「地域助け合い基金」助成先報告

NPO法人 ドリームエナジープロジェクト

神奈川県藤沢市 ウェブサイト
居場所その他

助成額

150,000円2022/08/25

助成⾦の活⽤内容

本助成金を活用し、これまでにない新しい取り組みとなる「障がいのある人もない人もいっしょに楽しめるワークショップ」の開催に活用したいと思います。
現在、9月24日(土)吉野町市民プラザホールにて、公開ワークショップを開催すべく準備を進めています。
これまで数年に渡り、知的障がいや発達障がいのあるメンバーたちの演劇公演を毎回観客数百名動員の規模で行ってきました。
障がいゆえに最初はうまく身体を動かせなかったり、表現が未熟だったりしましたが、稽古を重ねるなかで彼ら独特の間合いやユニークさがのびのびと表現されるようになりました。
障がいのある若者たちは、人におもねることのない自由闊達さがあり、私たちが真似できないユニークな発想や型にはまらない楽しい表現が飛び出します。
今回はワークショップという形式のため、障がいのある若者だけでなく、地域の方からも参加者・観客それぞれを募ります。
これまでは演劇公演として一方的に表現を届ける取り組みでしたが、今回は障がいのある若者、地域の参加者、観客が皆同じ空間、空気感を共有する新しい取り組みです。この取り組みにより、普段なかなか身近に感じることのない、知的障がい、発達障がいのある彼らは、実は一方的に助けるだけの存在ではないことに気付いてもらうことをねらいとしています。
と同時に、彼らの表現に感化されたり驚かされたり、何より楽しさ面白さを体験してほしいと思います。

活動報告

この助成金を活用させていただき、障がいのある人もない人もいっしょに楽しめる「演劇ワークショップ」を開催させていただきました。
<活動内容>
障がいのあるなし関係なく、年齢が高い低いも関係なく、誰でもが、それぞれに楽しめる、それぞれが活き活きと自分を表現できたワークショップになりました。
ウォーミングアップとして、体を動かすメニューで体と気持ちをほぐしてから、舞台で「ヤッホー」と言ってから自己紹介。自然と客席まで届く大きな声で自己紹介できました。
そのあと、観客も一体となってのジェスチャーやゲームをやり、最後舞台から「ありがとうメッセージ」。誰にどんなことでありがとうを言いたいか、それぞれの思いを言葉にして発表すると、会場があたたかい雰囲気に包まれました。

<苦労した点>
実は、ワークショップ講師の高森氏が開催1週間前に体調を壊し入院手術され、突然講師が本番に来られないという事態になりあわてました。急遽代理講師を立てつつ、高森氏の考えたワークショップ内容に手を入れながら、3人の講師と綿密に打ち合わせし、楽しく有意義なワークショップになるよう組み立て直しました。
本番はそれぞれの講師の個性でワークショップを盛り上げていただきました。

今回の演劇ワークショップは、障がいのある方からも一般からも参加申し込みがあり、参加者は最初から舞台に上がってのワークショップを楽しんでいただきました。
さらに今回は参加型の公開ワークショップということで、観客として申し込まれた方も巻き込んで会場全体が一体感のあるワークショップになりました。

<観客の方からの感想>
「公開ワークショップは、参加者との双方向性が刺激になるが、突発的な出来事への対応が苦手な人もいる中でどうなるかと思った。実際はみな逞しくて思いやりがあって全くの杞憂だった」
また、次のような方もいました。
地元在住のお母さんと娘さんから申し込みがあり、参加されました。
最初、無表情だった娘さんが、ワークショップ後半、「舞台に上がってやってみませんか」という問いかけに、突然立ち上がり舞台に上がって自分なりの表現をしだすと、それを即興表現家の戸松美さんが受取り引き出しながら、見事にやり切って最後は笑顔を見せました。
その方からのお礼のメールには、コロナもあって娘さんは半引きこもり状態だったこと、たまたま見つけたこのイベントは、「私達親子にとってキセキのようで、企画してくださったこと感謝しています」と書かれていました。

助成金をいただいたことで、参加費無料で開催させていただくことができました。
有料で手続きのあるイベントでなく、気軽に参加できた交流イベントだったことで、こんなふうに喜んでくださった方がいたことはとても貴重だったと思います。
参加した方の多くが、今回できなかった高森さんの演劇ワークショップをぜひやってほしい、また参加したいと言って帰られました。
ぜひまた企画したいと思います。

今後の展開

地域には、知的に障がいのある人や発達に障がいのある人たちが住んでいます。
もしかしたら、迷惑をかけないようにと、ひっそりと暮らしているかもしれません。
でも、本人もご家族も、地域のみなさんが「大丈夫、いっしょにやりましょう」と言ってくれたり、思ってくれたりすることが本当に嬉しいのです。そして、そうした交流こそが誰でもがより住みやすい地域をつくることにつながると思っています。
自分には関わりないちょっと遠い存在ではなく、まず、知っていただくところから交流は始まります。
NPO法人ドリームエナジープロジェクトでは、コンサートや演劇の公演や今回のようなワークショップを通じて、障がいのある人もない人もいっしょにいることで、お互いがお互いを支え合えるという実感をもっていただく機会をつくっています。
ダウン症や自閉症など知的にハンディのある人たちは、抽象的な理解が苦手だったり、コミュニケーションを取ることが苦手だったりしますが、知れば知るほど、それぞれに豊かな個性を持っています。楽しい存在であったり、自分たちにはないものを持っていて、改めて気付かされることがあったり、元気をもらえたりします。
NPO法人ドリームエナジープロジェクトでは、彼らの舞台での表現、音楽やダンスや演劇などのパフォーミングアーツへの理解を深めてほしいと、コンサートや公演を行っています。
ぜひたくさんの方たちに観ていただきたいです。
障がいのある人たちが地域の方々との交流により、もっともっと地域が住みやすくあたたかいところになると思っています。

添付資料