「地域助け合い基金」助成先報告

 にしお未来学校NFS

愛知県西尾市 ウェブサイト
居場所その他

助成額

150,000円2024/05/29

助成⾦の活⽤内容

昨年度まで西尾市からの委託事業としてにしおワクワク体験塾を7年間企画運営してきた経験を、より多くの子ども達に提供できるように、本年度よりにしお未来学校NFSとして自主企画や、地元小学校への総合学習としての主体性プログラムの提供、愛知教育大学での地域型キャリア教育に関する講義の提供など、幅広い活動をし始めています。

発足初年度の活動計画は
・季節ごとの子ども達主体の自然体験(タケノコ掘り、農業体験、三河湾ヨット体験、冬のデイキャンプ)の企画
・地元小学校への総合学習としてのワークショップの提供
・一般募集での小中学生向け主体性とチームビルディング力を鍛える貿易ゲームワークショップの開催
・主体性を育むことの大切さを広く知ってもらうための、自主上映会(映画みんなの学校を予定)や講演会の企画等
主体性を育む様々な学びの機会を提供することで、学校や家庭に加えた第3の学びのフィールドとしての活動の成長を願っています

活動報告

地域の学校では賄うことができない「生きた体験的な学びの機会創出」として、やりたいと何年も思ってきてはいましたが、資金的な面で実現することが出来なかった企画を実現する事ができたのが何よりもありがたかったです。
私たちの活動では、子ども達を子どもとして見るのではなく、まもなく社会に出てきて共に働く仲間として定義付けて関わっています。その練習として、企画の最初から子ども達の中から有志を募って、企画で関わってくださる地域の企業や団体の方との顔合わせ、打合せ、必要に応じて下見や材料の購入等も、出来る限り企画チームの中学生にやってもらうようにしています。それぞれが同じ市内とは言え、違う中学に通っていたり、習い事等で忙しい今の中学生が主体的に企画をしていけるようにと伴走することは、手や口を出さない忍耐力と信頼の練習の連続でした。そうした意味では、彼らの伸び代を信頼すること、それを気持ち良く理解して外部の企業や団体の方に関わってもらう空気づくりに、一番時間と手間をかけました。学校や家庭では、常に大人がお膳立てした設定の消費者の経験したことがない彼らが、少しずつ少しずつ自分たちでやることを増やしながら成長していく姿は、何度見ても感動します。

私たちの活動は任意の市民活動のため、自由度は在りますが、大きな企画になると資金をどうするのかが大きな課題になってきました。子ども達がやりたいと思い描くことを実現していきたい。でもその分参加者の実費負担が大きくなる。家庭の事情によっては参加費が高いと、子どもを参加させることをためらう親がいる。この負のループを、今回の助成によって助けていただくことができました。家庭環境の差によることなく、純粋な興味と好奇心から「参加したい!」と思った気持ちを、形にすることが出来ました。

また関わっていただく方にも過去にはこちらの事情を考慮していただいて、本来は有償であるところをムリを言って無償でやっていただく等、正直心苦しい事も多くありました。しかし今回は、正当な謝礼を提供することができ、体験をしたい子ども達も、そんな子ども達を受け入れたい側の双方が嬉しい場にできたのもご支援のお陰です。
資金があることで、この一年はやりたいをたくさん形にすることができました。本当にありがとうございました。

今後の展開

今後もにしお未来学校NFSは、学校や家庭ではない地域と子ども達を繋ぐ体験の場を創造する地域型キャリア教育の提供を行っていきます。

子ども達が大きくなったとき、世界のどこで活躍していくかはまだわかりませんが、どこに行ったとしても、自分はこの故郷で育ててもらったから今があると誇れるような原体験をたくさん地元で出来ることは、その子の自尊心の醸成に繋がると信じています。学校で測られる学力だけがその子の人生の価値を測る時代は終わっています。私たちが多種多様な体験を子ども達と共に創る理由は、いろいろな経験を通じて、自分で自分の強みに気付いてもらうこと、自信を持ってもらうためです。

来年度もすでに、子ども達の念願の泊りのキャンプを岐阜県恵那市で実現したいと企画を始めています。他にも最大で30名程度の子ども達と共に、何かリアルな社会を垣間見られるような体験の場を一緒に創りたい企業や団体とのコラボレーションを熱望します。
縁の下の力持ちのような、普段知ることがなかなか出来ない業界や業種は特に大好物です。たくさんの人の思いある仕事で出来ている今の日本社会の価値を感じられる体験、子ども達が自分の自信を増やすような体験をこれからも創造し分かち合っていきたいと思います。
ここで体験を重ねた子たちが社会にでるのはまもなくです。彼らが存分に自分らしい力を発揮して、日本と世界に希望を増やしていってくれることを、心から楽しみにしています。

添付資料