「地域助け合い基金」助成先報告

 森之宮社会福祉協議会

大阪府大阪市城東区 ウェブサイト
居場所見守り生活支援移動支援配食・会食その他

助成額

150,000円2021/03/31

助成⾦の活⽤内容

地域の約70%が築50年以上の団地、そしてその他の30%も集合住宅である特殊な住居環境であることから、隣近所との繋がりも薄く、町会加入率も30%を切るなど高齢者を取り巻く状況は大変厳しい。特に近年 独居高齢者の増加に伴う「孤独死」や認知症患者による徘徊などが、地域での喫緊の問題となっている。そして、追い打ちをかけるように新型コロナウイルス感染症による自粛生活で、普段でもご近所づきあいの無い高齢者が人との交流も絶たれ、ますます孤立に拍車をかけてしまった。そのような中、特に厳しい状況に置かれている「独居高齢者」にターゲットを絞り、気軽に足を運んでもらえるイベントの開催や相談会などを実施する「居場所」を設置し、閉じこもり予防・見守りを兼ねた活動を行う。
月に1~2回程度 憩の家にて、健康相談・お薬相談・介護相談コーナーを併設した、映画観賞会、音楽鑑賞会、健康体操、脳トレゲーム、手芸講習、塗り絵など高齢者が興味あるイベントを実施する。

活動報告

助成金は、地域のほとんどを占める高度経済成長期に建設された団地の高齢化に対する取り組みのひとつとして活用させていただきました。子どもの多くが進学・就職・結婚などにより流出し、親世代になる高齢のみ世帯が残っている状況。また、配偶者が亡くなったあとの独居高齢者率が高いのも地域の特徴となっています。そのような状況ではありますが、健康で安心して住み続けられる団地としていくためにも、この事業は必要だったと思います。ただ、今年度もほとんどが新型コロナウィルス感染拡大により活動を自粛せざるを得ないことになり、計画していた月1~2回の実施が出来なかったことは残念です。予算の半分を占める感染対策品(空気清浄機)や、CDプレーヤーなどに関しては、今後も様々な場面で活用させていただきます。事業内容といたしましては、自粛生活で人との会話や外出機会が少なくなった独居高齢者を対象とし、昔を懐かしんでいただける「懐メロを聴く会」をかわきりに、「歴史まち歩き」「映画上映会」「ミニ門松づくり」「日本にお名作を聴く会」「フラワーアレンジメント」などを催しました。まち歩きでは「何十年も住んでいても地域の歴史を知らなかったわ」「氏神さんに初めて参ったわ」。映画上映会では「昔、主人とよく映画館デートした」との思い出話もしてくださいました。また、お正月に向けたミニ門松づくりは隣の人と世間話をしながら楽しんでおられました。3月には感染拡大による暗い雰囲気を吹き飛ばそうと、春らしく「フラワーアレンジメント」を行いました。参加者からは「生花に触るのは10年ぶり」「自分のためにお花を買うことがないから嬉しい」と大変お喜びでした。ご自分の生けたアレンジと記念撮影される方もおられ、久しぶりに華やいだ時間を過ごされたようです。これらのイベントには、生活支援コーディネーターの方々や地域包括支援センターもご参加くださり、高齢者が苦手な細かい作業のお手伝いもしてくださいました。
そして何よりも嬉しいことは、この事業の成果が認められ、令和4年度森之宮地域活動協議会の取り組みとして正式に「高齢者健康増進事業」として継続することが決まりました。また、2025年に地域内に開校する「公立大学大阪」の総合リハビリテーション科や、地元の総合病院や薬局などとの協力も得ながら「健康で安心して住み続けられるまち」を目指してまいります。

今後の展開

高度経済成長期に急速に整備された多くの団地やニュータウンにおいて、同世代が一斉に入居したといった特徴を有しており、このため現在は居住者の高齢化をはじめとするオールドタウン化の問題がわたしたちの地域にも顕著に生じています。再生に向けた早急な対策が必要とされていますが、地域住民だけでは難しいため、団地を管理するURをはじめ、行政・病院・薬局・地域包括支援センター・保育園・特養・コンビニ、3年後に開校する大学など地域に関わる全ての諸団体と今後の対応について話し合う機会を定期的に設けています。今後は高齢者問題と並行して、若い世代の方々にも参加してもらえるような魅力ある企画をご提案・アドバイスいただける団体からのご連絡をお待ちしております。

添付資料