「地域助け合い基金」助成先報告

 ゲイの老人ホーム・共同住居案内と友活の会

神奈川県横浜市戸塚区
生活支援その他

助成額

150,000円2021/03/18

助成⾦の活⽤内容

独身・独居である例が多いゲイ男性は、歳を重ねて高齢者となる時にどう生きていけばいいのか、漠とした不安を抱えています。不安を抱える最大の理由は、高齢者のロールモデルとなる当事者がいないことです。
当事者がカミングアウトして堂々と表に出るようになったのは、2000年代以降のことであり、大半は現在50代以下の人たちであります。独居の高齢者である当事者が、どのような生活スタイルを持っているのかを知る機会がないために、自分の老後をイメージすることができづらいのです。
また、独身男性であるゆえに、兄弟がいたとしても親の介護のキーパーソンとなる例は少なくありません。自分の老後の前に、親の介護の問題も立ちはだかっていることが分かっているゆえに、30代以上のゲイ男性は、漠とした不安を抱えることになっています。

私たちが構築するウェブサイトは、当事者が抱える漠とした不安を解消するために、「自分の老後とエンディング」「親の介護」という2本の柱を中心に据え、当事者の具体的な実例や、用意されているサービス、自治体の取り組みなどを紹介していきます。

また2本の柱に加えて、大人のゲイ男性が興味を持つライフスタイル情報も取り上げていきます。そうすることで、より多くの当事者がウェブサイトを来訪するきっかけを作り、伝えたい重要な情報にアクセスする機会を増やしていこうと考えています。
「ゲイ男性に向けて」というコンセプトではありますが、増加している未婚の独居男性にとっても必要となる情報を集積していきます。「親の介護」「自分の老後・エンディング」に対して抱く不安を取り除き支援できるウェブサイト運営を目指しています。
※サイトとは別に今期ゲイ高齢者の憩いのコミュニティカフェを東京都台東区にオープンします。
その際は東京都や台東区のゲイ高齢者向けの情報発信はもちろん、地方在住の高齢ゲイに対しての発信役割を果たします。

活動報告

ゲイの老後をともに考え、友達をつくる友活の会を助成頂いた資金を活用し、高齢ゲイ向けの終活情報サイト「ジオ?楽部」を開設しました。

新型コロナ禍であったため、友活の活動回数は限られてしまいましたが、
ゲイの老後をともに考え、友達をつくる友活の会を助成頂いた資金を活用し、高齢ゲイ向けの終活情報サイト「ジオ?楽部(以下本サイト)」を開設しました。
※本サイトでは本助成金以外には一切企業や個人からの寄付金なども受け取りませんでした。

イベント情報以外にも、ゲイの高齢者に興味を持っていただけるような記事サイト構成を心がけることで
1日平均1000PV数の達成も出来ました。
想像以上の効果でした。

また本サイトを見て、友活だけではなく、終活に興味持つ高齢者も増えていきました。
追記)友活の評価はメディアもあり、「カミングアウトの向こう側」で友活ついて特集されました。

今後の展開

申請時に特に注力していた高齢ゲイの集まる上野浅草ゲイタウンがある台東区の高齢者動向で一定の成果出すことは出来ました。
台東区や周辺23区にお住まいの高齢ゲイが参加者の5割を超えたことを踏まえると、地域向けの課題とのバランスも取れたと評価しています。
友活の会に参加した高齢者が積極的に老後の健康対策として、HIV検査受診に行ったというケースは5件把握しています。

一方で、ゲイ高齢者の推計1/4の人口割合でいるHIV陽性者問題も浮き彫りになりました。
現在、助成頂き開設をした高齢ゲイや老後問題に関心を抱く中年ゲイ層にも、次年度以降はHIV陽性の老後対策(具体的には住替えし、服薬管理下におかれることでHIVからエイズ発症を防げるように)の手法など含めた情報発信を行いたいと考えています。