「地域助け合い基金」助成先報告

 WOW!

京都府京都市中京区 ウェブサイト
居場所見守り

助成額

150,000円2022/10/06

助成⾦の活⽤内容

主に活動を行っている京都市中京区は、政令指定都市の中心に位置し官公庁や金融機関、商店などが集中し、観光でもにぎわいのある場所であるが、従来の地縁組織のコミュニティと新たな居住者との分断、さらに、ドーナツ化現象により少子高齢化も顕著な地域でもある。
地域の中には様々な背景や福祉課題を持つ方が住んでいる。従来の地域コミュニティ=地縁組織は主に、祭りなどの地域行事や世代を特定した活動、防災への取り組みを担ってきたが、複雑化する地域課題に対応できているとは言い難い。より幅広い世代、多様な背景の方が出会うきっかけをつくり、地域コミュニティの新しいつながりのモデルをつくることで、複雑化する地域課題に取り組む糸口を見つけ、自ら動き出す住民を増やしていきたい。様々な人がともに取り組み、時間を共有することで、お互いの理解が深まり、多様性を認め合う社会につながっていくのではないかと期待する。当団体代表は高齢者福祉に長年携わっており、福祉分野の関連団体との連携があり、そこからの紹介を通して、障害のある方や高齢の方、若年性認知症当事者の参加につながっているが、支援ベースのかかわりだけではなく、様々な人が出会えるコミュニティづくりを目指しており、より多くの地域住民への広報が必要となっている。そのため、紙媒体での周知や、ホームページの作成を行い、適切に運用していきたいと考える。
3つの取り組みの中で、無理なく参加できるところから参加していただき、人とつながることで、地域の中でその方の本当は持っているチカラを発揮し、地域で活躍するきっかけとなればと考える。
また、3つの活動の運営の拡大も合わせて行っていきたいと考える。
①ホップ栽培では、ホップの株数を増やすための園芸材料の購入や、参加者の交流イベントの開催を行う。
②モバイル屋台では、屋台づくりワークショップの開催を行う(年度内2回)。
③WOW!カフェでは、より多世代が参加できる機会とするため、休日の開催や、こどもと他参加者が一緒に楽しめるワークショップの企画を行う。

活動報告

助成金を活用し、今まで行ってきた活動をより大きく、また内容の濃い取り組みへすすめることができました。様々な世代や背景をもつ人が出会う場をつくり、無理なくまちに関わる人を増やしていきたいと考えいただいた助成金を活用し、大きく3つの事業を行いました。

まず無理なく楽しくコミュニティに参加するための入口事業としてのホップ栽培では、活動への参加者が増え、昨年以上にホップ栽培の輪を広げることができ、今年度は新たに45株の苗を購入させていただき、中京区役所屋上だけではなく、ご自宅や施設、お寺等で植えていただいています。また高齢者福祉施設や地域包括支援センターなどでも栽培に協力いただく施設が増えたことから、今後はさらに、今までコミュニティへの参加が難しかった方の参加の機会を増やすことにつなげていきたいと考えています。また、まちの中に緑を増やす活動であることも評価され、京都市が行う京都環境賞の地球温暖化対策賞を受賞することができ、活動へ興味を持ってくださる方が今まで以上に増えることを期待しています。

次に、つながり創出事業として行っている「モバイル屋台」制作では、助成金をいただいたことで、2回のモバイル屋台制作ワークショップを開催することができました(12/17・3/12)。街中での活動のため、開催場所を確保する難しさを感じていましたが、今回は、紹介をいただき他市の商店街スペースと、お寺の境内をお借りして開催させていただきました。京都の都市部ならではの場所の可能性を感じています。
モバイル屋台制作ワークショップでは、子どもや大学生、障害のある方の参加もあり、初対面の参加者同士が、ひとつのものを作る体験を共有することで、交流することができたと感じています。今後は、制作した「モバイル屋台」を活用したイベントの開催を企画し、コミュニティの中で自分を表現し、主体となれる機会をつくっていきたいと考えています。

次に交流促進事業として行った「WOW!カフェ」は、月1回の定例開催(毎月第3水曜日)の他に、休日に開催する特別編の開催を実現することができました(12/11)。通常の開催日には参加しにくい、子どもや働き世代の方にも参加していただくことができ、より多世代の出会いの場となりました。また、認知症のある方や障害のある方など、様々な背景のある方が参加され、ワークショップの講師として活躍してくださる方もおられました。ワークショップや昼食など、時間と体験を共有することで、参加者同士の理解が深まる機会となったのではと思っています。
また、当日は、地域で活動する他団体の協力も得ることができました。お互いに協力しながら、今後の活動の広がりにつなげていきたいと考えています。

助成金を活用させていただき、取り組みをすすめる中で、コミュニティへの参加の入り口を見つけられない人や、様々な事情で自信を無くし、参加をあきらめてしまっている人がまだまだ多くいることを感じています。従来のコミュニティだけではない、新たな参加の仕方の提案を今後も継続していきたいと思います。

今後の展開

コミュニティへの新たなつながりや参加のしかたをつくることを目的とし、「ひとりひとりの本当は持っているチカラを活かし、人と人とがつながり“輪を”つくり、そこから新たな“WOW!(ワヲ)”を生み出す」をキャッチフレーズに活動を行っています。コミュニティへの参加のハードルを下げ、様々な世代や背景をもつ人が出会う場となり、無理なくまちに関わる人を増やす取り組みを今後も続けていきたいと考えています。そのためにも、様々な方と出会い、協力し、アイデアを出し合えればと思います。取り組みに参加してくださった方たちが、自発的に、主体的にコミュニティにかかわっていける動きをつくり、またそのサポートを行っていきたいと考えています。より多くの方に活動を知っていただけるよう、今年度の各取り組みの様子がわかる冊子の発行を企画しています。

添付資料