「地域助け合い基金」助成先報告

 Art Lab Ova

神奈川県横浜市中区
居場所生活支援配食・会食その他

助成額

200,000円2020/07/07

助成⾦の活⽤内容

3月中は、休校中のこどもたちの学びの場としてアートワークショップやこどもクッキングを何度も開催した。非常事態宣言後もまだ居場所を必要とする子のために居場所を開放していた。また、外出ができなくなった子とその家族のために、やはり経営難に陥っていたネパールや中国などのこどもの親の料理屋から弁当を購入して配食をした。学校がはじまった5月下旬からこどもたちの出入りが戻ってきたので感染症対策をしながらオープンしている。また学校や自治体からの書類の処理に困っていないか、各家庭を訪問して書類の代読や代筆をしている。これらは、他の緊急助成金を得て開催してきたが、どの助成金も、家賃と光熱費と人件費には利用できないので、母体の運営自体が危うい状態にある。

活動報告

賃貸物件を利用しているので、コロナ禍でも、活動を継続してこどもたちに居場所を提供できたことは良かったのだが、収益事業がゼロの状態になったので、運営自体は窮地に陥っていた。また、活動内容もフードパントリー、配食、書類の読み書きの代行、学習支援など、新規のニーズが激増し、その上、アルコール消毒などの感染症対策もしなくてはならず、スタッフ2名は未曽有の忙しさの中で、家賃、光熱費、人件費の心配をし、寄付も募らなければならない状態にあった。
しかし、この助成金によって、光熱費と人件費の一部を支援されたことにより、金策よりも、喫緊の事業に集中することができた。
ありがとうございます。

今後の展開

コロナをきっかけに、ふだん当アートスペースに出入りしている海外につながる子の家庭に困りごとがないかどうか、積極的に聞いてまわったことで、今までは見えてこなかったことがたくさんわかってきました。
3月=卒業式のスーツがなくて困っている子がいました。また中学校の制服や体操着の申込もしていませんでした。休校中は万年床でゲームに没頭している子がほとんどで勉強も運動もできていませんでした。
4月=例年は先生が声をかけてくれていたようですが、ほとんどの家庭で就学援助の書類に気づいていませんでした。
またPTAを介して安く申し込めるこどものための保険についてはどの家庭も今まで知らなかったようです。とりあえず自転車を乗っている子の親には申込を勧めましたが、どの親も経済的に苦しい中、年間5000円程度の最低額でなく、2万円以上のコースに申し込んでいました。
こどもたちの親が経営している料理屋を何件か訪問したところ、情報がなくて困っていました。お客さんがまったく来ないのにいつも通り深夜までオープンしていたので結局神奈川県の休業補償金はもらえませんでした。
コロナのために失業した親もいます。なかなか見つからない持続化給付金などの多言語情報を探したり依頼したりして手渡しましたが、最終的に日本語で申請しなくてはいけないので多くの親が申請していません。
5月=休校中にリストカットをはじめていた子に気づき、学校と情報を共有しました。そのほかにも、家以外の行き場を失ったために、兄弟やアルコール依存症の家族などによる暴力に直面していた子もいます。日本語のわからない人たちとその家族のための依存症など精神疾患の治療や向き合い方には、早急な支援や対応が必要です。
乳歯がすべて虫歯だという小学生の母親になぜ病院に行かないのか?と聞くと「日本語がわからないから」という返答がありました。国民健康保険に加入していても受診のハードルが高いことがわかりました。
この地域の公立小中学校の6割が海外につながる子で、その割合は増加の一途です。
日本生まれの子も多いですし、ほとんどの子は日本で成長し、日本で働きます。次世代を担ってくれる彼らの実情を知ることは日本の未来を考える上でも急務だと考えます。
5月下旬に登校が再開し、こどもたちは以前と同様にやってくるようになりました。
一方で、わたしたちの活動の収益やスタッフの収入は激減したままです。
訪問者の検温、手洗いのチェック、真夏は熱中症のケア、みんなが帰ったあとのアルコール消毒や清掃、そしてコロナ関係の緊急助成金や給付金等の申請と報告の繰り返しなど、今までにないくらい多忙な毎日を過ごしています。今までは常時募集していたボランティアさんの募集も今は控えています。
この大変な現状を、どのように多くの方々とシェアできるのか?毎日試行錯誤をしながら、なんとか生きています。

添付資料