「地域助け合い基金」助成先報告

 さんばの玉手箱

静岡県静岡市駿河区
その他

助成額

147,000円2021/02/24

助成⾦の活⽤内容

1.助産師という職業を通じ、妊娠出産の経過や命の大切さ・尊さを伝え、自分らしさを大切にし、一人一人が生きる力を持った素晴らしい存在であることを再確認する機会とするため、未就学児・小学生・中高大学生・親など、それぞれの対象に合わせた性に関する知識の提供をする。
また、自分のみではなく、友達や育ててくれた人を大切に思う気持ちを育てる事を目的とし、対象に合わせた様々なワークを行う。
2.日頃児童・学生と関わっておられる教職員の方、保護者の方との交流を持ち、児童・学生が置かれている性や命について触れる機会についての情報共有を図りたい。

活動報告

小学生には『命のはなし』として、男女の違いや命の始まり、お産劇を通じ、命の大切さや相手を思いやる気持ちを伝えました。小学4年生とその保護者様が参加され、子供が生まれた時の事を思い出し感動した、命は大切にしようと思ったなどの感想が聞かれました。

中学2年生には『中学生のあなたへ?助産師だから伝えたいこと?』と題し、命の始まりから出産、男女交際についてなど、自分も相手も大事にする事を伝えました。多感な年頃のため、その場での反応は少なかったですが、男女交際については、真剣に考えるきっかけになったと、後の感想文でいただきました。

高校生には『高校生のあなたへ?助産師だから伝えたいこと?』と題し、命の始まりから出産、男女交際や親になることについてなど、命を繋いでいくことの素晴らしさや責任について伝えました。自分たちはもう親になることのできる年齢であり、守られてきた存在から守る側になってゆく事を自覚していくことを意識した内容で講義しました。

また、全学年に対し、助産師という職業の紹介、出産事情の紹介をしながら自然分娩の素晴らしさを伝えました。

(感想)
・自分がお母さんのお腹にいた頃、大きな震災があったと聞かされた。(小学生)
・双子はどのようにして妊娠し、生まれるのか?(小学生)
・自分が生まれてきたことをすごいなと思いました。自分の個性を大切にしようと思いました。(小学生)
・男も女も色々大変ということがわかった。(小学生)
・赤ちゃん人形を抱っこした時、思ったより大きくてビックリしました。赤ちゃんが出来るのは、本当に奇跡だと思いました。(中学生)
・安易なセックスはしてはいけないと改めて分かりました。段階的に恋愛をしていこうと思いました。(中学生)
・この命を次世代へ繋いでいかなければならないと感じた。(中学生)
・パートナーができた時には、お互いをまず大切にすること、大切な存在だから少しのあやまちでパートナーを傷つけてしまわないようにきちんと段階を踏むことが大切だ。(高校生)
・命の尊さを知ったからこそ、自分と相手で正しい関係を築いていきたい。(高校生)
・出産と、出産するまでも、女性が一番大変なので、家事をしたり、パートナーを気遣ったりしたいと感じた。(高校生)
・性行の知識をしっかり身につけたいと思った。(高校生)

今後の展開

地域の方にアピールしたいこと
学校での性教育は、文科省の指針に伴い、各教科や道徳、学級活動、総合学習の中で、それぞれの学年の発達段階に応じた教育内容を網羅できるよう計画されている。しかし、さまざまな制約から、ミニマムな時間と内容にならざるを得ないと言うことは、学校の養護教諭の先生や保護者から聞いている。
実際は、男女の性に関する生物的側面からの項目が多く取り組みされているが、人間関係における性への取り組みは少ないようで、リアルな部分にもう一歩踏み入った話をしてほしいと言う要望があった。
命の現場にいる私たち助産師にできることは、日々命を育てることに向き合う親御さんの様子や生きる力を持った命、私たち自身の生きる力について伝えていくことである。命の始まり、命のもととなる男女の出会い、命を育てていくパートナーシップについて、望ましい姿を考えていただく機会を提供することである。
科学的な性の知識を身に付けることに止まらず、関係性としての性、人権としての性、相手への態度を考えることを通して、自らの意思表示や意思決定、健康的な行動の必要性の理解を深める教育が必要であることをアピールしてゆきたい。

添付資料