「地域助け合い基金」助成先報告

NPO法人 パンキャンジャパン

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その他

助成額

150,000円2021/08/25

助成⾦の活⽤内容

活動: 「膵臓(すいぞう)がん患者に必要な情報を提供し、患者と医療者をつなぐパンフレットの制作」

対象:膵臓がん 患者・家族および関係者(医療者を含む)
方法:パンフレットの制作 (より後悔のない意思決定につながる情報提供)、および 制作物の地域への配布
目的:膵臓がんの告知を受けた後、余命が短い方は数か月~1年で亡くなる方も多く、また早期で見つかった場合も再発・転移がしやすいがんであるため、状況にあった治療選択、QOL(生活の質)など、様々な情報が求められる病気です。患者が医療者と協力して、より自身の状況にあった意思決定〔=患者と医療者の協働意思決定〕につなげられるよう、より広い層に情報提供を行い、地域・近郊へ配布を行います。

活動報告

●活動の背景と助成金を受けての活動
膵臓(すいぞう)がんは、5年生存率が12%(2022年国立がん研究センター調べ)と、予後が非常に悪く、「21世紀に残された最後の難治性がん」と言われています。どのがんでも告知はとてもショッキングなことですが、特に「膵臓がん」と告知された方は、大変心の動揺が大きく、その衝撃で、しばらくは様々なことが理解しにくくなる状態になります。一旦、ショックが収まってからは、どのように情報を得ていけばよいかがわからず、「病気へのアプローチの中の迷子」になる方も多くおられます。

この度の助成金では、膵臓がんの告知後の患者さん、ご家族など関係者に向けたパンフレットを制作させていただきました。「告知後にどのように自分の病気についての情報を正しく得て、自分に合った治療法に納得感をもってつなげられるか」に着目した内容のため、制作にあたり、実際に罹患した 膵臓がんの患者さん、ご家族にヒアリングを行ったことをはじめ、これまでの弊団体のイベントでのアンケートなどを分析し、「どのタイミングでどのような内容を得ているとよいか」を洗い出した形で、制作に臨みました。

●パンフレットの内容
タイトル 「“膵臓がんと告知されたら” 病気について知っておきたいこと ―自分の病気の状態を知る
副題 「できるだけ回り道せずに、自分にあった治療に至るために、私たちはどんなことを確認しておけばよいでしょうか?」
内容
・告知後の心の状態  ・・・今自分がおかれている状態の確認
・「告知」前後の流れ  ・・・医療の中で、自分はどこにいるか
・医療者への質問   ・・・病気の状態を知るために、いつ、どのような問いかけをすればよいか
・医療者との連携   ・・・がん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」の紹介
・コラム「役立つメモ」  参考として「がん療養手帳」(国立がん研究センター)のURLを紹介
配布  (予算の関係から、まずは)東京近郊の県のがん診療連携拠点病院へ配布

●工夫した点
・デザインの工夫:できるだけ多くの方に手に取っていただけるように、表紙を「迷路から一直線に目標に進むようなイメージ」でインパクトのあるデザインで制作しました。
・経験者の意見の取入れ:経験者のヒアリングや、アンケート結果により、「必要な情報をより早く得られるように」設定しました。
・信頼できる相談場所の紹介:情報を得る対象を、「医師」「医療者」「がん相談支援センター」など、信頼度の高い情報源につなげるように心がけました。

●苦労した点
・様々な情報を得るには、質問内容やその意図が、相手先に伝わることが重要です。
 単なる質問だけでなく、問いかける側の姿勢・言葉も全体の良好な関係づくりにも大きく影響するため、パンフレットの中では、使う文言等でそれらを表現することに苦労しました。
・ページが限られているため、もっと多くの情報をいれたかったのですが、できるだけコンパクトにかつ、わかりやすくなるように努力しました。

今後の展開

●難治性がんの「膵臓(すいぞう)がん」の状況
テレビ番組でも映画でも、不治の病というと、最近は「膵臓がん」が取り上げられるようになりました。
膵臓がんは、5年生存率が12%と、全がんの中で最も生存率が低い最難治性がんで、多くの方が告知時にすでに進行した状態で発見されるため、治療法の選択などの決定が急がれる病気でもあります。
5年生存率がわずか1ケタ台を推移していた時代が40年あまり続き、致死性の高い 難しいがんと言われてきましたが、近年少しずつ変化が現れてきています。
この病気をなんとなしたいという医師や医療者、何とか治りたいという患者・家族など、関係者がつながりはじめています。また、研究者、医療者の努力で、膵臓がん研究や治療法は飛躍的に前進しています。

私共、NPO法人パンキャンジャパンは、膵臓がん患者支援団体として、患者・家族と医療者をつなげ、信頼できる情報を得ることで、納得のいく、後悔のない治療に向かえるようにすることを目標としています。

●ご支援いただいたパンフレットでの発信
東京をはじめ、首都圏は、日本の中でも最も進んだ医療機関が集中しているところです。
この地域から情報を発信し、それぞれの地方をつないでいくことも大変意義あることだと考えています。
今回の助成金をいただくことで、「つなぐ」という活動を、パンフレットという媒体を通して、首都圏からスタートすることができました。
これから、さらに日本全国に広げるように活動を進めていきたいと考えています。
この度は貴重なご支援をいただき、本当にありがとうございました。

●制作のパンフレットの告知は、以下で公開しております。
Facebook: https://www.facebook.com/pancanjapan/posts/10160342736593578

●パンキャンの活動は以下のSNS等でご紹介しています。
ホームページ: https://www.pancan.jp/ https://www.facebook.com/pancanjapan 
Facebook  : https://www.facebook.com/pancanjapan

*よろしかったらぜひご参照ください。

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