「地域助け合い基金」助成先報告

 中居助け愛隊

群馬県高崎市 ウェブサイト
生活支援

助成額

150,000円2024/05/24

助成⾦の活⽤内容

協議体と連携しつつ、2022年7月より高齢者の幾つかの困りごとを把握し、モデル的に助け合い活動を実施し、ノウハウを得ながら、2023年11月1日付で「中居助け愛隊」を設立しました。
活動対象者は、75歳以上の高齢者世帯としています。「中居助け愛隊」のスタートの初期段階での困りごと対応は、有償ボランティアとして買物代行、草取り、話し相手です。無償ボランティアとしては、電球の交換、ごみ出しとしました。これらを行いながら助け合い活動の円滑な運用・運営を図り、更に掃除、病院などへの付き添い、低庭木の剪定など多種の困りごとへの対応等、更に活動項目を増やしていきます。今後特に懸念される困りごととして、「高齢者の移動手段の確保」があげられます。今後、対応を考えていきたいと考えています。
現在「中居助け愛隊」のメンバーは22人の構成となっています。月1回、ミーティングを開催し、困りごとへの活動状況や地域内の出来事、情報交換、今後の取り組み等の話し合いを行っています。また、地域包括支援センター(高齢者あんしんセンター)の法人内ケアマネジャーの方にも参加していただき、意見交換の中から「中居助け愛隊」として取り組む内容を模索しています。
困りごとをもった高齢者が増える一方、支え合いサポーターの高齢化や人手不足が懸念されることから、支え合い・助け合いの文化を地域内に醸成することは必要とも考えています。今後は、協議体と連携しながら、地域の担い手を発掘し、この活動を継続させていきます。また、地域内の各種団体、企業、お店等々とのネットワーク化を行って情報収集と情報交換を行いながら地域全体で取り組んでいければと考えています。

活動報告

「中居助け愛隊」が誕生した経緯の概要
中居リアン(中居地区では協議体を愛称で「中居リアン」と呼んでいます)で高齢者の困りごとのアンケートをとり、その困りごとに対応する一策として、困りごとを支援するチーム「中居助け愛隊」を2023年11月1日付で立ち上げました。
立上げに当っては、円滑に立ち上げるためプロジェクトチームを結成し、約半年かけインフラの整備を行いました。
活動の試行段階で、例えば依頼された困りごとの雑草取りをした場合、依頼者が”お礼”をしたいと申し出ることからお互い気遣いすることなく、また対等な立場で活動ができるよう、時間のかかる作業は有償ボランティアとし、さほど時間のかからない作業への対応は無償ボランティアとしました。

立上げ当初は依頼者からの問い合わせ・受付先は、代表者や副代表者の私物の携帯電話及び自宅の固定電話を使用していました。依頼者から電話が入った場合、依頼事項に対して依頼者と打合せを行いその内容を各サポーターに個別に対応可否の問い合わせを行い作業の日時を決め、依頼者へ連絡していました。
貴財団より助成金をいただき、中居助け愛隊の専用携帯電話を購入しました。この携帯電話にグループLINEを設定して各サポーターが登録しました。その結果、依頼者から専用電話を携帯している受付担当者に依頼の電話が入ると受付担当者が依頼者と詳細を打合せ、グループLINEで依頼内容とそれに対応できるサポーターを募ることにより、スムーズに対応できるようになりました。また、グループLINEで情報を流すため情報の共有化も可能となり、全員が依頼内容、対応者等を知ることができるようになりました、
受付担当者が私物のファイルやノート等を使用して受付台帳や作業実績表を作成していました。
またミーティング時の配布資料も私物で対応していましたが、これら文房具等も助成金で対応できるようになり、感謝しております。
また、雑草取りの軍手、鎌や取った雑草等ごみを入れるごみ袋等の購入もできました。

この期間、買物代行は約21件、雑草取り・庭の手入れ等は約15件。その他部屋の掃除、窓拭き、ごみ出し、傾聴、クリーニング出し、等の支援を行ってまいりました。

当初の対象は、「75歳以上の高齢者世帯、一人暮らしの高齢者」としていましたが、途中からこの制約を撤廃して困りごとのある方に対してはできるだけ支援しましょうとサポーターから意見が出て制約を撤廃しました。住民の困りごとで私たちが出来る事は全てに対応しようとなりました。
毎月、第4金曜日にミーティングを開催し、情報の共有化や現状の課題、今後の進め方等々の話し合いをしています。
また助成金の活用として中居地区内に私たち中居助け愛隊の活動を周知するためチラシを作成し、各町内の回覧板をこの期間で4回回覧板を回していただきました。この回覧板を見て依頼がくるようになりました。
しかし十分な周知は図れていません。なぜならば回覧板をきちんと見る人、読む人が少ないからです。
また、このチラシやリーフレット等を中居公民館に置かせていただき周知を図りましたが、まだまだ周知しきれていないのが現状です。今後も住民の皆さんに知っていただくための周知活動も続けてまいります。

依頼者の困りごとへの対応をしますと「ありがとうございました」「綺麗になりスッキリしました」「助かりました」「自分の庭でないようにきれいになりました」と喜ばれ感謝の気持ちとお礼を言われると活動していてよかったとメンバー全員が思い、やりがいを感じています。
また「今は中居助け愛隊に依頼することはありませんが、今後依頼する時期がくると思うので、このような活動を行う中居助け愛隊があると安心して居られます」という言葉もいただいています。

今後もこの活動を継続し、高齢により身体が衰え自力ではできなくなった「ちょっとした困りごと」の手助けを行い、住みやすい中居町創りを行ってまいります。

今後もご協力・ご支援、ご指導をお願い申し上げます。

今後の展開

今後、高齢者層の比率は高くなる一方であるとともに寿命が延びれば延びるほど身体が衰え、自力で生活するうえでの困りごとは増えると思われます。また認知症の方も増えることと思います。
要支援・要介護者も増え、その介護期間も長くなるのではないでしょうか。
その一方で介護に携わる人材はますます不足するものと懸念されます。
そうなることで国の医療費も今以上に切迫するでしょうし、個人負担の医療費も増大することでしょう。
高齢者が可能な限り通常の生活ができるようにするためには、地域住民同士が助け合い・支え合うことがより必要になってくると思います。

私たち中居助け愛隊は、高齢者の介護予防にも取り組みつつ、高齢者の困りごとに対応していきたいと考えています。介護予防の一環としては、例えば雑草取りを依頼された作業をするとき、依頼者とおしゃべりをしながら楽しく作業をするとともに、依頼者ができることを一緒に行うことが介護予防につながると考え実施しています。
今後は要支援、要介護の認定基準のハードルが上がることが懸念されます。そうしますと今以上に高齢者の困りごとは増えるのではないでしょうか。
要支援、要介護のサービス対象となっていない項目、ケアマネージャー等が取り組めない”隙間”に対してどのように取り組んで行くか、中居助け愛隊の今後の課題でもあり、検討し、対策を講じていかなければならないと考えています。社会にとっても大きな課題になるのではないでしょうか。
認知症の方にとっても住みやすい中居町はどんな中居町にすることがよいのか中居助け愛隊として何ができるかも考えていきたい。

まだまだ私たち中居助け愛隊の活動は周知されていません。困りごとがあっても何処に手を上げたらよいか分からない方が多いと思いますので、地域内に今以上に私たちの活動を周知することが必要と思っています。
私たちは買物代行をしていますが、介護予防を考えると依頼者を車に乗せて同伴して店内を歩きながら自分の目で見て買物することができれば良いと思いますが、現状は車での送迎はできません。また、車に乗せて病院に行くことも現状ではできません。
現状、タクシーで買物、病院へ行っている方がいますが、このような方は今後増え、経済的にも負担が大きくなると思われます。高齢者の外出にどのような対策をするかも重大な課題になると思っています。
高齢者が超高齢者になり足腰が弱り外出できないようになり、社会との接点が希薄になり、より要支援・要介護者が増えると思いますし、高齢者の社会への孤立が進むと思います。
それらに対応するためには行政との連携も必要となり難しい課題でもあると認識しております。
高齢者を取り巻く多くの課題は、行政主体で解決しなければならない課題が多くなると思いますが、私たち中居助け愛隊で何ができるかをサポーター同士で考え、課題を共通認識し、この1年間活動してきたノウハウを生かして、高齢者の困りごとに対応し続けていきたいと思っています。

今日は支える側でも明日は支えていただく側になることは自然に起こりうることなので、支え合い・助け合いの風土を地域に醸成することも中居助け愛隊の役割とも思っています。
そして世代交代を行いながら、この活動が引き継がれるよう活動してまいります。

私たち中居助け愛隊でできること、コーディネーターの助言、指導を受けながら遂行できること、行政と協力し合ってできること等を見極め、誰もがより住みやすい中居町を創ってまいります。

添付資料