「地域助け合い基金」助成先報告
若者の居場所×音楽活動クラブ PoloPolo
埼玉県朝霞市
助成額
150,000円(2024/07/12)助成⾦の活⽤内容
『若者の居場所×音楽活動クラブ Polo Polo(ぽろぽろ)』では、ひきこもりや不登校などの社会とのつながりが希薄になった若者に向けて、音楽体験活動を通した居場所活動を目指します。また、若者の社会進出の一環として地域の方々に向けた音楽発表会や関連機関での音楽レクリエーションをします。
毎月第2日曜日(※場合によって変更あり)にさいたま市内に集まり楽器(ギター、ベース、ドラム、キーボード)の楽器ワークショップや作詞・作曲のワークショップをします。リズムトレーニングや発声練習など、誰でも参加できる全体練習の時間とそれぞれがやりたいように過ごす個人練習の時間の2セクションを用意しています。音楽練習楽器経験のあるメンバーが初心者にも優しく丁寧に教えることができます。個人練習の時間では個人で練習をしてもよし、誰かと一緒に練習をしてもよし、練習はひとまずいいからほかの人がやっている様子を眺めていたい、聞いていたいでもよし、です。”プロのミュージシャンから教わる場所”ではありませんが、メンバー同士が共に音楽について教えあい、学びあい、何より楽しみあう場所になってくれればと思います。
また、年に数回自主企画ライブを行う予定です。若者の親族や友人、さいたま市近隣の居場所づくりや若者支援の関連機関の職員の方や日ごろの練習の成果を発表します。社会とのつながりがこれまであまりなかった若者が音楽を通して他者に見てもらい、社会参加を果たし自信を付けられる場面となればと思っています。
活動報告
月に1回程度、さいたま市内に住む若者に向けての練習会を開催し、楽器の練習を通して居場所づくりをしてきました。参加者は共同しているNPO法人でかかわっている方を中心に参加してくれました。ほとんどが引きこもりであったり不登校の経験があったり、軽度の発達障害で社会との折り合いが悪く孤立をしていた方です。またその家族や知り合い、居場所活動のボランティアで参加している方も参加していただきました。おかげさまで毎回20名前後の方が参加してくださり、居場所活動としてもかなり大きな活動となりました。
最初に全体練習を30分ほど取り組み、残りの時間はパートごとに分かれてそれぞれ練習をしました。全体練習ではリズムトレーニングを中心に楽器上級者から初心者まで幅広く挑戦しました。全体で一生懸命に取り組む姿はそれだけで一体感を生み、居場所として成り立っていました。
全体練習が終わると個別練習になり、それぞれやりたい楽器のパートに分かれ練習したり、どこにも属さず全体の様子を見ていたり、あるいはほかの人と話をして交流をしました。楽器初心者の方はできる人からやり方を教わり、黙々と個人練習をしていたり、上級者にあたる人はさらなるスキルアップを目指し練習をしたり、ほかの人に教えたりしていました。息抜きがてらほかの人とも話をし、交流が自然と生まれる場面もありました。メンバーもほかの人に優しく、誰かが頑張って練習し、くじけそうな様子を見て「頑張って!できるよ!」と声をかけている姿が見られました。個別練習の時間は練習をせずともその様子を見ているという人もいて、音楽についてだけでなく、学校や家庭のこと、友達のこと、好きなアーティストやアイドル、キャラクターについてなどの世間話をして交流を深めていました。
地域外活動として、大学生のメンバーのご縁で大学の文化祭で発表をする場面をいただきました。文化祭に来場していただいた方たちが見ていっていただき、私たちの活動の成果や理念を知ってもらう機会になったと同時に、舞台に立ったメンバーが社会に向けて発信をする場面となりました。時間の都合上全員が出ることは叶いませんでしたが、多くの方に楽しんでもらえる、素敵な時間となりました。
6月にはリハーサルスタジオを借りてライブを開催しました。ほとんどのメンバーがリハーサルスタジオで楽器を演奏したことがなかったのですが臆することなく堂々と発表をしていました。この居場所活動に参加することで初めてほかの人と合奏することができたメンバーがいて、とても緊張しているようでしたが最後まで演奏をし、晴れ晴れとした顔をしていました。来賓としてメンバーの友達や関連機関でお世話になっている方が来てくださり、「普段見ないメンバーの頑張る姿にとても感動した」と感想をいただきました。
課題として、毎回多くのメンバーが参加していただけましたが、その場をコーディネートするボランティアが毎回確保をすることが難しかったです。日曜日に開催をするということで、参加メンバーとしては家以外の居場所を求めて大変とてもまた、多くの方が参加していただけるにつれて、音が重なり雑音になりがちではあったのですが予算の都合で休憩場所のような部屋を設けることができなかったです。中学生から50代まで幅広く参加していただいているので、過ごしやすい環境づくりに関しては今後も検討をしていきたいです。
音楽を通して、様々な人が居場所として使っていただき、また新しく何かに挑戦する場所づくりができたことが大変うれしいです。これもまたさわやか福祉財団様をはじめとした役員、参加メンバーのおかげであります。さわやか福祉財団様からは会の立ち上げのために潤沢な資金をいただき、大変感謝申し上げます。おかげで若者を中心とした音楽を通した居場所づくりをすることができました。今後もより広い方が安心して来られるような場所づくりを目指すとともに、地域内での交流の機会も増やしていきたいです。
今後の展開
若者世代が引き続き楽器を通した居場所づくりを続けていきます。今後は生活支援コーディネーターの方とも共同し、多世代交流の場面づくりを企画、実施したいです。音楽以外の活動も含めて、地元の方とのコネクションができ、知り合える機会を作りたいです。
毎回20名前後のメンバーが参加して、居場所としても安定し、楽しみに参加してくれる人がいます。楽器に関してのプロの講師はいないですが、普段居場所づくり活動をしている職員やスクールソーシャルワーカーとして学校で活動している役員を中心に、メンバーを含めて持っている音楽の知識を互いに教えあい、学びあうので安心した雰囲気の中で音楽を楽しんでいます。
この輪がだんだんと広がっていくことを期待しながら引き続き活動をしていきますので、応援よろしくお願いします。