「地域助け合い基金」助成先報告

NPO法人 泉の会

静岡県静岡市清水区 ウェブサイト
居場所配食・会食

助成額

150,000円2021/01/20

助成⾦の活⽤内容

現状の活動を継続しながら、「どんな人」ともつながっていく拠点づくりを目指す。
①宅老所
・老人病院のケースワーカーやケアマネージャー等を通じて相談を受け、病気を抱える方の看取り、在宅での生活が不安な方のレスパイトなど、可能な限りどんな状況の方を受入れていく。
②常設居場所「寄ってっ亭」
・月~土、8時半~16時は常に場所を開放し、うつ病を抱える人、知的障がい者、認知症の方など誰でも自由に立ち寄れる場所とする。来所した方に対してはゆるやかな声かけをしながら、本人のペースで楽しみを見出していけるよう関わる(例えば、場所の掃除をしたり一緒にマスク作りをしたり、周りの方と会話ができるように関わっていく。)
・現在、社会的な課題である「男性の社会参加の場」となるよう、シニア世代が卓球、太極拳、将棋、習字、居酒屋(夜間の居場所)など楽しい活動をして自由に過ごせる場を提供する。
③子どもの居場所「こどもっ家」
・各相談機関と連携して、コロナ禍で生活困窮になってしまった世帯や休校により給食がとれない児童生徒への食事提供・食料配布を行う。
・月2回(学校休業日)、9時~15時で開設。(コロナ禍では一部変更もある)不登校の小中学生、発達障害児、生活困窮世帯、一人親世帯、共働き世帯、外国人の保護者の世帯、保護者がうつ病難病の世帯、虞犯少年、虐待やネグレクトの世帯など(以上は全て実例)様々な不安や困難を抱える世帯にとって、「一緒に遊べる友達」と「親しみ頼れる大人」と出会える機会となる居場所を提供する。
・会食と遊びを基本のプログラムとする(コロナ禍では一部変更もある)一緒に遊び、一緒に食事をとりながら、子ども達の食生活を支え、子ども達とリラックスして関わり見守っていく。

活動報告

私たちは2003年から始めた「宅老所」、2000年から介護保険事業として始めた「デイサービス」、2006年から地域貢献で取り組んだ「常設居場所」、2017年から新たに子ども分野に取り組んだ「こどもっ家」という、それぞれのニーズに対して何ができるだろうかと考えて活動を立上げ、利用者(希望者)がいる限り続けてきました。時代の変化とともに、希望されるニーズも変わっております。
今回頂きました助成金については、主に「常設居場所 寄ってっ亭」と「子どもの居場所 こどもっ家」で活用させて頂きました。『場』をつくることで、強制的ではない本人の意思による参加の場、ふらっと気軽に立ち寄れる場になれたらと考え取り組んできました。
「常設居場所 寄ってっ亭」は、2021年度の実績は、日曜をのぞく毎日=月~土の5日間開設し、延べ2800名の方が立ち寄って下さいました。コロナ禍で多くの行事や活動が中止となる中、感染防止に努め、閉鎖することなく場を開放しました。各自が自己責任で感染予防に努めながら寄ってっ亭に来て、集い体を動かしたり他者と会って会話することで、一人暮らしの高齢者の方々や在宅介護をする方々のストレス発散になったとの声もありました。
また、「子どもの居場所こどもっ家」は月2回の集団活動を年間21回実施しました。また、平日昼間には不登校児を対象として生活リズムをつくり、個人のレベルに対応した学習をサポートするという個別支援活動を年間38日実施しました。活動には、中・高・大学生の学生や、保護者世代、シニア世代の方々がボランティアで協力してくださり実施しました。子ども及びスタッフ参加を含め総計351名の参加がありました。大勢のスタッフの関わりが、子ども達にとっても他者との関わりの実体験となったという成果が見えました。例えば、不登校で感情の起伏が激しかった子が、週に2度程スタッフと個別に関わり勉強する時間をもつことで、感情が落ち着いて穏やかになって徐々に学校へ登校するようになり、今では生活のリズムができて毎日学校に通っています。学校とも家庭とも違う第3の関わりをもつことで、子どもが心を穏やかに他者と関わり、集団社会につながっていけたというステップとなったと自負しています。
「子どもの居場所こどもっ家」の活動を通しては、子どもだけでなく保護者を含んだ世帯への関わりも意識して取り組みました。活動日には、食の提供も併せて行いました。これは、子ども達の食の保障という意味と共に、食事の提供が十分にはできない保護者への支援としても大変喜ばれました。病気や障がいにより生活力が高くない保護者にとっては、食の提供が?支えられている安心感”になった、という声も頂きました。
そのような世帯(家庭)での問題や複雑な問題を抱える方については、主任児童委員(民生委員児童委員)、生活支援コーディネーターや市社協、スクールソーシャルワーカー、地域包括支援センターなどの専門機関にも関わって頂き、問題が解決できるようにつなげていきました。私たちとしては、同じ地域に住む住民の立場で、相談の声を受け止め、排除せず、出来る範囲でのサポート活動に取り組んできました。

今後の展開

この度は、応援いただき活動を継続することができました。ありがとうございました。
人と人との関わりが希薄化している時代の中で、新型コロナウィルスの発生により追い打ちをかけて人々の交流の機会・外出の機会が激減してしまいました。目には見えないですが、この人との関わりがもてないという状況は、社会的孤立や気力・体力の低下という問題につながっているのではないかという不安を感じます。私共は、大きなことはできませんが、どんな状況でも「場」を開き、ふらっと行ける場になること(=常設居場所 寄ってっ亭)を今後も続けていきたいと思います。
また、次の時代をつくっていく子ども達を、同じ地域に住む大人として親しみ頼られる存在となっていけるような関わりをもつこと(=子どもの居場所 こどもっ家)を継続していきたいと思います。
複雑多様な福祉問題については、専門機関や公的機関とつながり問題解決していけるよう、連携体制をもちながら進めていきたいと思います。

添付資料