「地域助け合い基金」助成先報告

 TIEトマトマの会

神奈川県茅ヶ崎市
居場所その他

助成額

150,000円2021/08/19

助成⾦の活⽤内容

「TIEトマトマの会」では、外国につながりのある子ども、主に中高生を対象とした無償補習教室を運営しています。
それぞれの国の様々な背景・状況や親の事情から、この国に来た生活者としての子ども達が、この地で自分らしく成長してその思いや力を発揮できるよう、安心して学べる場を考えています。
自身の希望とは関係のない来日で不安や不満から始まったとしても、同じ立場の子ども達やローモデル、身近なボランティアの大人達と接していくことで安心感から前向きになれるよう、またこうした立場・経験を充分に将来に活かせるようになればと願っています。

活動報告

活動の苦労としては 会の活動拠点としていたセンターがコロナ対応として利用しにくくなったこと。
定例活動としての教室をコロナ対策として2室取るようにしているが 何回もキャンセル空きを待って取るようにするなど、その確保が厳しくなっている。彼らにとって居場所として馴染むには、毎回同じ場所が大事ながらそれができない。またセンター内で予約以外のスペースが皆無なこと、一切の飲食禁止状態も継続したまま等々、居場所としての活動に支障をきたしている。
コロナ対応とはいえ、このまま定着していく様子で市民活動の場としての在り方が変わっていくことを危惧し、今後の活動の課題となっている。

中国からの生徒など学習者は以前からは少なくなっているが、今は来日したばかりのウクライナの生徒が、ウズベキスタンの兄妹とロシア語で親しく話ができ、家族ぐるみで交流会に参加するなど、いくらかほっとしてもらえる場となっていると思う。また対応するボランティアも声がかかるので、基本的にマンツーマン対応の教室としては必要に応じた学習対応が出来ていると思う。

こうした学習者とボランティア指導者は、地域の相談窓口や地域のコーディネーターから声がかかることが多いので、やはり地域とのつながりや情報交換などを密に大事にしていきたい。

今後の展開

横浜駅から近く、外国籍住民の多い神奈川区・西区・中区などからの、学習者に参加しやすい地域に活動拠点があるので、以前から国際学級のある中学や積極的な受け入れ校からの生徒が参加してきた。
 
その中でも、横浜駅から徒歩で通えて高校としてはかなりの外国ルーツ生徒の受け入れ態勢をとってきた翠嵐定時が、今無くなろうとしている。トマトマ教室は、その位置からも翠嵐定時から勉強に来る生徒があり、また中学から安心して受験を勧められる高校であった。その翠嵐定時が無くなることに大変危惧を感じている。

別な場に同様な対応を目指す定時制高校を開設とのことながら、実質長期間、多くの生徒は翠嵐定時同様の対応をうけられないこととなる。以前 翠嵐定時に外国籍生徒対応のコーディネーターとしてかかわってきた者(記入者)は、義務教育にない高校での外国籍生徒に対する段階的な日本語指導や教科対応などなど、積極的な対応に取り組んできた翠嵐定時を見てきた。ここで積極的になっていく生徒、大学進学を目指す生徒など、こうした対応があっての結果と思う。 
 
トマトマ教室の学習者は、国や家庭の状況から自国の教育を中断して移動を余儀なくされてくる生徒であり、こうした生徒もどのような状況の生徒でも、子ども・若者への正当な教育・学習の機会を用意することは必須の筈である。教育に差をつける事態を避けるのは教育行政の重要な仕事と思う。

添付資料