「地域助け合い基金」助成先報告

 おのみちの、を

広島県尾道市 ウェブサイト
居場所配食・会食その他

助成額

129,000円2021/07/26

助成⾦の活⽤内容

〇活動の目的
各世代の方々が孤立することを防ぎ、誰もがいくつになっても夢を持って生きられる社会づくりをめざす。
〇具体的な活動
①『お茶の間』という、地域の方が誰でも気軽に立ち寄れる場の運営
子育てに追われる方、高齢の方、居場所がない子どもや若者、障がいを持った方などがほっとでき、気軽に交流できる場を開く。本や雑誌、漫画を置き、思い思いに過ごせるように。また、囲碁や将棋、ボードゲーム、カードゲーム等を用意し、交流のきっかけが生まれるように環境を整える。

『学びの場』という、一人ひとりが学びたい内容に沿って個別学習を行う場の運営
これまで学ぶ機会に恵まれなかった高齢者の方、学び直しをしたい方、家庭で勉強するのが困難な方、塾に通うのが困難な方、定時制や通信制高校に通う生徒などに向けて学ぶ環境を保障し、人との関わりを通じて、それぞれが自分の生き方について考える機会を提供する。

上の活動を進めていくにあたり、地域の社会福祉協議会や他の活動団体との情報交換や協力、地域の大学と連携してのオンライン講座の実施を行う。地域における世代間のタテのつながり、立場を超えたヨコのつながりを形成していくことで、人のつながりを面的の広げ、場に参加しない方についても地域の中で安否の情報が共有できるようにしたいと考える。自らの団体が主体になるのでなく、地域の中に自然に共助の形が生まれるよう、その環境づくりを進めていく。

活動報告

1 利用者の方々について
・地域の高齢者の方々が集まり、おしゃべり、趣味、生活上の悩みごとの相談、若い頃にできなかった学習をする憩いの場になり、利用する子どもたちやボランティアの大学生のために料理を作ってくださることも度々あった。
・社会的養護出身の方が、夢である大学進学のための学習の場として利用してくださり、私たちスタッフやボランンティアとともに学び、夢を実現させた。
・不登校の中学生の方々が、立ち寄って寛いだり、スタッフやボランティアの大学生たちと学習したり、遊んだり、話したりして和んでいた。
・利用者の方、ボランティア、スタッフが、それぞれ自分の興味関心や特技を生かして、パン作り教室、茶道教室、哲学対話などを企画して、皆で楽しんだ。
・コロナ感染対策徹底の下、季節に応じて、七夕飾り、ハロウィン、クリスマス等のイベントを開催し、老若男女が参加して交流を深めた。

2 ボランティアの大学生について
・コロナ禍で大学が休校になったり、オンライン授業になったりすることで、人との接点が減り、コミュニケーションをとる機会が少なくなった一人暮らしの大学生たちにとって、地域の高齢者の方々、子どもたち、スタッフとともに過ごし、一緒に食事をすることで、安心して過ごせる場として役立つことができた。また、運営する場の中で、オンライン授業に参加できるよう配慮した。

3 通りかかる地域の大人や小中高校生の方々について
・施設の外にホワイトボードを活用してメッセージコーナーを作り、クイズ、季節ごとのメッセージなどを投げかけてやり取りを行い、コミュニケーションをとった。
・廃材を利用して、クリスマスツリー、新聞スクラップ掲示コーナー、卒業生に送るメッセージ掲示物を作り、付箋やカードを利用してコミュニケーションをとった。

4 見学してくださる方々について
・活動開始時は駐車場が全くなかったため、それを理由に敬遠されることが多かったが、一時借りが可能になり、また貴財団から助成金の一部を駐車場代として利用すことをご承認いただき、しだいに多くの方々に見学していただけるようになった。また、オンラインを利用して関東や九州で同様の活動をなさっている団体から、見学していただくこともあり、研鑽を深めた。

今後の展開

当会の目的は、「子育てと学びをともに行うこと」を通じて、地域の中で誰もが孤立しない環境をつくることです。周辺は高齢者の方の割合が大きい地域であり、一人暮らしの80代以上の方も少なくありません。また、乳幼児を抱えて子育てに追われる親御さん、中でもひとり親家庭の方にとって、息をついたり、おしゃべりしたり、相談を受けたりすることで、僅かでも安心感を提供できる場になれればと思います。一方、教育や福祉の保護から洩れがちな若い世代の方々にとって、安らげ、大人たちと関わることができ、相談し、夢を抱いて、学習することができ、ともに遊ぶことができる場として継続していきたいと思っています。私たちが「一方的に誰かのために何かをする」というスタンスではなく、この場に出入りする方々が、さまざまな体験や出会いを通じて、利他的かつ利己的に支え合う環境をつくるための素地であり続けることを会の信念といたしております。
まだまだ利用者が少なく、リピーターも少ない現状です。イベント時だけでなく、日常的にさまざまな人が気軽にふらっと立ち寄れるように、来年度から駄菓子屋を併設するなど、「間口を広く、敷居を低く」の方針の下、工夫をしていきます。ご利用いただく方々が、自由にアイデアを出し合い、工夫し、調整し合って、地域の中に積極的な共助の形をつくる。そのためにお役に立てればと思います。この場でぜひ伺いたいことは、①「どうすれば乳幼児を抱えた親御さんが、もっと気安く訪れるようになるか」、同様に「男性の高齢者の方が入りやすいようにするには、どうしたらよいか」という場所としての工夫のあり方、②「ぜひ来てほしいと考える方々に、こちらからどのようなアプローチが可能か」という方法についてです。ぜひ、ご意見、ご提案をいただきたいと存じます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

添付資料