「地域助け合い基金」助成先報告

一般社団法人 こみらい

大阪府大阪市城東区 ウェブサイト
居場所その他

助成額

150,000円2024/05/24

助成⾦の活⽤内容

小・中学校の不登校児童数は約 30 万人にまで増加しており、大きな社会問題となっている。
だが、不登校児童の状況に関して、不登校児童の学校外の居場所となる場所がわずかであることからも、理解が広がっているとはなかなか言い難い状況である。
また、不登校児童の保護者や、それをサポートする支援者に対しても適切な情報提供が十分になされているわけではなく、不登校児童に関わる大人は、各々が悩みながら、家庭の中や外からの支援をおこなっている。
大阪市においては、統計上は中学生の約7.5%が不登校になっているが、実態は「クラスの半分ほどが来ていない」という声も聞こえてくるほど、地域としても深刻な問題となっている。

こうした状況から、不登校児童ならびにその保護者・支援者を対象としたこどもカフェを開催し、不登校児童への相談支援や、保護者・支援者に対する情報共有などを実施する。また、こどもカフェの運営には、当法人の運営するフリースクールを卒業した高校生(元不登校)がスタッフとして参加することによって、不登校児童・元不登校生徒・保護者・支援者などの不登校に関わる大人・子供の居場所として機能させる。
今回、地域の民生委員・児童委員・青年指導員とのつながりをつくり、不登校児童・不登校支援者が集まる場所を設けることで、不登校に関する地域の困りごとを解決できる連携を創出したい。

具体的には、毎月1回18時から20時の間にこどもカフェを開催。当法人のスタッフと、高校生(元不登校)ボランティアが、タコ焼き機やホットプレートを囲み、スタッフと参加者でたこ焼きやお好み焼きをつくって食べる同じ作業をすることによって、会話が生まれやすい状況を作る意図と、コストを下げる目的もある。このような実施方法により、参加者の悩みや不安を気楽に相談できる 状況を作りだし、不登校児童の次の一歩の踏み出しを支援し、また、 保護者や支援者に対する支援も実施する。

活動報告

不登校児童・不登校支援者が集まる場所を設け、不登校に関する地域の困りごとを解決する連携を創出するという目標の元、毎月1回不登校児童・不登校支援者が集まるこどもカフェを立ち上げました。(当初の予定では第3火曜日としていたが、第4火曜日に変更)

予定通り、高校生ボランティア(元不登校生徒)が中心となり、たこ焼きをつくって、参加者に提供をしています。たこ焼き器を囲んで、アットホームな環境で、おのずと参加者と高校生ボランティアとの会話も生まれ、有意義な情報共有・事例共有ができる場所になっています。

参加いただいたのは、近隣中学校の校長先生をはじめとする教員の方々、不登校支援をしている支援員の方々、そして、その大人の方々に紹介された地域の不登校の生徒です。

関係各所には、一般的な子ども食堂・子どもの居場所とは異なり、不登校を中心とした子どもの居場所となるので、丁寧に説明に回らなければいけないと考えていた。地域の方々や学校の教職員の方々に、認知と理解をしていただき、協力をいただけるよう、生活支援コーディネーターのご支援もあり、地域の方々へご案内をさせていただき、認知と理解をいただけたこと、また、近隣の学校にもご案内に回った際にも、ご理解と応援の声をいただくことができ、たいへんうれしい限りです。

また、各所にご案内をさせていただく中で、不登校が地域の困りごととなっていることを、共通認識にできたことも良かった点だと考えています。

高校生ボランティアは、元不登校という自分たちの経験が人の役に立つということをやりがいに楽しく参加してくれています。また、参加者も、相談内容を元不登校生徒に訊けることで、支援に役立てることを喜んでくれています。


今後の展開

不登校の問題は日本全体の社会問題化している中で、地域でできる取り組みを行うことにより、まずは地域単位での解決・改善を目指していきたいです。
今後は、より一層、地域の方々のご理解とご協力を得ることと、地域の小中学校との連携を元に、地域の力を合わせて、不登校について向き合い、支援していくことが必要と考えています。

不登校が地域の困りごとになっているという共通認識を、より具体的な支援の活動に広げていくために、地域や学校とのつながりを続けていきます。
現在、まだまだ解決という言葉からはかけ離れた活動となっていますが、この活動がより広がっていけるように尽力していきたいと思います。

何よりも、大人・子ども関係なく、参加いただいている全員が楽しそうにしていることが、私たちの何よりの喜びとなっているので、より多くの方々に参加してもらいたいです。

添付資料