「地域助け合い基金」助成先報告

 美加の台南個別援助推進会「おあいこ」

大阪府河内長野市 ウェブサイト
居場所見守りその他

助成額

150,000円2024/06/14

助成⾦の活⽤内容

過去5年間の活動で得たノウハウを生かし、活動範囲を美加の台地区全体に広めるため、助成金を活用する。
将来的に美加の台全地区住民による支え合い、助け合いが醸成され、安全・安心の地域共生社会の実現に貢献する。

【現況】
以下の方を対象に「訪問見守りと地域の”ながら見守り”活動」及び「介護予防と交流の場」を実施している。
*高齢者の独り暮らしの方 *高齢者のみの世帯の方 *障害のある方 *子ども子育て世代の方
※尚、訪問先は訪問見守りに同意を得た方に限定して実施している。
活動地域は、河内長野市美加の台地区(人口約7,000人、約3,000世帯)全体のうちの、南地域(人口約2,000人約800世帯)と限定された範囲である。
美加の台地区の高齢者(65歳以上)の増加率は2%/年であり、現在40%を超えている。また、50%を超えている地域もあり、益々高齢化と共に人口減少が進んでいる。また、独り暮らしも増えてきている。

【今後】
現況を踏まえ、活動を南地区限定から美加の台地区全体に広め、地区住民が生きがいを持って暮らせ、それぞれが役割を持ち互いに助け合い、支え合うことが出来る魅力ある美加の台のまちづくりが必要である。
その為、その初年度として以下の活動を行う。
*南地区団体との連携から美加の台地区全体の団体母体との新連携及び連携強化へシフトする活動
*地区住民への啓発活動の為の資料作成と各自治会、各団体へ活動説明会開催の働きかけと開催実施
*啓発活動に必要で効果的な機材や部材の調達や整備
*地区の全世帯向け活動PRチラシや広報誌の作成と配布
*活動の体験を通じて理解を深めるため、美加の台全地区対象とした体験活動の検討と実施
*美加の台地区全体活動に向けた組織づくりや仕組みづくりの検討
*河内長野市内の関連機関へ新体制の説明と理解を得る活動

【添付資料参照】「おあいこ」と各団体相関図

活動報告

今回、助成金で専用のパソコンやプロジェクター購入に活用できたことで、会議、講演会や活動説明会等を我々のペースで開催できるようになったことに加えて、活動の場と機会が増えました。
また、説明会等における配布資料の減少が図れたことで用紙、印刷費用や制作費の経費が削減できました。

見守り活動を美加の台全域に広めるための広報活動を行うにあたり、まず、美加の台内の各自治会や管理組合、老人会や防災会などの地域内団体の責任者と面談し、見守り活動について地域の現状や意識を確認しました。その結果、地域事情や責任者の意識は多種多様であり、経験豊富な高齢者が中心で活動している地域や、若者が中心になりつつある地域もあり、啓発活動も地域の事情に応じた取り組みが必要であると強く感じました。”我々の地域では民生委員が見守りをしているのでそれで充分”の考えが多くあり、また”具体的なシステムはないが我々の団体では皆がその意識を持っている筈だから説明を受ける必要ない”等の意見がありました。
私自身昨年まで民生委員をしており、その経験から見守りの重要性を認識してこの団体を立ち上げました。
見守り活動では早期発見と早期対処が最も重要と考えています。早期発見には屋内にカメラやセンサーを設置した見守り警報システムが多々ありますが、人による見守りで早期発見をより実現させるため、住民一人ひとりが日常生活をしながら負担にならない、気に掛ける程度の見守りができる活動を提唱する必要があると強く感じました。それは、従来の訪問見守りに加え、住民一人ひとりが日常生活をしながら出来る”ながら見守り”を住民のお一人おひとりに啓発する活動です。

ある地域の自治会役員会で、「見守り活動の重要性について」のプレゼンをさせて頂いた所、40半ばの男性から活動への協力がしたいとの申し出がありました。他の団体と同じように、当団体も若者の会員が非常に少なく、次世代への担い手作りが大きな課題になっています。
その男性からは、YouTubeの活用が提案され、動画の作成とYouTubeへのアップ作業を手伝って頂き、限定のアップロードを行いました。先ずは試しに活動地域に閲覧できるQRコードを配布しました。その結果、”分かり易くて良かった”との評価もたくさん頂きました。今後は美加の台全域にQRコード掲載の啓発チラシを全戸配布する計画をしています。また、啓発の新たな動画配信も準備中です。

その他、助成金を活用した主な活動は以下です。
*令和6年7月には美加の台夏祭りに模擬店を出店しました。そこで当団体の広報チラシを制作・配布して地域の人との交流や見守り活動の啓発を行いました。
*令和6年8月には当団体のご利用者様(要支援者様)を訪問して、補水液として清涼飲料水と注意喚起チラシを配布する「熱中症注意喚起の訪問見守り」を実施しました。
*令和7年の年初に当団体のご利用者様とのつながり作りに年頭挨拶状を配布させて頂きました。
*令和7年1月に当団体のご利用者様を訪問して、ゴミ袋とヒートショック注意喚起チラシを配布して「ヒートショック注意喚起の訪問見守り」を実施しました。
*令和7年1月から3月にかけて2自治会、老人会で「見守り活動の重要性」について説明会を実施しましました。
*令和7年2月に「見守り活動」を啓発する動画を制作し、YouTubeにアップしました。
*令和7年3月に広報誌「おあいこ広場」6周年記念号を制作して南地区全戸に配布しました。
*令和7年6月に美加の台全戸に配布する広報誌「つなぎあい」の原案を作成しました。7月に業者へ制作発注を行い、8月に全戸に配布予定です。

今後の展開

当団体の個別援助のアウトリーチ型見守り活動は、活動に賛同頂いた会員の皆様のご協力により現在7年目を迎えています。活動地域は南地区のみでしたが、これまでに得た経験や知識を生かしながら「美加の台地域共生社会」の実現に貢献する為、美加の台全域に以下の活動を推進したいと考えています。

・地域福祉活動のベースとなる見守り活動を通じて、住民相互の信頼に基づく”つながり”が生まれ、住民相互の助け合い・支え合いが定着して美加の台住民の誰もが安心・安全に暮らすことが出来る「地域共生社会」が実現するように啓発活動を行います。
・人による訪問見守りや地域の見守り活動では、早期発見と早期対処に課題があります。地域住民の皆さんに穏やかな見守り意識(気に掛ける程度)を持って頂くよう日常生活での「ながら見守り」の啓発活動を行います。全住民が「穏やかな見守り人」になるのが理想です。
・独居者の人にその人が持つ過去の経験を生かして「見守りの支援者」としての役割を担って頂くことで生き甲斐を感じて頂き、社会的孤立の防止が出来ればと思います。その後、その人に支援が必要になった場合にはご利用者様になって頂くことで、相互理解も容易になり活動の継続と支援内容の向上につながると思います。このようなシステムの構築を図ります。
・将来的には、「美加の台見守り連合会」的な組織を作り相互研磨、情報の共有化や相互連携を強化して「訪問見守りとながら見守り」活動を美加の台全域に定着させます。それにより美加の台が「地域共生社会」の実現に繋がるように貢献したいと思います。
見守り活動についてのご提唱内容を動画で配信しています。


添付資料