「地域助け合い基金」助成先報告

一般社団法人 ことばサポートネット

岐阜県可児市 ウェブサイト
その他

助成額

150,000円2022/06/17

助成⾦の活⽤内容

年齢相応の発音が獲得出来ていない、口蓋裂等の病気により独特の発音になっている等、ことばの伝わりづらさで辛い思いをしているお子さんの不利益は大きく、成長するにつれ自己肯定感の低さに繋がることさえあるといわれています。大人になっても発音の違和感を抱えたままの方もいます。「構音障害」と呼ばれるこれら状態は技術を有する専門職のサポートにより改善が期待されますが、現状では施設や指導者が不足している地域がある他、仕事や学校の都合等で施設があっても利用が困難な場合もあります。構音障害以外にも、流暢性障害(吃音等)、言語発達遅滞などことばに関して援助が必要な状況にありながら様々な事情で通院や通級に障壁がある方々もいらっしゃいます。
助成金の活用により、地域に利用できる相談先や治療施設がなく心配をお持ちの方に対し、①「ことばの相談会」:一組40分×5組程度、②「ことばの育ちのお話と相談会」:言語発達に関する30分程度の講座と個別相談会を、月1回無料で提供したいと考えています。いずれも経験のある言語聴覚士が担当し、具体的な対応の提案とともに、言語聴覚士・保育士同士のネットワークを利用してお住まいの地域で利用できる施設を一緒に検討し、ご希望に応じて施設担当者様に対しても専門的立場からの情報提供を行うことで、地域で安心してサポートを受けられるよう、子育て中の方や構音障害等の言語障害をお持ちの方々のサポート体制を作りたいと思っています。

活動報告

私たちは、子育て中の方や、ことばや発音・滑舌に関する悩みをお持ちの方に対し、ことばの相談会やことばの育ちに関する情報提供(ことばの育ちのお話と相談会)を行いました。
相談内容は、ことばの遅れや発音の未熟さ、吃音など様々でしたが、困りごとの内容やその方の状況に合わせ、他施設の情報を提供したり、発音練習や相談を当法人で継続し改善したり、評価結果を踏まえて園や学校に報告を行うなどの対応をとることができました。

言語聴覚士の数は年々増えているとはいえ小児領域に従事する者はまだ少なく、支援を必要とする方と支援者とのマッチングに乖離がある状態です。居住地周辺に言語聴覚士の在籍施設が少なかったり、様々な理由で施設・病院へ通うことが困難であったりと、これまでサービスを受けにくい環境にあった方も、支援を受けられる可能性が高くなると考えます。
今後の課題はこの取り組みをよりたくさんの方々に知っていただくことだと考えます。
SNSを利用したり行政と連携したりと工夫しながら、私たちの事業が少しでも支援を必要とする方のもとに届くことを願って活動を進めています。

今回助成を頂いたおかげで、たくさんの方に「ことばの相談」を届けることができ、また、社会福祉協議会の方とのつながりを作ることができました。「ことばの相談」に関しては、助成いただけたおかげで無料で実施できましたが、発達支援や発音練習などについては、人件費や通信費、法人の管理費などを賄うために有料にする必要がありました。法人として、有料のサービスを提供していることを理由に社会福祉協議会では連携が難しいと言われた地域もあった点が、今回難渋した点です。助成は終了となりますが、無料で提供できる部分があることは、社会福祉協議会の方々と連携を取る上では非常に重要であることがわかり、他事業による収益など何らかの方法で資金を得て、今後も無料のことばの相談を続けていきたいと思います。

今後の展開

私たちの活動の目標は、居住地域や生活環境に関わらず必要な方に専門的な言語療法を届けることです。
年齢相応の発音が獲得出来ていない、口蓋裂等の病気により独特の発音の癖があり伝わりづらい等、ことばの伝わりづらさで辛い思いをしているお子さんの不利益は大きく、また、大人になっても発音の違和感を抱えたままの方もいます。

言語聴覚士が在籍する医療機関やことばの教室等の設置状況は地域差が大きく、受けられる支援に偏りがあります。ことばに関する悩みをお持ちの方の不安が少しでも解消し、どこに住んでいてもエビデンスのある支援が受けられるように、ことばの障害を持つ方への直接的な支援だけでなく、幼稚園教諭や保育士、ことばの教室の先生といったことばの発達支援に従事する方々への情報提供や技術支援も行なっています。

困りごとを抱える方が実際に生活している地域との連携も大切に、保健センターや教育機関にオンラインのことばの教室を設置する取り組みも始めています。一つでも多くの、自治体、園や子育て支援センター、教育機関などと連携を取れればと思います。
活動については、公式ホームページ(https://www.kotoba-support-net.org/)や各種SNSで公開しています。必要な方に必要な支援が届くよう、ご協力お願いいたします。

添付資料