「地域助け合い基金」助成先報告

NPO法人 北海道若年認知症の人と家族の会

北海道札幌市中央区
居場所見守り生活支援

助成額

150,000円2020/09/30

助成⾦の活⽤内容

若年認知症の人(64歳以下)は、統計的に男性が多く、一家の柱となっている割合が高いため、就労の道を設けることが重要となっいる。しかし、就労中の発症によって7割は退職を余儀なくされており、就労の継続と退職後の就労先や居場所が大きな課題となっている。とりわけ、退職になっても本人の就労意欲や社会参加を支えるための障がい者支援の事業の活用が重要と考えるが、本会として若年認知症の人の利用状況について把握する必要がある。若年認知症の人の就労は難しいが、特に現在、コロナ禍の影響で、就労の道がさらに閉ざされる傾向にある。
ついては、北海道内の就労支援事業所をまずは書面で実態を調査し、その中で就労の可能性のある事業所を直接訪問調査することにより、一人でも就労につなげていきたい。 今回の助成による調査終了後、医療機関や、本人、家族はもとより、企業・事業所・支援関係者が早期に対応できる「就労、社会参加支援のための冊子」を発行することにより対応していきたい。

活動報告

今回の調査前までは、札幌市内における就労支援事業所における若年性認知症の人に対する関わりの実態は不明であった。
今回、さわやか福祉財団の助成を受け、札幌市内の全ての就労支援事業所(631事業所)の実態調査を行った。(アンケート調査結果については別添で送付する)
調査概要については次の通りある。
(1)アンケート回収状況
   分  類       郵送数 返却数 配布数 回収数 回収率(%)
就労継続支援A型事業所     11    7    106    21     19.8
就労継続支援B型事業所     39    9    390    103     26.4
就労移行支援事業所     79     5    74    19     25.7
就労定着支援事業所     40     1    39    10     25.6  
合 計           631    22    609    153     25.1
(2)若年性認知症の方の受入れ状況
        就労継続支援A型(n=21 就労移行支援B型(n=103 就労移行支援(n=19) 就労定着支援(n=10) 全体(n=153)
現在受入れている 1(4.8%) 5(4.9%) 0(0,0%) 0(0,0%) 6(3.9%)
以前に受入れたことがある 1(4.8%) 6(5.8%) 0(0,0%) 0(0,0%) 7(4.6%)
現在利用の相談があり検討中である 0(0,0%) 1(1.0%) 0(0,0%) 0(0,0%) 1(0.7%)
利用の相談があったが受入れなかった1(4.8%) 1(1.0%) 1(5.3%) 0(0,0%) 3(2.0%)
今まで利用の相談はなかった 18(85.7%) 88(85.4%) 17(89.5%) 10(100%) 133(86.9%)
無回答 0(0,0%) 2(1.9%) 1(5.3%) 0(0,0%) 3(2.0%)
  合計 21(100%) 103(100%) 19(100%) 10(100%) 153(100%)
(3)若年性認知症の方、受入れ施設に対する訪問調査
現在受入れている事業所、以前に受入れたことがある事業所(13事業所)で、訪問インタビューが可能とあった事業所(8事業所)に対して、訪問インタビュー調査を行った。
調査結果ついては、現在りまとめ中である。

今後の展開

現在、札幌市内の就労継続支援事業所の調査終了後、札幌市外の就労継続支援事業所(849施設)に対して同様の調査を実施している。
今後、今回行った札幌市内、及び現在実施中の北海道内就労支援事業所の状況終了後、北海道内全体の調査結果に基づき、若年性認知症の人と家族、及び関係機関に対して、分かりやすい「若年性認知症の人の就労と社会参加のためのガイドブック」を作成る予定ある。

添付資料