活動報告

北から南から 各地の動き

さわやか福祉財団では全国各地の助け合いの創出、
住民主体の地域づくりの推進を支援しています。
その取り組みの一部をご紹介します。

2023年12月1日~12月31日分

SC=生活支援コーディネーター
3ステップ=ステップ①体制づくり、ステップ②ニーズと担い手の掘り起こし、ステップ③助け合い創出

住民に参加を呼びかける支援
(住民対象のフォーラムや勉強会の支援等)

宮古市(岩手県)

12月10日

 「第18回宮古市社会福祉大会」で基調講演を担当した。テーマは「助け合っていきいきと暮らせる地域をみんなでつくりませんか」とし、「この先10年、20年…皆さんはどんな地域に暮らしたいですか?」と投げかけながら、住民主体の助け合い活動を紹介し、多世代のつながりや高齢者自身のいきがいが生まれているなど効果を伝えた。また、他県の市町村でのSCと協議体が住民に働きかけている取り組みや、そこから創出された助け合い活動などを紹介し、「みんなでやってみたいことを実現していこう!」と呼びかけた。
 次に、同市門馬地区の移動支援(『さぁ、言おう』昨年8月号掲載)について、立ち上げの経緯と、着実に活動を進めながら話し合い改善しているプロセスを第2層SCと住民代表が登壇して紹介した。試行錯誤しながら進めているが、「やはり無償では頼みにくい」と、4月からは公共交通空白地有償運送で取り組むとの話もあった。
 次に、門馬地区の住民2名に、立ち上げの過程での苦労話や、移動支援を始めて移動以外のニーズを耳にしたりしないか、やってみて良かったこと、今後の展望などを質問し、内容を深めた。
 最後に市内のSCの皆さんに登壇してもらい、第1層SCから会場参加者に「みんなで一緒に助け合いを広げていこう」と呼びかけ、まとめとした。SCの紹介はモチベーションが上がったのか、終了後にSCらから「また地域に入りやすくなると思うので頑張りたい」とのコメントがあった。これからが楽しみである。(鶴山)

SC研修・情報交換会等に協力

京都府

12月11・12日

 12月11・12日の2日間、南部と北部に会場を設け同様の内容で「京都府令和5年度生活支援体制整備事業推進研修会」が行われ、当財団も協力。2日間でSCと行政職員計46名が参加、県担当者も出席した。
 最初に京都府から、あいさつと「京都府地域交響プロジェクト」の情報提供があった。その後、「地域包括支援センターとの連携・担い手づくり」をテーマに財団・目﨑が講演した。地域包括ケアシステムとこれからの地域づくり、地域支援事業の概要、生活支援体制整備事業について説明。特に、包括の機能と連携・担い手づくりについて事例を用いて説明した。
 その後、同府内福知山市と与謝野町の事例発表があった。福知山市は、京都府が行う地域課題解決型市町村支援の事業にエントリーし、専門家の伴走支援を受けて体制整備事業を進めている。その結果、市としてのSCの役割や活動方針の明確化、各包括とSCの協力体制が構築された。また、今年度より市社会福祉協議会へ業務委託したことで、第2層SCが地域の人と関わる回数が増加。情報発信としてSCにフォーカスした広報紙を作成し見える化している。
 与謝野町は、コロナ期間中に在宅生活を支える情報誌「なんでもおまかせBOOK」を作成。今年度も財団も協力し、第2層協議体発足に向けて住民を主体として自治会や関係機関・団体を対象とした勉強会から始め、思いのある人を対象に勉強会を繰り返し開催することで、住民主体の活動が始まっている。この12月にも、各地域で「地域のことが気になる」人が話し合える場として勉強会を開催。今後も継続的に集まる場を設け、その場を協議体として活動できるように進めている。
 グループワークでは、講義や事例発表を聞いて何ができるか、何をすべきか職種(立場)ごとに考えるという内容で情報交換を行った。
 11日の発表では、第2層SCから「包括と一緒に活動できるようにしていきたい」「それぞれの悩みが違ったので、良い情報を共有し、次につながるようにしていきたい」との意見。行政から「SCの関わり方を明確化する必要がある。行政もSCも担当が変わることが多いので、進め方が難しい」等の意見があった。
 12日の発表では、包括と第2層の連携について「やはり難しさがある」「与謝野町の『なんでもおまかせBOOK』は市の状況が分かりやすく視覚化され、高齢者が自身で選択できるようになっており、サロンに行くきっかけづくりになるのではないか」「この事業を学ぶ場を設け、ポイントで財団の助言や府のアドバイザー派遣を上手に活用していることなど、ぜひ取り入れていきたい」等の意見があった。
 両日ともまとめとして財団から、目標に向けて情報を共有すること、住民の意識を引き出すことが重要であり、地域づくりは人の意識を変えることである。SCや行政担当者が変わっても事業が進むように包括と連携することも大切である。また、全国的にもSCの横のつながりが大切になっているため、今後も皆さんが連絡を取り連携してほしい。包括の理解が進み動き始めると、地域が活性化し住民とつながれるようになる。そのためには包括とSCが連携することが重要。また、人と人が顔を合わせる場はあたたかみを感じられるので、2~3人からでいいので人と人とがふれあい話し合う場をつくってほしい、と伝えた。(目﨑、三浦)

北海道

12月12日

 北海道主催「北海道令和5年度生活支援コーディネーター養成研修『応用編』」がオンラインで開催され、当財団も協力。帯広、旭川、網走の3会場からSCと行政担当者33名が参加した。
 医療経済研究機構の服部真治氏の講義「評価指標の考え方と作り方について」の後、グループワークを実施。各グループで目指す地域像を考え、その実現に向けてどんなことに取り組むかを考え、その進捗をどのようにして把握するかを検討した。
 認知症になっても住民同士で支え合えるまちであるためには、住民が認知症についての理解を深め、認知症の人との交流を深め、認知症の人の支援を拡充していくことが重要で、具体的には例えば「認知症の見守りネットワークを構築しよう」「認知症についての講座を開催しよう」「出前講座を実施しよう、住民同士の支え合いにおいては認知症に特化しない交流を増やそう」などさまざまなアイデアが出た。ほかにも「健康状態にかかわらず、困りごとがあっても安心できる暮らしを目指すためには、地域で気にかけ合い見守りができていること。要介護になってもサロンに参加できることが望ましい」という発表もあった。
 具体的にどんな取り組みをするか考える段階では、日頃から地域に出ているSCだからこそのアイデアが次々と出された。高齢者の孤立に関することや、「助けて」と言える地域にしたい、という意見もあった。
 研修の場が参加者同士の交流の場にもなっており、それぞれ近い自治体同士の集まりでもあるので、協力関係が築かれることを期待したい。(編集部)

12月18日

 北海道社会福祉協議会主催「北海道の生活支援コーディネーター連絡会議」がオンラインで開催され、道内のSCと行政担当者約60名が参加。北海道ブロックのさわやかインストラクター、澤出桃姫子氏、本田徹氏、丸藤競氏、山本純子氏と当財団がグループワークで協力した。
 事例動画は、①北海道広尾町「広尾町における支え合いの仕組みづくりに向けた活動紹介」で、継続的に取り組んだこと、住民の意識が変わっていったことなどについて。②兵庫県丹波市「注文をまちがえる喫茶店だんない」は、人づくりから地域づくりにつながっていることについて。③北海道中頓別町「なかとんべつライドシェア」は、ライドシェアが日本でまだ認められていない中、道路運送法に抵触しない範囲で実施していることの説明。
 参加者からの質問に対して、それぞれの事例発表者がその場で答える時間を設けており、ライブ感あふれる連絡会だった。
 グループワークは11グループに分かれて、課題に感じていること、重点的に取り組んでいること、成果が出ていることを話し合った。各グループ内での自己紹介は、財団の「たのみちゃんパンフレット」を活用し、どのタイプだったかも発表しながら行った。お互いに具体的な悩みを共有し、自分の地域での取り組みを紹介している様子だった。
 発表で、「人材不足の解決策として、民間も含めて地域の多様な主体とつながりをつくっていくことが大切だと思った」「移動について困っているが、大学生を巻き込んだり、運転能力向上講習をしている」「協議体を今後立ち上げていくが、協議体という箱からつくるのではなく、どんな役割を協議体で担うのかをよく考えて、小さな単位からモデルにしていく方法もある」「有償ボランティアについて、正しく理解してもらわないとヘルパーと勘違いする人がいる」「町内会単位で講演会を繰り返したところ、やる気になってくれる町内会に出合えた」「担い手不足というけれど、もしかしたら諦めてしまって声かけができていないのかもしれない」等の意見が出た。事例動画を見て実際に丹波市を訪問した人がいたとの情報もあった。
 道社協主催行事に、インストラクターと財団、道庁が協力するという良い流れができてきたので、今後も継続してほしい。(編集部)

神奈川県

12月13日

 神奈川県主催の「SC・生活支援体制整備事業担当者情報交換会」が開催され、県内のSCと行政担当者が参加。当財団と神奈川県のさわやかインストラクター島津禮子氏が協力した。神奈川県では2年前からアドバイザー派遣事業を実施してきたが、財団から提案してきた情報交換会が今回初めて実現した。
 最初に県担当者より「神奈川県が実施する生活支援コーディネーターへの支援について」と題して、県内のSCや協議体、県の支援策について話があった。
 その後、県内湯河原町と秦野市の第1層SCより事例紹介。湯河原町は、「地域支えあい懇談会『ありがとう』、『お互いさま』のまちづくり」のタイトルで、アドバイザー派遣を利用した取り組みと実行した感想、そして、今後への思いを述べた。秦野市は、「移動支援の事例と担い手育成の取組」のタイトルで、移動支援の担い手探しの工夫や具体的な活動の事例、課題について発表した。担い手探しの工夫として、「地域支えあいドライバー養成研修のお知らせ」を介護保険料決定通知に同封すると男性からの反応が良く、効果的であったとのこと。3日間のドライバー養成研修では、3日目に「地域支えあい」をテーマに他市町村の実践者を呼んでの事例紹介や、具体的なイメージを持ってもらうためのグループワークを行うことなど具体的な取り組みを紹介した。
 続いて財団・鶴山より「住民主体の地域づくりをどう広げるか ―SCと協議体による全国の仕掛けをヒントに学び合おう―」のタイトルで講演。事前アンケートを取った参加者の課題に沿ってSCと協議体の役割を事例と共に伝えた。
 グループワークは3グループに分かれ、各グループがそれぞれ選択したテーマで話し合い、発表を行った。第1グループは「住民主体の取り組みを広げるには、活動をどう支援したらよいか」を選び、住民に対し小さいことでも活動を地道に紹介していくことが大切では、とまとめていた。第2グループは「担い手の発掘について、どうしたらよいか」を選び、地域の防災関連のイベントから適した人を発掘したり、SCが多くの人を巻き込みながらやりっぱなしにならないような取り組みをするべき、とまとめていた。また、リーダー役には就きたくないという人が多いので、あえて規約に「代表は決めず、世話人みんなが責任者」といった旨を盛り込むことでハードルを低くする工夫を挙げていた。第3グループは「協議体の活動を活発にするにはどうしたらよいか」を選び、SCが協議体に出す話題のバリエーションを広げることや、協議体の場で発言することに抵抗がある人には、やりたいことを紙に書き出してもらうのはどうかという意見が出た。
 最後に財団側からコメント。島津氏は、協議体はSCのサポーター的存在であり、悩み過ぎずに取り組んでほしいこと、また、まずは自分の地域の困っている人を把握しに地域にどんどんと出ていくべきと伝えていた。鶴山からは、この情報交換会をきっかけに県内SCや行政担当者がつながり、必要なときに聞き合える関係が大切あること。また、助け合いはいろいろな人が得意なことを生かして「できるときにできることで関わる」という、仕事との違いについて伝えた。そして、生活支援体制整備事業は行政が丸投げではうまくいかない、行政の関わる姿勢が重要で、うまくいっている地域は行政が主体的に参加し、住民の取り組みを広げるためにバックアップしている地域だと伝えた。
 参加者の反応も良く、県にも実施してよかったと感じてもらえたことと思う。(鶴山、大方)

埼玉県

12月14日

 「令和5年度埼玉県生活支援コーディネーター・行政担当者現場視察研修」が行われ、当財団もファシリテーターとして協力した。参加者は88名。当研修は、住民活動実践者やSC等から話を聞き、また、参加者同士で意見交換をすることで、活動の具体的イメージを獲得し、住民同士の支え合い活動の創出と充実を目指すことを目的に毎年行われている。
 研修は、活動の現場の様子を撮影した動画が事前配信され、それを見た上で、研修当日は現場視察研修の担当SCや事務局が登壇し、事前に寄せられた質問に基づいてファシリテーターが質疑応答で活動のポイントを深堀りする形式で実施している。
 今回登壇したのは以下の5団体。①川越市新宿町五丁目自治会(川越市・さまざまな地縁活動を実施)、②スマホっとサロン(桶川市・スマホを通じた集いの場)、③オレンジカフェにってツアー(本庄市・デマンドタクシーの移動支援)、④ささえ愛チームこだま(本庄市・本庄市の第2層協議体によるラジオ体操の集いの場の普及)、⑤コミュニティカフェ「一休さん」(群馬県高崎市・空き店舗を活用した集いの場) 参加者から寄せられた質問は、「どのように担い手を確保したか」「企業や学校とどのようにつながったのか」「SCはどのように働きかけたのか」等。今回登壇した団体の活動は、リーダー的な活動者が生み出した活動ではなく、さまざまな人や資源や制度を生かし、つなげていくことで生み出されたという特徴があった。
 例えば、①の活動は自治会以外の人でも参加可能で、集会所を「町内公民館」に登録し市から助成金を受ける、集会所をバリアフリー化し認証を取って「老人憩いの家」の登録し光熱費の助成を受けるなど、自治会費以外で活動資金を得ることで、誰でも受け入れられる仕組みとしている。また、有償ボランティアの担い手も、利用会員としてだけでなく提供会員としての登録も働きかけ、担い手確保につなげている。既存制度の活用や、地域の人にさまざまな出番をつくることにより自治会活動を活性化させており、都市部であるにもかかわらず自治会加入率は89.7%となっている。
 ③のタクシーを活用した外出支援は、移動手段がなくてサロンに行けないという声に対応し、タクシーという柔軟に対応できる資源を使い、乗り合い形式にすることで有料でも割安で移動手段を確保した。協議体委員が知り合いのタクシー会社に掛け合い、協議体で話し合いを重ねて実現に至った。
 空き店舗を活用した居場所、⑤の活動も関心が寄せられた。改修費の補助が出る高崎市の空き家等改修事業を活用したり、運営費として同市の居場所補助事業(毎月1万円)を活用。「ここで居場所を開催したら、うるさくならないか」といった近隣の声にも耳を傾け、入口を隣家と反対向きにするなど配慮した。住民主体だからこそ活動が創出できた面もうかがえた。
 今回の現場視察は動画とオンラインで行われたが、実際に現場を訪問したい場合は事務局が窓口となり、後につなげるフォローも行っている。
 財団もファシリテーターとして、「SCがこうした既存の制度や地域の人材・資源を活用し、活動創出を働きかけていくためには、地域に出ることが必要となってくる。地域に入り、そのニーズを把握し、地域のさまざまな人材や資源を知ることがその一歩であり、行政は制度面も含めてその後方支援をしてほしい」とコメントした。(岡野)

岩手県

12月15日

 岩手県内のSCと担当行政職員を対象としたSC連絡会が開催され、県内市町村から行政担当者とSCらが参加した。
 実践者の事例紹介は、花巻市高松第三行政区ふるさと地域協議会事務局長・熊谷哲周氏による「総合事業と中山間地域等直接支払い制度を組み合わせた地域づくり ~農村型地域運営組織(農村RMO)で地域が元気になりました!~」。同協議会は地区の全66戸が参加する任意団体。全戸への困りごとアンケート調査結果を踏まえて、2016年から助成金を活用した外出支援を実施し、住民ボランティアの運転により年100回以上地域内を運行し、20年からは中山間地域等直接支払制度第5期対策・集落機能強化加算を活用し、外出支援の対象者拡大、配食サービス(見守り活動を含む)、除雪支援等の住民主体による生活支援に取り組んでいる。
 市町村事例紹介は、花巻市長寿福祉課による「花巻市における『住民が主役』の生活支援の仕組みづくり」。総合事業B型で熊谷氏らの取り組みを支援している様子なども紹介があった。
 続いての当財団の講義は、事前アンケートを基に組み立てた。タイトルは「住民主体の地域づくりの推進」2層協議体の機能と担い手の掘り起こしを柱に、全国の事例を紹介しながら基本を押さえ、多様な仕掛けの方法を提示して取り組みのヒントになればと話した。また、事前アンケートから面白そうな取り組みについていくつかのまちに紹介してもらいながら、多様な手法を共有する内容とした。
 グループワークは「住民主体の地域づくりを推進するためには」をテーマに財団が進行した。「解決できるための仕掛け」「住民活動を応援するためにはどうしたらよいか」多様な仕掛けをグループで議論し、全体で発表して共有した。
 終了後アンケートに「全国の先進事例を教わり協議体を築いていく道筋が見えてきた。SCの役割を見直してみたい」とのコメントもあったとのことで、取り組みのヒントになっていればと思う。(鶴山)

長崎県

12月19日

 長崎県主催による今年度2回目の「助け合い活動強化事業情報交換会」が開催され講師として参加した。県内市町から約60名のSCや自治体担当者などが参加した。今回はアドバイザー派遣を活用して取り組んだ事例として同県大村市と西海市が事例紹介。どんな狙いで住民への仕掛けを行ったか、取り組んだことによる気づき、住民の反応、その後の取り組みなどSCと自治体職員それぞれの立場での話があった。続いて当財団より「住民主体の事業をどうすすめるか」をテーマに事前アンケートや事例報告へのコメントも含めた講義を行った。事例は「しかけ」を中心に同県内や他県の多様な事例を紹介し、主体的な住民を掘り起こしながら広げていくこととそのポイントを紹介。大村市、西海市以外のSCの取り組みからの学びにも触れながら話を進めた。
 後半のグループワークのテーマは「住民主体の助け合い活動を広めるために」。最初に前半の講義や事例紹介の感想などを出し合い、次に事前アンケートを基にそれぞれの取り組みや課題を共有し、「これまで取り組んだこと」に関する相互理解を深めた。また、「取り組みを進める上で困っていること」について、事前アンケートを基に共有し、他のメンバーの実践で解決のヒントになることを互いに出し合った。さらに、「今後取り組みたいこと」について、事前アンケートを基に共有し、取り組みの参考にできることを出し合った。多くのSCは社協や包括の職員が担っている中、時津町は大づかみ方式の勉強会からみんなで選出した住民が2層SCを担っており、今回4名が参加。その前向きな発言に注目が集まる場面もあった。各グループから話し合いの様子や課題などを発表し共有。質疑応答では助け合いの移送や有償ボランティアの創出、男性の参加などについて質問があり、財団からコメントした。
 長崎県は伴走支援を県担当や保健所も関わりながらアドバイザーと共に熱心に後方支援している。また、この日、県が集めた全市町から生活支援体制整備事業の広報啓発資料(事業説明、SC紹介、助け合いの取り組み紹介、イベント周知等)が配布された。ほかにも県内で立ち上がった助け合い(居場所、生活支援、移動支援等)を事例集にして県がホームページで発信しているなど、県がしっかりと後方支援している様子も共有した。多様なモデルが生まれ始めていると実感できる機会となった。(鶴山)

山形県

12月21日

 山形県主催のSC情報交換会が開催され講師として参加した。本研修は「NPO法人きらりよしじまネットワーク」が委託を受けて開催。県内市町村からSCや行政担当者ら25名が参加した。
 第1部では「生活支援活動を支える多様な協働による体制と実践」と題して当財団が講演。住民主体の地域づくりの必要性や国の動きなども伝えながら、仕掛けについて全国の事例を基にさまざまなノウハウを伝えた。同県でこれまで取り組んできた研修受講者のアンケートから、課題と思われる「2層協議体の充実」「報告会で終わらない関係者の情報共有」「1層協議体の役割」「住民フォーラムから勉強会による助け合いの創出」「住民ワークショップ」等を事例に基づいて伝えた。また他事業との連携について、「農村RMOの取り組み」「重層的支援体制整備事業との連動」等を事例と共に紹介し、住民主体の地域づくりの必要性を伝えた。
 グループワークは「地域に助け合いを広めるために」をテーマに、①推進体制づくり、②ニーズと担い手の掘り起こし、③世代を超えた住民への理解、④多様な助け合いの創出、の4つから話し合う内容を1つ選んで各グループで議論。発表で取り組みプロセスを共有した。高齢者に限らない、さまざまな世代の人たちをどう巻き込んでいくかという視点でプロセスが出された。住民の気持ちを生かした主体的な取り組みに向けて、今回の情報が各地域の取り組みに少しでも生かされればうれしい。(鶴山)

沼津市(静岡県)

12月21日

 沼津市で「地域福祉活動計画委員会」が開催され、SCや社協職員、行政職員等16名が参加した。当財団からは生活支援体制整備事業について簡単に説明、現在の同市の状況を確認しつつ、3ステップも説明した。
 その後、どんな地域にしたいのか、グループワークでアイデアを出した。地域で実際に活動している職員らからは、孤独や孤立の増加に関する危機感をひしひしと感じている様子が見られた。助け合い、支え合いながら孤独をつくらないまちづくりを目指したい、お互いの顔が見える集まり、通いの場が必要、地域に多様な集まりがあることが大切、そういった活動が活発であるためには補助金など行政からのサポートが必要だと思う、などの意見が出た。
 この研修を来年度の地域福祉ワークショップでもぜひ生かしてもらいたい。(編集部)

山梨県

12月22日

 山梨県富士東部地域の生活支援コーディネーター情報交換会が開催され、当財団と山梨県のさわやかインストラクター石井満代氏、塚田好子氏、長谷川すみ江氏、同県南アルプス市SCの斉藤節子氏と小林陽一氏が協力した。各自治体が現状を説明し、その後、質問やアドバイスを行った。主な内容は以下の通り。
【富士吉田市】
 担い手不足やニーズ把握が難しいことから住民活動は止まっている。市社協で生活支援ボランティア養成講座を実施したが、その後動きはなく、この講座や動きが事業につなげられているのか不安。事業として位置付けることの認識が広まれば担当者も増えて、より広がっていくのでは。 (財団・鶴山)養成講座を受けた人をどう生かすかが大事。フォローアップ研修をしているところもある。そこから協議体立ち上げにつなげられるとよい。
【丹波山村】
 活動が止まっている。居場所づくりに人が集まらず、コロナで通いの場にも人があまり来なくなった。高齢者も一層年齢を重ねて、主体的に動ける人々がいなくなってきている。山村留学で子どもの数は少し増えた。配食や認知症サポーター等をやってくれる人はいるが、その先につながっていない。社協の配食ボランティアを無償でやってくれる人たちも高齢になりつつある。その事業や動きを誰が中心になってやればいいかも課題。小さい村なので声のかけ合いはある。助け合いにつながるかは不明。
(斉藤氏)介護事業所に行って、話を聞いてみることから初めてみては。小さいところからのニーズ把握も大事。さまざまな人を集めた話し合いの場を持ってはどうか。
(丹波山村)2023年に孤独死が4件あった。民生委員の強化を検討中。
(鶴山)地域の助け合いマップ作りや、居場所づくりを皆で空き家の改修からやってみては。また、村長の所信表明で「共生の居場所づくり」が上がっているが、村を上げて常設共生の居場所をつくる手もあるのでは。
【市川三郷町】
 2016年に第1層ができ、人数は30人ほど。これまで有償ボランティアや男性の居場所などに取り組んできたが、いつまで続けるのかとの声が上がり、モデル地区を置くことに。地域づくりに活発なところに働きかけて勉強会実施。この11月に住民フォーラムを開催し、そこで17人が助け合いに関心を持ってくれた。地域に働きかけていく下地ができつつある。24年1月に第1回勉強会実施予定。「協議体が、今ある組織と何が違う」との問いに明確に答えられないことと、メリットについて説明が難しいことが悩み。また、事業の評価につながる効果の伝え方が難しい。 (小林氏)協議体をどの方向に持っていきたいのかを行政と話し合っては。また、個別エピソードを大切にしてアピールする。介護サービスではできないニーズを満たせたことを強調する。
(斉藤氏)エピソードを共有する場があるとよい。例えば、行政の介護申請窓口に来た介護未満の人を協議体につなぐと、行政もよかったと思ってくれる。協議体が地域ニーズの受け皿となる意識を持ち、役立つことを行政に示す。
【富士川町】
 昨年フォーラムを開催し、40数人が助け合いに関心を持ってくれた。それから勉強会を2か月に1回開催している。参加者の関心に合わせて、居場所グループと困りごと解決グループに分かれている。居場所グループでは参加者より、ニーズ把握をしたほうがよいのではと声が上がるなど第2層のようになってきて、協議体の必要性も感じ始めている。全地区設置は難しいので、できるところから取り組む。既存の組織でそれらしい活動ができているところはそれを生かす方向である。設置できているのがまだ1~2地区なので、他地区にどう広げるかが課題。温度差のある地域へのアプローチはどうしたらよいか。
【上野原市】
 市内の若い世代は、距離的に近い東京に目が向き、地域にあまり関心がない。現在9地区中6地区で2~3層の区別がない協議体ができている。まだ立ち上がっていない地区も今月15日に開催した協議体交流会の刺激を受けて、サロンをやってみることになった。市社協の職員が積極的に地域に顔を出すようにしている。生活支援体制整備事業という名称が難しく感じられるとの声もあるが、南アルプス市・斉藤氏の「これまでにないもの、新しいものをつくるのだからあえて“協議体”の名前で進めた」という話に勇気づけられた。行政職員の異動で住民が不安になりがちなことが悩み。
(斉藤氏)年度の終わりに、今年度やってきたこと、来年やること、課題をまとめておく。それを新しい人に引き継ぐようにする。
【南アルプス市】
 これまで取り組んできて、行政が責任を持ってこの事業をやっていくことが大切と思っている。バックアップしていく姿を住民に伝えることが住民のやる気につながる。専門職とケアマネジャーがつながることが大切。今頑張って活動している人が輝けるような意味付け、活動紹介をするイベントが必要。市とは5年後10年後の協議体について話し合っていかなければと思っている。活動が活発で頑張っている協議体ほど、新しい人がハードルを感じて入ってこない一面があるようにも思う。
【山梨市】
 事業は市直営で、これまで担当者が1年ごとに代わってきたことが一番のデメリット。現在は包括の保健師がSC。協議体は、さわやかインストラクターの協力の下、立ち上がってきており、11地区中3地区で積極的な活動をしている。年3回の「地域丸ごと会議」で情報交換をしている。

 少人数なこともあって、本音が出るなど市町村がつながる機会になった。富士東部ではない南アルプス市や富士川町、市川三郷町等も参加して、コメントしながら盛り上げてくれた。県内が良い関係になってきていると感じる。(鶴山、大方)

地域ケア推進会議に協力

越生町(埼玉県)

12月19日

 生活支援体制整備事業(SC・協議体)と地域ケア会議の連携事例として、越生町の地域ケア推進会議に視察を兼ねて当財団もオブザーバー参加した。グループホーム、特別養護老人ホーム、介護保険事業所ケアマネジャー、居宅介護事業所、大学病院、薬剤師、企業、協議体委員など広く声掛けをして参加者が集まっており、かつ固定メンバーではない。また、いわゆる報告会や会議の形式ではなく数名のグループで着座し、意見を出し合い、共有するための場として設定されている。
 行政担当者のあいさつの後、SCから活動報告と地域資源の情報共有があり、企業が提供する見守りグッズ、プラチナサポートショップの登録内容、移動販売について報告があった。
 その後、包括の進行で、地域課題の「ごみ出し」についてグループで話し合った。テーマは、①どんな場面で困るのか、②自分たちはどんなことができるのか、③あったら便利なことは何か、④具体的解決策、の4点。発表では、「班ごとに集積所をつくる」「中学生など学生に担い手として働きかける」「近隣で助け合う」など住民レベルでできることと、「戸別収集のシステムをつくる」「いつでもごみを捨てられる場をつくる」など行政が行うものが上がった。出された意見は協議体につなげ、引き続き検討する。
 次にグループワークが行われ、SCが作成した地域活動の動画(見守り、グランドゴルフ、編み物サークル)を見た。出された意見は「気になる人を地域で把握してくれるのはケアマネとしてありがたい」「仲間づくりの良い場となっている」「お茶だけでなく、お酒が入る場もあるようで男性に好評のようだ」「ものづくりを楽しむ人もいるので出張に来てほしい」「他の地域でも広げられるのではないか。動画はぜひHP等でアップしてほしい」など、住民が主体的に取り組む活動が、高齢者が地域でいきいきと暮らしていくために効果的だという前向きなものが多数だった。
 見守りに関して、「訪問してほしくない人や、訪問時の話が長い人にどう対応するか」という質問があったが、活動者より「話が長い人は、何度も訪問すると信頼関係ができて短くなってくる。訪問に来てほしくない人には、怒られてもいいから行っている。訪問を重ねると、『待ってたよ』と言われるようになる」という回答があった。
 まとめでオブザーバー参加者がそれぞれ総括を行った。財団からは、出された課題は協議体でも検討していくことになるが、それを進めながらも、ぞれぞれの視点で出された意見や情報は新鮮であると思われ、それぞれの現場で生かして、共に課題解決を検討してほしいと話した。
 会議終了後は事務局で総括を行っており、そこにもオブザーバー参加した。町側の感想で、「参加者は思ったよりも社会資源を知らなかった。SCだけが知っているのでは意味がないのでさらに伝えたい」「今回集まって、参加者の顔の見える関係づくりにもつながった」「区長会、民生委員協議会でも資源や出された意見を周知したい。それについても協議体に話を持っていき、意見を聞きたい」等の意見が出た。財団からは、「越生町は包括・社協、住民・専門家、地域ケア会議・協議体が連携し、それぞれ役割を生かした活動ができていると感じられた。今後も連携を生かした課題解決のモデルになってほしい。また、さらなる連携を進める例として、ケアマネと住民との意見交換会などもある」と話した。
 市町村支援の中でも、地域ケア会議・協議体など他会議との連携ができていない、社協・包括等関係者間の連携が難しいなどの声も聞くことが多かったが、今回の同町の地域ケア推進会議の事例はSC・包括が連携して会議運営やテーマ設定をしており、グループワークで活発に意見を出し合っていた。形式的な会議ではなく、参加者のネットワーク形成と情報周知を進める好事例として大変参考になった。(岡野)

協議体の活動・編成等に協力

石岡市(茨城県)

12月7日

 石岡市で協議体に関する住民向けの説明会が開催された。同市ではこれまでも、住民主体の活動創出に向けた取り組みは積極的に行われてきた。今回は、その取り組みをさらに地域に定着させ、継続できる仕組みとして機能させることを狙いとして実施した。特に、今回は地域の話し合いの機会を協議体の仕組みとして定期開催できるように、当財団としてその目的と構成員の役割などを説明。全国の取り組み事例なども紹介した。
 当日、参加者からは前向きな意見も多く出され、結果的に協議体の編成が決まった。今後の動きに期待したい(長瀬)

上野原市(山梨県)

12月8日

 上野原市で「R5年度生活支援体制整備事業協議体交流会」が開催され、当財団も協力。同市では協議体が6地域でできているが「他の協議体の取り組みを知りたい」「基本を共有したい」「さらに協議体未設置地域の立ち上げにつなげたい」と企画され、財団も企画から協力した。
 交流会は、最初に市内8協議体がそれぞれ活動発表を行い、財団・鶴山よりコメントしながら理解を深めていくプログラムでスタートした。
 ① いどばた会…夏祭り、どんど焼きを実施。子どもをはじめ多くの参加があった。
 ② とんびの会…高齢者・障害者支援の有償ボランティアを行っている。横の関係ができつつある。
 (財団コメント)普段あまり関わりの持てない人たちを引き出せた点はとても良い。そこから交流を深め、困りごとのニーズを掴めるようになるとよい。やっていてよかった、また、助けてもらった人の声の発信で担い手を増やせるのでは。頼みやすいですよ、という点もアピールすると広がっていくだろう。
 ③ うえのはら支え愛の会新二地区…「みまもり・つながり・あつまり」の実施。
 ④ ひなづる会…農業体験事業への協力。
(財団コメント)地道な活動から助け合いの活動まで絆が深まった点が良い。見守られる側の人も役立てるような仕組み、仕掛けができるとよりよい。
 ⑤ うえのはら支え愛の会新一区アシスト会…高齢者・障害者への支援。ニーズ把握、担い手不足が課題である。
 ⑥ うえのはら支え愛の会「まちなかの会」…有償ボランティア、オレンジカフェの実施。協議体を超えた連携をしていきたい。
(⑤・⑥財団コメント)どちらも生活支援のグループ。「助けて」と言いやすい関係は居場所で本音を言い合える関係づくりから。ネットワークづくりはできるところから始めていければよい。
 ⑦ 大目さくらの会…中学生との交流、人生会議の勉強会。
 ⑧ ゆずり葉の会…子育てサロンの会場でうどん作り、世代間交流。
(⑦・⑧財団コメント)どちらも子どもたちへの働きかけ。やってみたいことに取り組んでいて良い。現在はイベント的だが、今後、多世代の居場所をつくっていけるとよいのでは。良いところを学び合って今後の連携につなげていければよい。
 次に、「地域でできる助け合いとは?」のテーマで4グループに分かれてグループワークを行い、発表した。具体的な助け合いのアイデアまではなかなか出なかったが、現状の課題から、居場所が欲しいとの声や、活動を周知する機会を増やすべき、楽しみながら活動したいとの声があった。
 次に「助け合う地域を広げよう!」と題して鶴山が講演。助け合いの必要性とその経緯、協議体について伝え、サービスづくりではない地域づくりの大切さを事例とともに説明した。
 今回は協議体未設置の地域の住民の参加もあるなど、全体的に活発な交流がなされた。参加者のアンケートでも、今後の活動に生かしたいとの声が多く上がるなど、刺激のある会となったようだ。生活支援や居場所など助け合いの実践はまだこれからだが、共生の視点を持っている地域もあり、主体性もあると感じた。この会の後、グループワークで話し合いが始まり、協議体立ち上げにつながったとのことだった。このような会は、協議体や助け合いを広げる上で良い取り組みだと思う。(鶴山、大方)

本巣市(岐阜県)

12月13日

 本巣市の第2層協議体の全体会が開催され、当財団も情報提供で協力した。同市は、協議体を立ち上げてから5年以上継続できている自治体。構成員の理解も深く、情報共有を月1回のペースで実施してきた。今回の企画は、その活動状況を全圏域の第2層協議体の構成員同士で共有する機会として開催された。
 財団は制度の振り返りと全国事例紹介など、情報提供で協力。今回のプログラムについては、SCを含む関係者が企画の段階から構成や、当日実施するグループワークのテーマをまとめているため、参加した構成員と共に今後の取り組み方について検討を深めることができた。(長瀬)

羽咋市(石川県)

12月15日

 羽咋市富永地区での第2層協議体発足式が行われ、当財団はオンラインで協力した。同市では、公民館圏域で第2層協議体を編成してきており、富永地区協議体は9番目の発足。
 発足に向けては3回の「富永地区の支え合いを考える会」(住民勉強会)と「富永地区生活支援協議体発足に係る準備会」(住民有志による協議体準備会、11月実施)を経ている。発足式は、市長が駆け付け応援メッセージを発信、続いてメンバーの自己紹介が行われた。ついで、協議体の愛称、今後の開催予定について協議を行った。財団からは協議体の具体的な取り組みを説明した。(髙橋)

鯖江市(福井県)

12月16日

 鯖江市片上地区での第2層協議体編成を目指して「安心して暮らし続けられる片上のために」(住民勉強会)が開催された。今回は2回目の勉強会で、10月に地区フォーラム、11月に最初のワークショップを行っている。当財団からは協議体の活動について説明。前回の振り返り、グループワークの進行は、第1層・第2層SCが担当した。グループワークは前回出てきた地域の課題に対して「自分たちでできること」について話し合い、「つながりづくり」や「健康維持」など、さまざまな前向きな意見が発言された。(髙橋)

アドバイザー派遣事業に協力

笛吹市(山梨県)

12月4日

 笛吹市で「支えあい・つながりのある地域づくりフォーラム」が開催され、住民約100人が参加。山梨県のアドバイザー派遣事業として当財団が協力し、同県南アルプス市SCの斉藤節子氏と小林陽一氏が事例紹介で参加した。
 プログラムは同市内一宮町の「笑顔おとどけ隊」による寸劇「つながりは地域の宝物」が披露された。笑顔おとどけ隊はシルバー体操のメンバー10人で構成されたグループで月2回居場所を開催している。寸劇はサロンを舞台に、免許を返納して移動手段がなくなったことや、薬の管理、ごみ出しなどの困りごとを挙げ、一人暮らし高齢者の誘い出しなど生活を支える「栄養・運動・社会参加」の大切さを伝えるものであった。
 財団・鶴山の講演では、「支えあい・つながりのある地域づくりをするため ―助け合いの仕組みでお互い様の地域を広げよう―」として、助け合いの必要性とSCおよび協議体についてまず伝え、全国の居場所や有償ボランティア等の助け合いの事例を通じて、助け合いのコツや「できるときに、できる人が、できることを」の関わり方などを紹介し、「仲間をつくり、やってみよう」と伝えた。
 生活支援体制整備事業の先進地として、南アルプス市の活動状況が斉藤氏と小林氏から発表された。斉藤氏は、南アルプス市も最初は寸劇などから住民の理解を広め、だんだんと今のように協議体を活性化させてきたこと、協議体の活動で人生が豊かになっている人もいることを伝えた。小林氏は、協議体は住民が主体的に話し合う場であり、また、見切り発車でもよいのでまず何か活動を始めてみてほしいことや、地域の一人ひとりに目を向け、どんな支え合いが必要か考えてほしいと伝えた。
 その後、笛吹市の地元の地域活動組織である「FAN」の雨宮富美雄さんによる活動発表。FANは藤垈(F)を愛する(A)仲間たち(N)の頭文字を取って名付けられている。1層2層での話し合いを重ね、支え合う地域づくりを共通の目標に2021年に立ち上がった。草刈りや蛇口の交換など生活上の小さな困りごとに応えつつ地域づくり学習会も開催し、会員自身が明るい長寿社会を築く一員になることを目指している。
 最後に鶴山より、「助け合いはやらされ感では長く続かないこと、必要だと感じた人は、今日集まった人たちでグループをつくったり話し合いを始めたりしてほしい。助け合う姿を子や孫の世代に見せていくことがこれからの安心して暮らせる笛吹市の地域づくりにつながっていく。みんなで一緒につくっていこう。そして、南アルプス市をはじめ県内市町村でも取り組みが進んでいるので、ときには情報交換しながら取り組める。このフォーラムが笛吹市での助け合う地域づくりを広げる一歩になれば」とコメントしてまとめとした。(鶴山、大方)

幸田町(愛知県)

12月5日

 幸田町では第2層協議体の編成から約1年が経過。その協議体の構成員同士が活動状況について共有する機会として、第2層協議体の連絡会が今回開催された。
 同町では協議体の取り組みについて、編成前から関係者が連携しバックアップに取り組んでいる。今回の企画で報告された協議体の活動状況からも、情報共有が定期的に行われ、順調に進んでいる様子がうかがえた。財団として、制度の振り返りと全国の事例などについて情報提供を行った。また、プログラムで実施したグループワークでは、参加した構成員からも協議体の取り組みに対する前向きな意見が多く出され、今後の展開が期待できる内容となった。(長瀬)

北名古屋市(愛知県)

12月16日

 地域支え合いを推進するために、北名古屋市社協が主催する「支え合いによる地域づくりワークショップ」が開催された。同市では、次年度の2層協議体づくりにつながることも狙い、昨年度からこの取り組みを始めており、今年度は4回目の開催となった。この日は五条小学校区の5自治会から支部長や支部関係者、民生児童委員が参加。今後の2層協議体づくりに向けて、まずは中心となる人たちに支え合いによる地域づくりを理解してもらうこともテーマとした。愛知県のアドバイザー派遣を活用し当財団が講師として参加した。
 ワークショップは2部構成。第1部では第1層SCの阿部寛之氏から勉強会の趣旨や同市のこれまでの取り組み等の説明があり、続いて財団より「なぜ、助け合いが必要なのか」「助け合う地域づくりに向けてSCと協議体の役割」について伝え、助け合い体験ゲームを行った。
 第2部のグループワークは、第1部での気づきを出し合い、「地域の気になること」「やってみたいこと」について自治会ごとのグループで議論した。第2層SCや包括職員が地域ごとに分かれてファシリテーターを務め、住民の意見を引き出しながら取り組んだ。地域をよく知っている人たちで話し合い、これからの協議体づくりに協力する機運が高まった。1月末には11自治会で「勝手にしゃべって委員会」(地域の課題や支え合いについて話し合う場)が開催される。主体的な住民たちが自分たちの地域について話し合う第2層協議体の機能が各地で動き出していく。24年度の協力依頼もあり、応援していく。(鶴山)

湯河原町(神奈川県)

12月20日

 神奈川県のアドバイザー派遣事業として、湯河原町の「地域支えあい」住民チームとSC・協議体委員合同勉強会に当財団と神奈川県のさわやかインストラクター島津禮子氏が協力した。出席者は、住民、第1層協議体メンバー、野田美恵子SC等16人ほど。以前から、第1層協議体について野田SCからの相談を受け財団が支援してきた同町。「住民に働きかけないと始まらない」という呼びかけが響き、住民向けフォーラムや勉強会を重ね、少しずつ前進してきた。
 野田SCより、住民チーム(昨年3月の住民勉強会で助け合いに関心を持った住民)の一部が生活支援活動を始めようとしているが、仲間が集まらないことやニーズが上がってこないことが課題とのこと。また、住民チームとSCで勉強会を4回実施したが、活動が活発化しないこともあり、今回は実践者である島津氏の講演や、住民を交えたトークやグループワークで今後の活性化を狙った。
 島津氏からは「小さなまちのものがたり」と題して、同県横浜市戸塚区のドリームハイツの歴史的な経緯と居住者の背景やニーズに合わせた組織づくりについて説明された。
 続いて、トークの時間は、鶴山が進行しながら参加者から質問を取り、島津氏をはじめみんなで回答していく時間とした。「仲間が集まらない、困っている人が声を上げない、有償ボランティアで移動支援をしているが利用者が少ない」といった悩みが上がった。島津氏より、気兼ねなく利用してもらうために事前に説明会を何回も開催したり、有償ボランティアの金銭授受は現金でなくチケットにするなどの工夫を伝えた。また、鶴山より「有償ボランティアの立ち上げステップ」をパワーポイント資料で紹介しながら、「仲間をどう集めるか」「お金はどう集めていくか」など、さまざまな方法を紹介しながら、島津氏の方法を引き出すなどして、これから始めたい参加者への情報提供を行った。
 グループワークでは、「有償ボランティア活動の実現に向けて」とのテーマで3グループに分かれて話し合った。1グループ目は心配事として事務所立ち上げのコスト、謝礼金の額、メンバー集めを上げていた。2グループ目は、助け合いが人と人とが触れ合う機会になればよいと発表。3グループ目は、つながりが希薄化する中で困りごとを把握する難しさ、専門職と助け合いの線引き、支援の内容にばらつきが出ないように町で組織化をしたほうがよいのでは、と発表した。
 その後、野田SCより「SC・協議体の役割」と題して発表があり、最後に、今後の第2層協議体づくりに住民が協力してほしいことが伝えられた。
 終了後の振り返りで、「今回の参加者は、それぞれやりたいことや悩みが違うので、全体勉強会よりもそれぞれに対する個別支援が必要ではないか」「第2層づくりにつなげていくのか」等について考えてもらうことになった。今後もバックアップしていきたい。(鶴山、大方)

北杜市(山梨県)

12月23日

 北杜市で初めてとなる住民向けフォーラム「山梨県北杜市支えあいのまちづくりフォーラム~ 発見!私もできるはじめの一歩~」が開催され、住民など約60人が参加。当財団も山梨県のアドバイザー派遣事業として企画段階から協力した。
 第1部は、財団・鶴山より、「助け合っていきいきと暮らす地域づくり」と題して講演。会場でSCの存在を知っている人をたずねたところ、手が上がったのは数人だった。市社協のSC三井洋明氏と水石敬仁氏を壇上で紹介。講演では、財団の「NEXT」動画から「たすけあい遠州」の取り組みを紹介し、「住民主体の活動の即応性柔軟性」を伝え、また「料理好きな人が少し多めに作ってご近所にお裾分けするなど、ちょっとしたことをできる範囲で取り組む人が増えることでも助け合いが広がる」ことを伝えた。また、鹿児島県大和村の事例で、見守りや耕作放棄地での野菜作りによる楽しみづくり、居場所を中心としたつながりの再構築の事例など、すぐに始められそうな事例を中心に紹介した。
 第2部では、「地域支えあい活動発表」として、「大泉シニアマップをつくる会」と「フラワーサロン台ケ原」が三井氏、水石氏と登壇。2つの活動の紹介後、鶴山の進行で、住民の活動とそれを広げるSCとの関係を質問しながら参加者に理解してもらった。
 「大泉シニアマップ」は、移住者による取り組み。2016年に生活支援勉強会から、自立して生きたい高齢者に優しいお店やいざというときの助けが得られる店をまとめた地図が欲しい、と考えた有志4名が18年に完成させたもの。23年に情報を更新して再発行された。店でマップを見かけた住民から「欲しい」と声が上がったことや、玄関に貼っている住民もいる。鶴山からは、自分たちで必要性を感じて行動した素晴らしさを称えながら、寄付など応援をどう集めたか質問したところ、「片っ端から電話帳で電話をした」とのこと、積極的な働きかけが応援につながった。
 「フラワーサロン」は、民生委員だった人が市社協からのすすめで立ち上げた設立6年目のサロン。地域に元気な高齢者が多かったことや、子育て・孫育てが終わった人たちの居場所が欲しいということから準備委員会を発足して立ち上げた。当番制にしたことでメンバーの主体性が生まれたことや、地域のつながりが深まった。ただ、会員の高齢化や減少もあり、今後は多世代の参加と活動の多様化を目指したいとのこと。SCが、サロン活動を通して地域がどんな姿になってほしいかたずねると、助け合い支え合って暮らせる地域づくりの土台になってほしい、とのことだった。
 参加者アンケートで関心を持ってくれた19人を対象に、2月に地域づくり勉強会を予定しているとのこと。3月の勉強会は財団が支援することになった。(鶴山、大方)

(本稿担当は、大方彩友美、岡野貴代、髙橋望、鶴山芳子、長瀬純治、三浦里沙、目﨑智恵子、編集部)