「地域助け合い基金」助成先報告

【個人】 内堀たき子

東京都八王子市
居場所その他

助成額

109,000円2023/04/11

助成⾦の活⽤内容

元気な高齢者(特に女性)は、自力で自転車や自家用車、公共の交通機関を利用して、行動範囲が広く活動の場は多くあり、且つ、利用している。一方、高齢で免許証を返納し、在宅している高齢者等は、行動範囲が狭まっている。
今回、健康マージャン(吸わない・飲まない・賭けない)を身近な町会会館で開催することにより、コロナ禍で孤立しがちだった在宅の高齢者を元気づけ、且つ、杖を使用している方でも自力で参加・活動のできる場となり得ること。また散歩と通院で日々を過ごしてきた高齢者の健康づくり・交流の場になることを期待したい。一方、ボランティアで参加する現職の方は、退職後の自分の活動・交流の基盤を、身近な地域で作ることができると思われる。
昨今、団塊の世代が後期恒例に突入し、地域には、若かりし頃に囲碁・将棋・麻雀を経験した方が多く潜在していると思われる。

健康マージャンは初心者でもゲームが楽しめ、また、手先の運動や認知症予防等にもなり得る。すでに、すぐに会員になりたい方が10数名ほど名乗り出ている。また、閉じこもりの夫を連れ出したい、ボランティアで参加し、ついでに自分も健康マージャンを覚えて楽しみたい等々の意見も多く寄せられている。

囲碁・将棋は2名いれば在宅でも可能であるが、麻雀ハ4名が最低必要人数であり、サロンで、環境(器材・場所・会員等)を整えることにより、すぐにでもゲームができる状態にある。

今般、立ち上げ費用として、この基金を活用させて頂けたら、早急に器材を購入し、身近な会館を拠点に健康マージャンを開催し、且つ、参加者に少しでもコロナ禍前の笑顔を取り戻せるようにしたい。また、これまでサロンへの参加が皆無だった男性、夫婦等が、躊躇なく自力で足を運び、ゲームを楽しみ、お互いに交流を深める場となる様なサロンにしたいと考えている。

活動報告

今般、「さわやか福祉財団」より立ち上げ費用としての助成金を頂き、役員一同大変感謝しております。早速、器材購入等の準備に取り掛かり、健康マージャンは5月20日(土) より、町会会館にて開催することができました。本当にありがとうございます。
ところで、申請当初20名前後( 4卓)を想定していた入会者は、48名と予想を遥かに上回り、多くの方が入会しております。
なかでも、90歳以上の初心者が3名入会したため、急遽役員で話し合い、1卓を初心者専用とし、器材購入を4から5セットに変更し、座布団などは7月以降に自主財源で揃えることとしました。
ちなみに、「つみきの会」入会会員48名の内訳は以下のとおりです。
・町会会員 33名(69%) (内訳;男性13名・女性20名…夫婦5組)
・近隣町会員 15名( 31%) (内訳;男性10名・女性5名…夫婦2組)

また、過日(6月17日)、出席会員(18名)に対し、アンケート(添付資料)を実施しました。(一部感想抜粋)
1、マージャンは、学生時代や会社で覚えた。しかし、ここ10年以上やっていないが、友人・伴侶に誘われて再開した。これまで機会がなかった。
2、月2回程度の開催で良い。点数は記録しなくても良い。
3、服装・身だしなみ・洗濯等に気を配るようになった。
4、マージャンの本を読むようになった。マージャン関係のテレビ、ユーチュープを見るようになった。
5、趣味を持っことは良いことである。
6、話す機会が増え、また友人も増えた。
7、つみきの会に誘いたい友人、知人がいる。
8、よく眠れるようになった。
9、徒歩や自転車などで会館に来た。
10、マージャンの器材を置くよう、もっと強く町会に交渉すべきだ。
等々の意見が寄せられました。
当初、退職後、あるいは子供たちが巣立ち、あるいは伴侶に先立たれた高齢者は、日々の生活に趣味を持たずに過ごしている人が多くいるだろうと想定しておりました。
現在、「つみきの会」に入会した一部の会員は、昔ならしたマージャンを楽しんでいる様子がうかがえるなど、機会を待っていたようです。
そして現役時代と違い、点数を気にしないで、本当にマージャンを楽しみたい様子もうかがえました。周囲の人たちからも、冷たい視線よりむしろ暖かい視線を向けられ、マージャンを楽しみにしているとの声も寄せられました。
なかには、一から勉強する会員も見受けられ(90歳以上)、準備した4冊の入門書は「貸し出し待ち」となる状況です。また、これまでに3名の方が自費購入しております。
マージャンは、“手”・“頭”・“口”を働かせ、さらに、マージャンには、所謂、ビギナーズラックがあり、べテランに勝つ場合がある等の魅力もあります。
会員の多くが、家に引きこもりがちだった生活から脱却し、さらには趣味を同じくする人たちと触れ合い、外出&マージャンを楽しんでいる様子です。
一方、一人暮らしの親に対して、毎日「安否確認…今日は何人とお話しした? どんなことして過ごした? 外出した?」等を電話で確認してくる子供たちが、「つみきの会」当日は安心している等の意見も寄せられました。
社会との繋がりが希薄になりつつあるなかで、健康マージャンという共通の楽しみを通じて、日々の生活に潤いを与え、生活を豊かにしている会員が多く見受けられました。
役員一同、健康マージャンを通じて地域に住む人々の交流の場となっている事を実感しております。

<健康マージャン開催状況>
上大和田町会会館にて、会費100円・2回/月、土曜日(午後1時~5時)に会館使用料 (500円)を支払い開催しております。会館は、5卓でプレーするには、十分な広さがあり大変満足しております。
さらに、立地条件が良好で町会会員にとって徒歩や自転車での参加ができます。なお、会館内に飲料水の自動販売機が設置されていないため、高齢者の水分補給を考慮して、500ml ペットボトルを無料配布しております。
現在、開催日には、毎回、マージャン器材が保管されている個人宅(集合住宅7階)から町会会館まで、台車・リャカーを使用して運び込み、終了後は、また、同様にして個人宅に運んでおります。
器材は、5セット( 1セット:マージャン卓10㎏十牌5㎏= 15㎏)全体で75㎏あり、さらに、500m1ペットボトル20本を加えると、85㎏を越える重さとなります。
個人宅の保管場所から町会会館まで、移動距離は約200m程度ですが、車道の横断、雨の日、これから迎える日没の早い時期等の器材運搬は、高齢者には負担が重いものとなりま
ちなみに、マージャン卓は折りたたみ式で、スペース的には小さく( 1m x1mx0.3m)、非常にコンパクトです。

今後の展開

今般、新町会長が、町会会員・近隣町会員を区別し、高齢の利用者に無理解を示すなど、 80年来の歴史ある町会の現状を目の当たりにしました。
一方、連携して頂いている「高齢者あんしん相談センター大和田」は、6月17日(土)、 忙しいなか町会会館に来所し、器材の運搬・マージャン実施の現状を視察しております。
広域な地域共生社会に資する活動は、現段階、当町会では困難であると感じつつも、「つみきの会」では、広域な町会・開かれた町会「誰でもが、すみよい町」をめざし、高齢者の事故防止の為にも早急な解決を切望しつつ、今後も役員一同で要望書を提出する予定でおります。

添付資料