「地域助け合い基金」助成先報告

 北槇ODEN

京都府宇治市
居場所見守りその他

助成額

150,000円2022/12/09

助成⾦の活⽤内容

団地内に集会所が3ヶ所あります。1ヶ所は、頻繁に使用されているが、あと2ヶ所が使用回数が少なく空いていました。主に高齢者がつながる場として集会所を利用して何かできないかということを検討してきました。

自治会が無く、孤立しがちな高齢者どうしがつながる場として、いつでもだれでも、ふらっと来れるカフェや週に一度、金曜日にカレーをみんなで食べたいなと検討していました。
将来的には、高齢者だけでなく、子どもやお母さん、お父さんたち、老若男女を問わず誰でも気軽に立ち寄れるカフェにし、みんなが集えて、住民の日頃の思いが話せる場が必要と考えました。
地域住民が、独居になっても安心して住めるように、仲間づくりの場としてグリーンカフェを立ち上げようと思いました。一人で喫茶店に行けない人も友人とお茶の間カフェとして気軽に来て欲しい。そこに集う人達と笑顔でおしゃべりをして欲しい。困りごとなどあれば相談にのれる場所にしていきたいと考えています。

まずは、月に1回開催から始め、毎週1回開催へと移行していく予定です。そこに行ったら、誰かが居る。お茶やコーヒーを飲みながら話すことができて顔がつながる場となり、「何気ない話から困りごとや日頃の思いを聞く事が出来るようになったらいいな」コーヒーやお茶だけでなく、「みんなで食事ができる場にもなったらいいな」を目指しています。

この基金を立ち上げ経費とし、カフェに必要な物品、衛生用品、住民が集う場の環境を整えることや、住民への情報発信の為に広報も定期的に行い、『北槇ODEN』を通じて主に高齢者への支援に必要な資金として活用したいと思っています。

活動報告

令和3年度の秋、「北槇ODEN」という命名で、UR都市機構グリーンタウン槇島内(以下グリーンタウン槇島)に、小地域包括ケア会議をきっかけに地域課題を解決するために話し合いが始まりました。グリーンタウン槇島には、自治会が無く人とつながることが難しい現状があります。また、住民の声を聞く場が無かったので、「グリーンカフェ」をオープンさせ、誰でもふらっと来れる場をつくり、住民どうしのつながりづくり、住民の声を聞かせていただくことを目的に始めました。
12月のプレオープンから大盛況でした。プレオープンに来てくださったかたが知り合いを誘って次回の「グリーンカフェ」に来てくれました。
通りすがりの住民に、チラシを配り、「誰でも気楽に立ち寄ってください」とひとりひとりに声をかけることが出来ました。また、UR都市機構の「生活支援アドバイザー通信」においても掲載され全戸配布されました。
高齢者サロンに来てもらえたらなと声をかけていたがなかなか来られなかった人が、「グリーンカフェ」に来てくれるようになり、1人で来られても誰かと話すことが出来て楽しそうです。なかなか福祉サービスにつながらなかったかたが、コーヒーを飲みに来てくださり、専門職と話すうちにつながったり、地域の企業とのつながりをもてたり、近隣の大学、UR都市機構と連携ができたりしています。UR都市機構の生活支援アドバイザーさんも折り紙を教えてくれ、ひとつのテーブルでは、コーヒーを飲みながら折り紙を楽しまれ、皆さん、笑顔いっぱいでおしゃべりに花が咲いています。
「グリーンカフェ」には、グリーンタウン槇島の住民だけでなく、近隣のかたが来られたり、URから引っ越して行かれた人も来られたり、URで工事をされている人など幅広くつながりができています。近隣の地域の人からは、自分たちの地域にも「グリーンカフェ」のような「場」があったらなと思い、毎月、「グリーンカフェ」に訪れ、ノウハウを見て聞いて検討をされています。他の地域にも派生をしており、このような場所が宇治市内に増えて行くと良いなと思っています。
また、保健師が来られ、出張で相談会ができるといいなという案もあがっています。
来られた人からも「こういう場所があって嬉しい」との声があり、スタッフも嬉しく思っています。
コロナ感染の時期でもあり、近隣の介護施設の利用者さんとの交流が難しく、毎月、利用者さんの作品で交流をしています。「グリーンカフェ」の看板も毎月、季節に合わせたものを介護施設の皆さんが描いてくださっています。折り紙を貼ってくださったり、スタッフも喜び、利用者の皆さんも楽しんでくださっています。
スタッフの名札も、ひきこもりの家族会に依頼し作成していただきました。地域にある畳店の廃材を使用し素敵な名札が仕上がりました。「グリーンカフェ」をきっかけに地域にある資源がつながることができました。
「グリーンカフェ」ができたことで、地域住民に声をかけることができ、独居高齢者を気にかけるきっかけができています。なかなか「グリーンカフェ」には来ることができない人にも、声をかけ続けることでつながることができています。
誰でもふらっと来ることができる「グリーンカフェ」は、たくさんの力があって実現ができたと思っています。地域にある力が協働することで地域住民の思いがかたちになったと思います。「北槇ODEN」という話し合う「場」でたくさんの知恵を出し合い、声をかたちにしてきました。地域だけでなく、さわやか福祉財団の「地域助け合い基金」も使わせていただいき、「グリーンカフェ」の必要物品も購入できました。地域で協働をするには、地域の力を知ることが大事です。あらゆる情報が必要と感じました。また、地域の仲間への声掛け。声をかけることで仲間が増えていくことを実感しました。「グリーンカフェ」は住民の声を聞き、「北槇ODEN」で話し合うきっかけづくりにもなっています。「グリーンカフェ」をもっともっとたくさんの人に知ってもらい、色々なかたから声を聞く事が出来るようにしていくことが今後の課題です。情報発信のことも含めて「北槇ODEN」で検討していきます。

今後の展開

誰でも気軽にフラッと立ち寄れる居場所として「グリーンカフェ」を立ち上げました。「グリーンカフェ」に来て元気をもらい、笑って帰れる憩いの場になってほしいとスタッフは思っています。
地域には、高齢者の独居も多く、ひとりで食事をされているかたも多いです。将来的には、皆でカレーや、おでん等を作って食事も出来ることを願っています。
まだ、スタートしたばかりで知らない方も多いですが、地道に続けて行きたいと思っています。
食事以外にも時には歌声喫茶も盛り上がるかもと思っています。

UR都市機構グリーンタウン槇島は、若い家族も多く、高齢化率は高い方ではありません。でも、独居高齢者も多く、昼間にひとりで散歩をされているところをよく見かけます。「北槇ODEN」で、これからも話し合いを続け、若いファミリー層ともつながり合い、年齢関係なく顔見知りになり、お互いに気にかけ合える関係性が広がっていければ良いなと思っています。

「北槇ODEN」の話し合う仲間に近隣大学が入ってくださっているので、大学は企業とのつながりも強く、「北槇ODEN」がある地域は、工場地帯でもあり、たくさんの中小企業が立ち並んでいます。今後は、地域にある企業ともつながりをもちながら、あらゆる可能性を共に考え、高齢者が安心して活き活きと暮らせるように、地域づくりを目指していきたいと思います。

現在は、月に1回の開催ですが、開催数や開催時間等を検討し、色々な人に来ていただけるように考えていきたいと思っています。色々な人に来ていただき、「ほっとする場所」「おしゃべりができる場」「そこに行くと誰かが居る」「心の思いをつぶやける場」など、それぞれの人がそれぞれに過ごしやすい「場」になっていったらいいなと思っています。また「心のつぶやき」を聞かせていただき、それを大切に「北槇ODEN
」で話し合って行けたらと思っています。

コロナ感染症のこともあり、介護施設との交流が現在は、手作り作品を通してだけになっていますが、状況を見ながら、介護施設の利用者のかたも地域住民のひとりとして来ていただき、時には、役割を担っていただき、活躍の場になればと思っています。

ひとりひとりの小さな力が集まり、大きな力となり、お互い様になるきっかけの「場」となるのが「グリーンカフェ」。お互いに気にかけ合え、支え合えるかたちになるように話し合う「場」が「北槇ODEN」この大切な場所を地域住民ひとりひとりの為に、これからもいついつまでも継続をさせ、安心して暮らせる地域づくりをしていきたいと思っています。

ありがとうございました。

添付資料