「地域助け合い基金」助成先報告

NPO法人 Rumah kita

北海道札幌市西区 ウェブサイト
居場所その他

助成額

150,000円2021/04/22

助成⾦の活⽤内容

日々の育児や介護を支援するためには様々な公的な制度だけではなく、当事者家族と地域社会の繋がりは必須である。しかし現実には、重症心身障害児が生まれたことで、日常生きる上で必要とされるケアのほとんどを母親が行うために母親が社会に出て働くことは現実非常に困難である。また、その子どもが成長しても地域の学校に通うことはできず、特別支援学校高等部を卒業後も地域社会と繋がりを持つ機会は非常に少ない。まして就労の機会など重症心身障害者は現状ほぼ無いに等しい。このように、重い障害を理由として社会から切り離されてきた現状であるが、近年発展している支援機器や支援技術を活用することで、コミュニケーションなどの学びの機会や生産活動に参加することが可能となってきている。このことから、私たちは様々な支援技術を活用し、重症心身障害児者とその家族が就労し、地域社会に参加することを諦めない生活基盤を作り出す活動を行いたい。具体的には、ICT技術や支援機器を活用したコミュニケーション支援、それら技術を活用したデザイン製作や縫工作業、さらには生涯の学びの機会を確保し、地域社会に発信・貢献することで重症心身障害児者とその家族の社会参加の機会を確保する。そのために、地域で活躍する講師やボランティアをはじめとして支援機器エンジニアや講師、特別支援学校教職員・障害福祉サービス事業所スタッフ等と連携し、定期的な学習会や訪問または通所による学習支援の実施、製作作品や販売品の定期的な出店を目指す。このような活動を通じて誰もが地域社会と繋がり、学び、働き、生活できる「私たちの家(インドネシア語で団体名「Rumah kita」)」づくりを2021年秋に法人設立登記を目指し行う。

活動報告

まずは団体の法人化を行い、HPを開設するところから始まった。法人設立のための相談をする為、札幌市内にある中小企業共済センターに出向き、繰り返し活動内容やその規模について話し合う中で、「特定非営利活動法人としてのスタートがふさわしい」という意見をいただいた。さらに札幌市市民活動サポートセンターへの相談を重ね、団体内での話し合いの結果、NPO法人として設立準備を進めることとなった。今回の助成金を活用することで、法人格取得に至るまでの相談・手続きやHP開設・活動のスタートをスムーズに行うことができた。
2021年10月、札幌市による認証と法務局への登記手続きを経てNPO法人Rumah kitaとして正式にスタートすることとなった。
NPO法人格取得と同時にHPを公開し、まず、AT支援を中心に活動を開始した。具体的には重心児者のご家族からの相談や希望を受け、実際に家庭訪問を行い、アセスメントを行なった上でEyeTrackerやスイッチを活用した遊びの支援活動を行っている。また、地域の児童発達支援事業所への訪問を行い、事業所を利用している重心児への活動支援や、事業所スタッフからの相談対応を行った。これらの活動は、今後もニーズに合わせて定期的に訪問活動を続けていく。
また、EyeTrackerを使って描いた作品を元にアクセサリーやグッズ等を製作し、それらの製品を寄付を頂いた方へのお礼として届けることで、さらに活動を知っていただく機会を創り出すことができている。
さらに、厳冬期の外出を支援する「身体に合わせた防寒具の製作」についてもHPを通して依頼や問い合わせが寄せられており、メールを通して採寸・試作品合わせを経て順次製作・納品を行なっている。
このように法人格取得後、HPを通して活動内容を紹介し、問い合わせに対応していく中で、札幌市内の他の活動法人・団体との連携したイベントや活動についても新たな動きが生まれ始めている。
現状では、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を考えると、積極的にイベント活動を行うことや研修会・作品の展示等を行うことはまだ難しいという課題もあるが、引き続き地域社会に発信していく活動を続けて行く。

今後の展開

「重度の障がいがあっても 地域でともに学び・遊び・働き 心地よく暮らす。をお手伝い」
Rumah kitaのHPトップページに掲げていることばです。
自分の住み慣れた地域で、障がいの有無や程度に関係なく、誰もが「あたりまえ」と思っている生活を日々楽しんでいきたいと思う気持ちは誰にでもあることだと考えます。
楽しむ方法や手段はそれぞれですが、障がいの程度が重いと、楽しめる活動そのものを見つけにくいことも多いのではと考えています。
このことから、私たちRumah kitaでは、アシスティブ・テクノロジー(Assistive Technology)機器を使った活動を通して、重い障がいがあっても家族や周囲と一緒に楽しむ方法を考える活動や、一緒に製作を行い、社会に発信する活動を行っています。さらに、生涯を通じて学ぶ機会を創り出すことや、身体に合わせた防寒グッズを製作することで心地よい暮らしづくりをお手伝いしていきます。
まだまだスタートしたばかりの小さなNPO法人ですが、これからもつながりを大切にし、地域に根ざした活動を続けていきたいと考えます。

■ホームページはこちらから
https://rumah-kita.org

添付資料