活動報告

北から南から 各地の動き

さわやか福祉財団では全国各地の助け合いの創出、
住民主体の地域づくりの推進を支援しています。
その取り組みの一部をご紹介します。

2025年5月1日~5月31日分

SC=生活支援コーディネーター
3ステップ=ステップ①体制づくり、ステップ②ニーズと担い手の掘り起こし、ステップ③助け合い創出

SC研修・情報交換会等に協力

羽咋市(石川県)

5月12日

 羽咋市で、市担当課と第1層・第2層SC(市社協)を対象とした地域支援事業の研修会がオンラインで開催され、当財団は講師として協力した。本研修会は、今年度の異動やSCの交代等を受けて企画された。
 講義内容は主に、生活支援体制整備事業の概要と背景、住民主体の考え方、住民主体の活動を進めていくための具体的な取り組みなど。特に「なぜ住民主体なのか」「これまでのやり方から発想を変える」といったことを強調して伝え、質疑応答を行った。
 同市では、これまで各地区で住民勉強会を開催し、住民中心で構成した第2層協議体を立ち上げてきているが、現在、活動状況に差が出ているため、その要因と対応案なども説明した。さらに「第1層協議体をどう活性化させていくか」についても触れた。
 「協議体での話し合いがまとまらない」との質問では、「意見はいろいろあるもの。否定せず対話を重視する」ことを共有した。連携を強化した今後の取り組み推進が期待される。(髙橋 望)

協議体の活動・編成等に協力

紀北町(三重県)

5月15日

 紀北町で第1層協議体が開催された。協議体は紀北広域連合・地域包括ケア推進係もメンバーとなっており、さらに今年度1回目ということもあり行政担当課長と町社会福祉協議会の事務局長も参加した。今回は新任メンバーも数名いることから、財団から地域支援事業と協議体・SCの役割について説明した。第1層協議体として今後具体的に取り組むことを協議し、できることから実践するということを共有した。これからのさらなる一歩に注目していきたい。(髙橋 望)

ささえ合い座談会に協力

紀北町(三重県)

5月14日

 紀北町は三重県南部に位置し、急峻な山々に囲まれた人口約1・4万人の自治体である。この中の人口440人・250世帯で構成される三浦地区で、住民同士で暮らし続けていける地区を考える「ささえ合い座談会 in 三浦」が開催され、当財団も協力した。この座談会は全3回の予定で今回が2回目。同町では住民の地域活動への参加推進を目的に開催された「ささえ合い講座」をきっかけに、地域の将来を考える「みらい塾」が立ち上がっており、住民同士の話し合いが継続されている。みらい塾は町全体を対象としているが、今回、同地区の住民から「地域でのささえ合いの大切さを共有し、自分たちにできることを考えてみたい」との声が上がり、座談会が企画された。
 1回目では「三浦地区の今と20年後のこれから」のイメージを共有した上で、「三浦地区のいいところ・困っていきそうなこと」について話し合っており、すでにあるものと困っていることが共有された。2回目の今回は「困り事も皆で考えてみると対応できることも多い」ことに気づいてもらい、次回3回目の「なったらいいと思う三浦地区になるためにできそうなことを考える」につなげていくことを目的とし、「助け合い体験ゲーム」も取り入れた。
 参加者は約20人で、学校帰りの小学生2人も母親と一緒に参加してくれた。体験ゲームに参加した小学生からは「みんなが優しくて楽しかった」「自分も相手に優しくできた」との発表があり、周囲の大人たちの顔がほころんでいた。また「ちょっとした困り事なら誰かが助けてくれる」「ボランティアは自分を幸せにしてくれる」「一人ならようせんけど一緒にならできる」といった声も上がっていた。財団からは、「困り事に気づくことが第一歩。それを自分事として考えることから、助け合いづくりが広がっていく」ことを伝えた。同地区の座談会は終了後も話し合える場を継続し、皆でできることを考えながら行動していくことが計画されている。

(本稿担当は、髙橋望)