「地域助け合い基金」助成先報告

 くらしくらぶ ~倉渕支え合いくらぶ~

群馬県高崎市
生活支援移動支援

助成額

150,000円2020/09/18

助成⾦の活⽤内容

高崎市倉渕町は、中山間地域に属し、人口は約3,300人、高齢化率は約45%で、高齢化と過疎化が進む地域であり、高齢者を支える活動が必要となっています。特に集落には、小さな食料品店やコンビニはあるものの、医療機関も少なく、日用品を購入する場所も限られています。特に公共交通機関が発達していない中山間地域ということもあり、かねてから移動支援ニーズがありました。
実際に、倉渕地域の第2層協議体が実施したニーズ把握の際に移動支援に関するニーズが多数ありました。その背景として、現在、高崎市や社会福祉協議会の実施する高齢者を支える取り組みはあるものの、活動のエリアが町内に限られていることもあり、既存の活動だけでは町外への通院や買い物といった移動のニーズには応えることは難しく、また、助け合い支援が足りないことがあげられます。そこで、今回は、倉渕地域に住む、高崎市倉渕地区在住・在勤・在活動の方で高齢者等の困りごとを抱えた方を対象とした、町外への通院、買い物支援を行うため、有償ボランティア団体である「くらしくらぶ」を立ち上げ、支援を行っていこうと思っています。
活動内容は、外出支援、草取り、草刈り、家事(炊事・洗濯・掃除)買い物代行、ペットの散歩・えさやり、裁縫・衣類の補修、電球交換等、移動支援を含む生活支援を実施していきます。この生活支援は、会員制の助け合い活動で、事前に登録をし、会員になっていただいた上で、活動を実施します。移動支援については、住民同士の支えあいとして道路運送法上の許可・登録の必要がない外出支援を行います。運送の代金は発生しませんが、運送以外の支援(外出準備、乗降介助、外出先の付き添い等)に対して費用が発生するものとします。この活動を通して少しでも、住み慣れた地域で暮らせる人が増えていけばと考えています。

活動報告

くらしくらぶ~倉渕支え合いくらぶ~(以下当会)は、倉渕町内の住民を対象とした会員制の有償ボランティア活動を令和2年11月1日に設立しました。令和3年8月1日現在の会員数は32名で、活動開始から189件の助け合い活動を実施しました。実施内容としては、病院同行支援や買い物支援、草取り等を実施してきました。
 当会では、サポーターや利用者が無理なく、継続的かつ安心安全にできる活動を目指しています。
 当会の活動は、移動支援を含む助け合い活動を実施しているため、緊急時のマニュアルを作成し、事故等の対応にも備えています。また、利用者の緊急時の対応や生活の変化の早期発見につなげられることができるよう、会員に同意を得て、地域包括支援センターと情報共有をしています。
 また、3か月に1回、当会と地域包括支援センター、社会福祉協議会倉渕支所、高崎市第1層生活支援コーディネーター4者が情報交換を行い、活動上の困り事や地域の情報等を共有するよう努めています。
 また、会員数の増加とともに、移動支援のニーズが増えたため、令和3年の5月に新たな担い手を確保することを目的に、運転者講習会を実施しました。この講習会は、当会独自のものであり、地域住民の方が気軽に参加できる「垣根の低い研修」を目指しています。当日は、地域住民4名の参加があり、講習会終了後に、新たに2名がサポーターとして加わりました。
 利用している方からは、「倉渕町外への通院や買い物が難しく、困っていたが、この活動がありとても助かった」、「ちょっとした困り事をすぐに対応してもらえ、ありがたい」という声が多数寄せられています。
 活動をしているサポーターからは「地域の皆さんの力になることができてとてもうれしい」「ありがとうという言葉が励みになっている」といった声も聞かれ、サポーターの生きがいややりがい、ご自分の介護予防にもつながっています。

今後の展開

当会では、活動が継続できるよう、サポーターが無理なく、気軽にできる活動に取り組むよう心掛けており、利用者の方にも、この点を理解していただいた上で、入会していただいております。
 活動をする中で利用者が増え、ニーズも多様化し外出支援だけでなく、草刈りや雨どいの掃除といった田舎の地域ならではのニーズも出てきています。今後も当会としては、様々なニーズに柔軟に対応できるよう努めて参ります。
 くらしくらぶの強みは、第2層倉渕地区協議体と連携していることです。現在は、コロナ禍で協議体会議は開催されていませんが、協議体再開後は、活動中で得られた地域の情報や地域ニーズ等を協議体会議で共有し、当会としてできることについても検討を重ねていきます。
 倉渕町内は、少子高齢化が進み、明日は我が身という状況になりつつあります。地域住民の当会の活動の必要性を地域住民に周知しながら、世代を超え、みんなで助け合う町を目指し、地域の支え合いの輪を広げていきます。

添付資料