「地域助け合い基金」助成先報告
社会福祉法人 優心会
大阪府大阪市平野区 ウェブサイト



助成額
150,000円(2024/06/10)助成⾦の活⽤内容
名称:地域の居場所「こうのとりのタマゴ」
一人親家庭や独り暮らしのご高齢者、ご病気や障がいなど、生活を送るうえで様々な困りごとを抱えている方々の生活が少しでも潤うように、支援協力団体・企業などからいただいた物資をお配りします。また、物資を貰うだけではなく、「いのち輝く折り鶴100万羽プロフジェクト」での折り鶴作成や仕分けなどを行うことで、社会参加の一助としてもご活用いただきたいと考えます。
他にも、子供達の学習の場、家にこもりがちの方々にも、地域交流の居場所として、地域の皆様の憩いの場として、気軽に立ち寄れるとともにご近所同士で顔の見える関係を築いていく場の一つになれば幸いです。
活動報告
今回の助成金を活用し、地域の居場所「こうのとりのタマゴ」を開設・継続することができ、地域の様々な方々とのつながりが生まれ、深まってきたことを強く実感しています。
当法人では、以前より地域のふれあい喫茶への参加や、小学校の見守り活動を通じて、地域の声を聴く機会を大切にしてきました。「一人暮らしの高齢者に声をかけても、その後の様子が分からず不安」という切実な声もあり、こうした“声がけの先”をどう支えていけるかが、私たちの課題でもありました。
そんな中、地域福祉コーディネーターとの出会いや、地域集会所が使用できなくなるという地域の課題をきっかけに、当法人のデイサービスセンターを会議場所として開放することになりました。この小さな「開放」が、地域の信頼を得る第一歩となりました。
「誰もがふらっと立ち寄れる場所」として、“地域の居場所『こうのとりのタマゴ』”の開設し、多世代・多様な人々を受け入れることを主眼に置いた取り組みは、回を重ねるごとに、想いや姿勢が少しずつ伝わり、今では「誰にでも開かれた居場所」として共通の理解を得られつつあります。
実際の活動では、以下のような変化や出会いがありました。
●生活に困窮している家庭が訪れ、支援を受けたのち「助けてもらった分、今度は自分が手伝いたい」と片付け等を手伝ってくれるようになったこと。
●子どもたちが友達を誘って来てくれるようになり、ただ遊ぶだけでなく活動を手伝ってくれるようになったこと。
●見ず知らずの高齢者と子どもが折り紙を通して交流し、「一人で家にいるよりも気持ちが穏やかになる」と話してくださったこと。
●地元企業や団体が趣旨に共感して支援の申し出をしてくださるようになったこと。
●地域の小学校から交流会の相談をいただき、実現した結果、子どもたちが日常的に施設を訪れるようになったこと。
今後の展開
「こうのとりのタマゴ」は、子どもから高齢者まで、誰もが気軽に立ち寄れる“地域の居場所”として、月に一度、温かく開かれた空間を提供してきました。
この活動を通じて感じたのは、「つながりを求めている人は、想像以上に多い」ということです。食や会話、折り紙や遊びといった何気ない時間が、誰かにとっての“支え”や“安心”になる。そんな場づくりの意義を、回を重ねるごとに実感しています。
今後の目標は、この活動を「一部の人のためのもの」ではなく、「地域のあたりまえ」として根づかせていくことです。月1回の開催にとどまらず、より多くの人が関われる仕組みづくりを進めていきます。例えば、開催日以外にも立ち寄れる時間の拡充、学習支援や福祉相談、子どもと高齢者が共に過ごせる交流活動などを見据えています。
また、これからは「共につくる」ことを大切にしたいと考えています。これまでのように私たち法人が提供するだけではなく、来場者自身が「今度は自分が手伝いたい」「こういうことをしてみたい」と思えるような、参加型の運営を目指していきます。すでに、かつて支援を受けた方が運営協力にまわってくださるなど、少しずつ「関わる人が育つ場」としての広がりも見えはじめています。
活動をさらに広げていくためには、もっと多くの人にこの場の存在と価値を知っていただく必要があります。「地域の中にこういう場所があること」「誰でも参加できること」「あなたの関わりが、誰かの支えになること」――そんな思いを、私たちはこれからも発信し続けます。
今、地域の課題は複雑で、対象を限定するのでは対応しきれないこともあります。でもだからこそ、「誰でも、ふらっと、来ていい場所」が必要です。そして、その場所を「一緒に育ててくれる人」が必要です。
“地域の幸せのタマゴ”が、たくさんの人の手で育まれ、羽ばたいていくように――
私たちはこれからも、地域の笑顔とつながりのために歩み続けます。