしたばかり。立ち上げのプロセスや運営する上で大変だったこと、徐々に広がる様子、具体的な助け合いの内容など実践の説明があり、参加者と同じような目線での話がとても参考になったようである。(鶴山 芳子)
岬町(大阪府)
12月11日
岬町で、令和7年度地域支援団体ネットワーク会議「住民主体団体情報交換・交流会」が開催され、活動団体、行政、町社協、包括、中家裕美SCなど約30名が参加した。横の連携ができ、助け合い活動がより広がるようなアイデアやヒントを持ち帰ることが目的。
最初の趣旨説明は中家SCより。「住民一人ひとりの暮らしと生きがいや役割が持てる社会、“支え手・受け手”の関係を超えて助け合いながら暮らしていけるよう、情報交換を通じて今後の活動に生かしてほしい」と話があった。
〇当財団・目崎の講義「みんなが集えるコミュニティの場」
・共生型常設型居場所について
・足りない助け合い活動の創出について
・事例紹介(居場所の取り組み)
〇新規団体の紹介
・「淡輪地区おやじ会」(代表・川嶋修氏より) 囲碁や将棋を月額会費300円、食事500円で誰でも参加できる。月1回開催。
・「深日地区はなひろば」(代表・中村五十鈴氏より) 折り紙を使った作品作りを誰でも参加費100円で参加できる。月1回開催。
〇交流会 テーマ「団体が取り組んできたこと・困っていること・新たに始めたいこと」
5つのグループに分かれ、行政、社協、包括も一緒にグループに入り意見交換を行った。課題として、「活動者の高齢化」「活動者の意欲低下」「活動のマンネリ化」等が挙がった。また、「違う人に参加してほしい」「次につながるマッチングが大切」「気を遣いながらだと続かないが、やりたいことならば続けられる」等の意見も出た。
お茶やお菓子を食べながら、終始和やかな雰囲気で自由な意見交換が行われた。岬町は、団体同士や専門職を含めた連携なども進んできている。(目﨑 智恵子、雛形 亮我)
島本町(大阪府)
12月23日
島本町において、今年度初めての企画となる「しまもとささえ愛フェスタ」が開催され、町民など約50名が参加した。
午前中に行われた活動パネル展には地域活動団体など17団体が出展し、ポスターやチラシ、動画等で日頃の活動を紹介し、参加者が興味深く各ブースをまわった。
午後は、最初に行政があいさつの中で、災害に備えた住民同士のつながりが重要であり、日頃からの関係づくりが災害時のみならず日常の地域づくりにおいても重要であると伝えた。
続いて当財団・目崎より「みんなでつくる地域の『ささえ愛』」と題して、地域の支え合い活動が必要とされる社会的背景、地域活動に関わることが自身の介護予防にもつながること、 活動の内容や形態は時代の変化に応じて柔軟に変えていくことの大切さなどについて講演した。また、「社会参加」や「介護予防」を難しく捉えるのではなく、自分事として楽しく取り組むこと、さらに、活動団体同士をつないだり新たな活動を生み出すためにSCの存在が重要であることを伝えた。事例として、群馬県高崎市の居場所づくりや生活支援の事例を紹介した。
次に、大島真理子SCが会場内をまわりながら活動パネル展に出展した団体の活動者にマイクを渡し、思いを語ってもらった。
最後に目﨑より、「地域活動は一人ひとりの個性や得意なことを生かせる場であり、困ったときはお互いさまで助け合う地域を目指していきましょう」とメッセージを発信し、フェスタは終了した。
今後も島本町における住民主体の活動が広がり発展していくよう、引き続き応援・連携していく。(目﨑 智恵子、雛形 亮我)
アドバイザー派遣事業に協力
開成町(神奈川県)
12月2日
開成町では第1層協議体「支え合い推進会議」が今ひとつ機能しておらず、そこを活性化したいとのことで県のアドバイザー派遣事業を活用し、これまで行政、町社協、SCなど関係者が議論を重ねてきた。
第1層協議体に関心を持つ住民が一堂に会し、「何のために協議体に取り組むのか」「協議体は何をしていくのか」を理解すること、さらに、主体的な人たちが加わり第1層協議体を充実させていくことを目的に、フォーラムを開催することになった。
この日はその1回目の開催となった。
行政説明は開成町の現状とこれから、制度についてデータも用いながら参加者に伝えられた。
当財団の講演は「支え合いのまちづくりに取り組もう」と題し、「なぜ、助け合いが必要か」「SCと協議体の役割」「目指す地域像とは」「さまざまな助け合いの事例紹介」を行った。熱心に聞く姿が印象的だった。
グループワークは第1層協議体メンバーらがファシリテーターを務め、うまくリードされていた。
参加者が積極的に楽しそうに話し合い、発表で共有する姿が見られるフォーラムとなった。アンケートでは、協議体について理解した人が85%以上となり、「具体的な例が分かりやすかった」「支え合いという言葉はどういうことか具体的に考えることができた」、グループワークについても「助け合い人間関係、助けてくれるご近所との関係、集まれる場所があるとよいなぁ」「もっと具体的に考えていきたい」「いろいろな分野の方が参加して、充実的な話し合いだった」等の感想が寄せられた。
2回目のフォーラムは1月に開催予定である。(鶴山 芳子)
能美市(石川県)
12月25日
能美市が県のアドバイザー派遣事業を活用し、「第1層・第2層生活支援コーディネーター連絡会」を実施。石川県のさわやかインストラクター吉村久美子氏と当財団はオンラインで参加した。
同市は第2層3圏域に第2層SCが6名。第1層SCが地縁組織でもある地域福祉委員会をベースに地域づくりを推進してきた。この日は、これまでの取り組み状況やまちの様子などを共有した上で、特に「悩み」を出し合い、吉村氏と財団がアドバイスした。
同市では、1月に「令和7年能美市生活支援コーディネーター研修会」を予定しており、その内容を組み立てるにあたり、SCからの情報を生かすことになった。(鶴山 芳子)
(本稿担当は、岡野貴代、鶴山芳子、雛形亮我、目崎智恵子)