「地域助け合い基金」助成先報告

【個人】 石丸 絢子

福井県美浜町

助成額

130,000円2024/06/21

助成⾦の活⽤内容

私の住んでいる地域は、田舎でお互いに顔見知りの関係ではありますが、行事は担い手不足や役員の高齢化等により、簡素化もしくは減少の一途をたどっています。それでも、集まれば何時間でも話をし、情報交換等を行います。
特に高齢者は孤立しており、今まで普通にあった井戸端会議も見かけなくなりました(今まで井戸端会議をしていた高齢者が足腰不自由になったり、亡くなり、いなくなった)。

子どもについても、両親が忙しく、しかし学童も空きがなく、自宅に帰っても動画をひたすら見て過ごすことも多くなってきました。
昔あった商店は、かつて、子どもも高齢者も集まる居場所となっていましたが、何年も前に閉店しています。

何かきっかけがあれば皆集まります。昔からある地域のため「目立ちたくない」、「めんどくさいことはやらない」という意識が強い地域ではありますが、私は昔ながらの地域を復活したく、地域住民の楽しそうな笑顔が見たく、これまでの人のつながりや地域や経験を活かし、みんなが集まれる、そのきっかけづくりをしたいと思います。
移動手段がない高齢者には小規模事業所とも連携をし、送迎をし、誰もが集まれる場にしたいと思います。
また、現在不定期開催中の地区のみんなの食堂とも連携したいと思います。

活動報告

助成金を活用させていただき、まずはスタッフがやってみたいことが実現しました。
具体的には、来てくださる方々が楽しいと思える時間を過ごすことができる、小規模多機能事業所が地域の居場所として認識されるきっかけづくり、あらたなつながりの創出です。
つながりという面においては、スタッフ間でのつながり、介護事業所の利用者様と参加者とのつながり、参加者同士のつながり、協力してくださった講師の方々とスタッフ・参加者・利用者さまとのつながり等様々なつながりが生まれました。小学生男子と利用者様と一緒に白玉だんごを作っている光景、赤ちゃんを優しいまなざしで見つめる利用者様の表情、今まで知らなかった者同士が一緒の空間にいることで笑顔で話されている光景等私は忘れることができません。

小学生によるキッズアクセサリーの販売では、小学生自身が店員となり大声で客寄せをしたり、参加者とのやり取りをしていました。駄菓子屋においても保育園の子どもが中心となり、お店の運営をするなどいつもとは違った経験をするきっかけを作ることができました。「なかなかできない経験をさせてもらった」とお母さま方から嬉しい声もいただいています。

小規模多機能事業所さんがずっと目標としていた地域貢献、地域とのつながりづくりの面においても、今まで介護保険を利用しなければ足を踏み入れることがない、足を踏み入れてはいけないような場所だったものが、その存在が認識され、3回の結フェスではリピーターも増え、利用者様が作ってくださったおにぎりや豚汁が大好評で、「また作ってほしい」との意見をいただいています。今では利用者様がリハビリ目的で作っていたぞうきんも結フェスに参加していたお母さん方から声がかかり、「作ってくださったぞうきんがほしい」と沢山の依頼があるようです。

課題としては、近所の高齢者や子どもの参加が少ないこと、行きたいけれど来れない人の把握、なぜ来ないのか、その原因分析の必要性を感じています。また、小規模多機能事業所のスタッフの方、私も含め仕事をしながらの企画・周知・運営のため、当日の動きも詳細を決め切れていない面もあり、どうしてもバタバタし、臨機応変に対応せざる場面が多かったです。軸になる人の存在(全体をまとめる人)が必要だと感じています。

今後の展開

つながりづくりは、きっかけがあればいつでもできること、場所さえあれば皆が集えること、継続すればきっと何かが新たに生まれることをこの助成金をいただき、活動することで改めて感じることができました。金銭面の問題は活動をしたくてもできない要因にもなっています。そのため、この助成金は大変ありがたいものでした。
たくさんのものが生まれました。
この企画をきっかけに小規模多機能事業所を運営する社会福祉協議会の広報誌や地元のケープルテレビでも放映され、少なからずこのような活動が地元の皆さんに知らせることができています。
今後も同じ小規模多機能事業所を使用し、社会福祉協議会の協力もあり継続して実施していくことが決まっています。今後も身近な地域のつながりづくり、つながりの強化に努めていきたいと思っています。ありがとうこざいました。

添付資料