「地域助け合い基金」助成先報告

 アジアのことば教室

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助成額

150,000円2020/10/12

助成⾦の活⽤内容

外国ルーツの方が地域社会にスムーズに定着することを目的に、日本語指導員を対象とした学生や社会人向けの多言語(英語、中国語、韓国語、タガログ語等)による日本語教育のプログラム開発と研修を実施します。外国人に対する日本語教育はこれまで、主に留学生向けの日本語学習指導が求められてきましたが、今後は国の政策としての外国人労働力の受け入れを背景に、教育・子育て、生活、仕事等の場面で必要となる日本語学習支援がますます重要です。本活動では日本語指導員を対象に多言語(英語、中国語、韓国語、タガログ語等)による日本語学習指導を開発し研修を実施します。日本語指導員が外国ルーツの学習者の母語で日本語指導を行うことによって、学習者の日本語習得をより円滑にし、地域社会に溶け込みやすくなることを目指しています。

活動報告

本プロジェクトの直接の対象者は、日本で生活する外国ルーツの方々に日本語を指導する日本語教師、および日本語指導員です。彼らの語学習得をサポートするために4つの言語のレッスンを実施しました。

・言語別のレッスン受講者数と受講者の居住地について
タガログ語 3名(埼玉県、広島、フィリピン/マニラ)
韓国語   1名(大阪府)
英語    3名(東京都、大阪府、熊本県)
中国語   3名(神奈川県、埼玉県、福岡県)
※レッスンはすべてオンライン(スカイプ、もしくはZoom)で実施しました。

・言語別の受講者募集期間とレッスン実施期間
タガログ語 2021年1月11日~1月18日、2月6日~4月11日
韓国語   2021年4月12日~4月18日、5月7日~6月11日
英語    2021年3月1日~3月8日、3月18日~6月18日
中国語   2021年3月29日~4月4日、4月14日~7月21日
※受講者募集は本プロジェクト主催者のSNS(ツイッター、インスタグラム、フェイスブック、ホームページ)を利用して行いました。

・各言語の教材制作期間(レッスン用、ホームページ公開用)期間  2021年2月1日~9月1日
・受講者への受講後アンケート実施期間 2021年4月12日~7月31日
・広報期間(受講者募集、レッスン状況をSNSで発信) 2020年11月1日~2021年7月30日

今後の展開

本プロジェクトの核である語学レッスンの受講者募集には、日本国内のみならず海外からも受講申し込みがありました。受講者を決定する際に最も重視したのは、語学習得を目指す具体的な理由です。
従来、日本語学校等では直接法(日本語を使って日本語を教える)という教授方法が一般的でした。現在は、状況も変化しつつあり、英語で日本語の授業ができる日本語指導者の数も増えてきています。
指導者と学習者が共通言語を持つことは、学習の進捗に良い影響を与える事が知られています。日本語指導者が日本語学習者の母語を理解しコミュニケーションをとれることは、指導者が学習者の習熟度をより深く理解することに役立ち、授業中の様々な指示や行動が効率的に行われ授業の進捗を促します。同時に学習者は自分の母語を話す指導者に対して親近感を持ち、双方の信頼関係の構築がすすみます。
今回、語学レッスンを受けられた方の中から、習った言語を自分の日本語の授業の時に実際に使ってみて、双方向の理解、双方向のコミュニケーションがお互いの信頼感を増進し、授業が進めやすくなったという感想を主催者に寄せてくださいました。
人口が減少する日本において外国ルーツの労働力の受け入れは益々重要な課題です。日本は受け入れ側として、日本語習得のプログラムを提供する必要があります。その中で、日本語指導者が、例えば英語は勿論の事、中国語、タガログ語、韓国語等、日本で働く人たちの母語に理解があれば、彼らの日本語習得のみならず、地域のコミュニティへの参加、日本社会への参加を促し、ひいては日本社会の安定につながることを信じ、今後も本プロジェクト同様の取り組みを続けていきたいと思っています。

添付資料