「地域助け合い基金」助成先報告

 加古川西公民館エリアささえあい協議会

兵庫県加古川市
居場所見守り生活支援その他

助成額

150,000円2022/10/12

助成⾦の活⽤内容

この地域は3町内会連合会が1つとなった地域である。田園が広がり環境面は良いという長所があるが、昔と比べて人と人とのつながりが希薄化しているという地域課題がある。最近はコロナ禍で町内の行事や世代間交流がなくなり余計に住民のつながりづくりをするきっかけがない状態である。またコロナ禍で外出することをためらっている住民もいる。
そこで住民同士のつながりをつくること、介護予防のために各連合会域と全域を回る4コースを設定し、それぞれにチェックポイントを設け、半年間のウォーキングスタンプラリーを実施することになった。対象は地域住民全体、景品を渡す対象者は概ね65歳以上の高齢者とし、チェックポイントは協議体メンバーをはじめ、高齢者がよく行く店舗やちょっとした相談ができる薬局や介護保険事業所に依頼し、連携を図っていく。独居高齢者や高齢者世帯などは民生委員から声をかけてもらう。また車いす高齢者や外出しにくい高齢者に対しては、チラシなどで啓発し家族や友人と一緒に参加することを促していく。
今後今回のチェックポイントが地域住民のちょっとした困りごとや地域で気になる人を見かけたりした際の通報先としてつないでいけるように、チェックポイント場所への働きかけをしていく。そして次年度以降も継続して実施することで、住民同士の顔の見える関係性が図れるようになることや、チェックポイントの企業や事業所との関係性が築けるようになることで、地域全体でささえあいの輪ができることを目指している。
この助成金では、立ち上げ経費としてウォーキングスタンプラリーを実施するための準備物をそろえることに活用したい。
<活動のスケジュール>
2022年7月:協議体メンバーでウォーキングスタンプラリーの概要を共有、チェックポイントになっていただける場所へ下見と挨拶
2022年8月:ウォーキングスタンプラリーのマニュアル作成、準備物の確認(協議体メンバーの協力できることを確認)
2022年9月:参加者への啓発の方法を考える(歩いてもらうきっかけを検討する)、啓発チラシを作成、ウォーキングマップ&スタンプカードの作成
2022年10月:3町内会連合会会長会に参加し、ウォーキングスタンプラリーの説明、
2022年11月:各町内会に啓発チラシを回覧し、参加者を募集
2022年12月:参加希望者にウォーキングマップ&スタンプカードを配布、チラシ、スタンプ、のぼりなどをチェックポイントの場所へ持参
2023年1月:ウォーキングスタンプラリーの実施

活動報告

私たちは、コロナ禍が終息に向いつつも、集まって何かをすることに戸惑っていました。2,3年前からは地域の行事もほとんど中止で、住民同士の顔を合わす機会も減ってきている現状でした。また外出する機会が減り、特に高齢者は身体機能の低下している人も見られます。そこで、地域のつながりを切らさないように、地域全体で日頃から誰もが取り組める活動を検討しました。

助成金を立ち上げ資金として活用できたことは、この活動の目的を実施するための原動力になりました。この地域は自然にあふれ、景色が良いことから日常的に散歩をする人が多く、その特色を生かして、ウォーキングスタンプラリー「かこにし健幸ウォーキング」を開催することになりました。

ウォーキングコースを考える際、多くの住民が参加できるように地域住民がよく利用する地域の会館、店舗、地元企業、介護保険事業所などに協力を呼びかけ、3町と全域の4コースに30ヶ所のチェックポイントを設けました。助成金を活用し、4コースのウォーキングマップ&スタンプカードを作成し、地域住民にチェックポイントが分かるようにのぼりを作成しました。また地域ボランティアが100均商品を利用し、スタンプセットを作成してくれました。そしてこののぼりとスタンプセットを協議体メンバーで担当を決め、生活支援コーディネーターと一緒に30ヶ所のチェックポイントに説明をしながら設置していきました。また地域住民に周知するために、啓発チラシを作成し、各町内会で回覧、掲示板を使用して啓発しました。その際、連合会長と生活支援コーディネーターが町内会連合会会長会でかこにし健幸ウォーキングの説明をしました。

開催期間は令和5年2月~6月で、現在も活動中です。ウォーキングマップ&スタンプカードはチェックポイントに配架し、地域住民は期間中自由に参加できます。対象は地域住民全体ですが、特に高齢者に歩いてもらえるように、各コースのチェックポイントを全て周った65歳以上の希望者に、抽選で景品が当たるようにしました。押印済みのスタンプカードはアンケートと一緒に3町の会館ポストに投函して
いただくようにしました。

期間中の活動支援として、協議体メンバーで担当を決め、各チェックポイントのウォーキングマップ&スタンプカードの在庫管理や、スタンプセットの管理をしています。

啓発の1つとして、1月末に出発式を開催しました。生活支援コーディネーターと一緒に地域の民生委員や老人クラブに呼びかけ体験ウォーキングを実施し、地元の新聞に掲載していただきました。

開催後1ヶ月間で155人の高齢者が完歩し、アンケートを通して参加者の声を聞くことができました。行く先々のチェックポイントの人が優しく接し
てくれた、歩くきっかけや外出する機会ができ、よく眠れるようになった、地域を歩いていると、新たな発見があり地域の良さを改めて感じることができたなど特に介護予防の目的は果たすことができていると感じました。しかしウォーキング中に他の人とあいさつをしたり、交流を持てたという人は少なく、もうひと工夫あれば、地域の住民同士がつながりをもてる活動になると感じました。

今回の取り組みを通して、協議体メンバーをはじめ多くの地域の関係者が活動に協力をしていただきました。チェックポイントの方は、地域住民のために快く引き受けてくださり、ボランティアは皆で作ると楽しいと言いながらスタンプセットを作っていただきました。このように今後も地域の協力者と、高齢者が住み慣れた地域でイキイキと暮らし続けられるようなしくみを検討し活動できればと考えています。

今後の展開

今回の取り組みを通して、地域の様々な人が協力して活動を進めてきたが、参加者からチェックポイントの人とはあいさつをしたり話をしたりすることができたが、参加者同士の交流を持つことがあまりできなかったという声があがった。今後は地域の住民同士のつながりを深めていけるように再度ささえあい協議会で話し合って、この活動を継続していきたいと思っている。

この地域は昔から住民同士の親交が厚く行事などもいろいろあったが、年々若い人も減り世代間交流を目的とする行事も減ってきた。何かきっかけがあれば、昔のような住民同士のつながりが持て、おたがいさまの関係を取り戻すことができると考える。そして歳をとって独居になっても、住民同士顔見知りの関係性を作っておくことで、地域で助け合い、孤立することなく暮らしていける。

そのために、地域の各種団体の代表者が集まって、住民同士のささえあいによる地域づくりについて話し合いを進めている。今回のウォーキングでは、外出するきっかけにはなったが、一番の目的である住民同士のつながりを深めていくには、協議体メンバーや地域住民が協力して“交流できるウォーキング”のしくみを検討していく必要がある。 

是非、全国の皆さんに色々なウォーキングの方法を聞いてみたいと思います。実際に取り組んでいる所やアイデアがあれば教えてほしいです。
今後も色々なアイデアを取り入れながら思いを形にしていきたいと思います。

添付資料