「地域助け合い基金」助成先報告

 常盤学区社会福祉協議会

滋賀県草津市
居場所見守り生活支援

助成額

107,000円2023/02/06

助成⾦の活⽤内容

平成27年より「医療福祉を考える会議」(地域の中で高齢者の暮らしの問題を、「我がこと」と捉える地域の状況に合わせた住民主体の共感の場で、「地域まるごと」の関係づくりを進めていく会議)を年に約2回開催しております。その会議の中で、常盤学区の高齢者の実態について共有をしながら、「常盤学区にあるさまざまなサービスや現在ある活動」について知っていることを出し合い、平成27年には、『資源マップ』(カラーA4、4~8枚)を作成し、学区内に全戸配布しました。『資源マップ』は、困った時のガイドブックとして活用していただいています。
しかし、前回発行より7年経過し、学区内での諸状況にも変化が発生しており、第2版の『資源マップ』を発行する必要があると判断しました。
常盤学区は高齢化率が32.2%(全国28.9%)であり、草津市(22.4%)と比較しても高い学区であるといえます。また、平成27年から令和4年では高齢化率は1.15倍と増加しており、高齢者の暮らしについてより考えていく必要があります。高齢者の問題について、困った時に「どこに相談して良いのか」、「地域にはどのような事業所や利用できる施設があるのか」をマップに掲載することで、一人で抱え込まず、いつまでも地域で暮らしていくことのできる体制をつくっていきたいと考えています。
第2版の『資源マップ』を作成し、高齢者の方やその高齢者を支える家族の方、生活に不安を抱えている方、将来の生活のために準備をしておきたい方等、全戸へ配布をし、このマップを活用いただくことで常盤学区が目指している『人生の最後まで いきいきと暮らせる 安心のまち ときわ』の構築に役立てたいと考えています。

活動報告

私たちが『語ろう 安心できる ときわ』会議を約8年前に発足し、その活動内容を広く学区内外にお知らせするために『広報誌 第1版(資源マップ)(平成28年発行)』を全戸配布してきたのは次の理由からです。
近年、常盤学区では「高齢化(32%)、核家族化の進展で一人暮らし・二人暮らしの高齢者の増加」が顕著になり、この現状を老若男女に知ってもらい、我が事としてとらえて欲しいとの願いからです。
令和4年度に、会議の基本テーマを次の三点としました。
1.健康の維持―正しい知識・意識の向上について研修・広報を進めます。
2.医療・介護の研修―地域包括支援センターを窓口に研修・交流を深めていきます。
3.さらなる“きずな=つながり”の醸成―日常生活に欠かせない互助活動を広めていきます。

なかでも、上記テーマ3については特に重要な協議・活動ポイントとしています。 
健康管理をしていても、高齢化で心身の障害が発生しますが、介護保険制度のサービスで補えたとしても、決して心の安定は得られません。一番の問題は世間とのつながりが減少し「孤独=孤立化」が始まってしまうことです。このような状況に陥らないよう元気なうちから、身近な隣近所の方たちや趣味・同好の仲間とつながる関係を作っておくことが、二人暮らしや一人暮らしの様々な不安を解消する原動力になると考えています。また、つながる仲間がいることで安心・安全な毎日となるはずです。介護保険制度だけでは補えない“すきま”を地域の“きずな”で埋めていく活動を進めます。

今回「地域助け合い基金」の助成を受けて、『広報誌 第2版(資源マップ)』をこのような方針で発行し、前回同様に全戸配布と医療・介護施設や公共施設、学区内の企業等に配布と展示を実施しました。この広報誌を作成するにあたっては、月に1回程度、作成委員会を実施し、民生委員・児童委員や学区社会福祉協議会、地域包括支援センター、市社会福祉協議会とともに内容の検討を行いました。
広報誌を配布してからは、「困りごとはこちらへ」と記載した記事をご覧になられた地域の方から、「相談したいことがある…」と地域包括支援センターへお問合せをいただいており、高齢者や高齢者を支える家族、不安を抱えている方や将来の準備を考えている方々に、活用いただくことができていると感じています。
今後も、「人生の最後まで いきいきと暮らせる 安心のまち ときわ」を目指して活動を進めていきます。
助成いただき、ありがとうございました。

今後の展開

前述の基本テーマを軸にして『語ろう 安心できる ときわ』会議を通じて、一人でも多くの方々に共感していただく活動を進めていく予定です。
また、各町内で様々に行われる居場所作りにも、積極的に支援・協調し続けることが必要です。
今後ますます高齢化が進む学区では、介護保険制度をはじめとする公的な制度だけでは決して安心・安全な日々は得られないと思っています。
私たちの活動は、この現実の“すきま”を少しでも埋めていく活動を展開していくことです。
地区防災・防犯が叫ばれている昨今ですが、私たちの活動も最終的にはこの流れと一致することだと思います。

添付資料