「地域助け合い基金」助成先報告

 安佐北ミミの会

広島県広島市安佐北区 ウェブサイト
居場所見守りその他

助成額

129,000円2020/08/03

助成⾦の活⽤内容

要介護者や要支援者、その方たちを介護するご家族の皆さんや独居の皆さんの不安やストレスに寄り添うため、月二回のサロン「ちょっと、ひとやすみ」を開いて、その思いのたけを聴かせていただいています。コロナ禍の中、自宅での自粛、介護施設が利用できないなど、以前に増して自宅での介護者やご本人の負担や不安が増している。そこで新しい活動として電話での傾聴を行う体制を整えたい。

活動報告

コロナ禍で独居の方、自宅で介護している介護者の方など辛い自分の思いや誰かと話がしたいお気持ちを聴く為、助成を受けて2台のスマホを確保。コロナ前から定例会やサロンなど行っていた金曜日の午後13時~15時を電話傾聴時間としました。安佐北区社会福祉協議会より公民館等各所にチラシを配布していただき、又安佐北区の広報誌にも紹介していただきました。
スタートした令和2年9月0件,10月2件,11月5件,12月6件,明けて令和3年1月4件,2月5件,3月12件,4月13件,5月13件,6月10件,7月20件,8月3件。累計93件でした。初めてお電話いただいた方とは2時間たっぷりお話を聴きました。自分の置かれた環境の愚痴ばかり、2時間です。「こんなに聴いてもらったことはなかった。すっきりした」「来週が楽しみ」とおっしゃっていただき、以後毎週お電話をいただくことになりました。この方は、60代の女性。子供時代、親から期待されない環境で育ち、嫁ぎ先では主人や姑、小姑に相手にされず地域の方たちともうまくゆかず、ご病気で内臓や精神を悪くし、下肢も悪く杖を手放せない自分では外出はできない方(民生委員さんからの紹介)。50代の女性、自宅で90代の透析の必要なお母さまを介護されておられる娘さん。当初は勤めていたがお母さまの状態が悪くなり離職。お母さまのわがままを毎日聞いて暮らす。「こんなところがあるとは知らなかった。辛い気持ちを聴いてもらえて、本当にうれしかった。」以後何度か電話をいただいた。少し間があいて泣きながら連絡があった。「母さんが亡くなった。悲しい。もっとお世話すればよかった。」後悔のお電話でした(包括支援センターからの紹介)。80代の女性、「夫が入院したのは自分のせい。自分は悪い女。死にたい」と何度も繰り返し言われる。一日の内3回時間外に電話があり同じように「自分は悪い女、死にたい」と繰り返された。以後電話がないので気になり、紹介先の包括支援センターに確認すると,「電話したことで気持ちが落ち着いたのか今は元気にしておられる様子」とのこと。70代の独居女性、「自分の棲んでいる県営アパートの上、左右の部屋の住人から嫌がらせを受けている。宗教の勧誘を断ったのが理由だろうか?女だからバカにしている。」「誰にも言えなかったことを言えたので、少し安心した」(包括支援センターからの紹介)。80代の施設暮らしの女性、高齢者施設に入所しておられる。「誰とも話をすることがなく、誰かと話がしたかった」毎週電話をしてこられた(包括支援サンタ―からの紹介)。等など。
安佐北区は広島市の北部にあり、高齢化率が一番高い地域です。1年間の電話件数が93が多いのか少ないのかはわかりませんが、まだまだ需要はあるように思えました。今年の5月、安佐北区内で70代のご主人が、80代の奥様を絞殺するという事件が発生。ご主人は一人で病気のある奥様を介護しておられた、いわゆる「老々介護」。他人の力を借りず一人で介護されており、近所の方には「やれんのよ」と愚痴をこぼしておられたようですが、この電話番号をその方がご存じであれば、違った結末が待っていたのではないかと当時はショックでした。

今後の展開

安佐北ミミの会は会費や参加費を集めないボランティア活動グループです。活動はすべてメンバーが交通費等実費を出しております。今回のさわやか福祉財団様に助成していただき活動の幅が広がりました。しかしながら資金がないことには変わりはなく、助成期間が過ぎても電話傾聴活動を別の支援を受けながら継続を考えておりましたが、メンバーの高齢化、2年間の活動停止(コロナ禍の外出制限)の中、活動意欲の低下や下肢筋力の低下等(私は自宅で転倒骨折により、100日以上入院)で、安佐北ミミの会自体の存続の危機に面しています。せっかく電話でつながった方たちには、個人の携帯を使って必要に応じて連絡を取り合うようにします。又、パンデミック前には開いておりました独居の方、自宅介護者の方たちが集まれる、サロン「ちょっと、ひとやすみ」をコロナ騒動が穏やかになった時点での再開を考えており、このサロンに電話でつながった皆さんにも参加していただきたく開催をまっております。今後、コロナ禍が収まる時期は誰にもわかりません、いつ次の波が来るやもしれません。8050問題つまり80歳代の親が50歳代の子の面倒を見る深刻な問題や中高年のひきこもりの問題。ひきこもっておられる当事者をボランティア仲間として一緒に活動ができないかなど考えております。現在、90歳代のお母さまと60歳代のひきこもりの娘さんのご家庭を私は気にかけています。お母さまは「もう疲れた、施設に入りたい、だけど娘の面倒を見なければ」と、愚痴をこぼしながらにも頑張っておられる。やりたい活動はたくさんある。勝手ではありますが、今回の我々の活動をどのように評価されるか分かりませんが、さわやか福祉財団様の助成を一回限りとせず今後も継続していただくことを希望しております。

添付資料