「地域助け合い基金」助成先報告
渋川学区社会福祉協議会
滋賀県草津市


助成額
150,000円(2024/07/04)助成⾦の活⽤内容
渋川学区社会福祉協議会では、草津市社会福祉協議会をはじめとする地域包括支援センターや市役所等と第2層協議体として「医療福祉を考える会議」(高齢者の暮らしの問題を真ん中に置いて、みんなで「共感」し、問題を学区全体で解決していきたいこと・支えていくことを丁寧に考えていく場)を平成27年から約年1回開催しています。その協議体の中で、これまでは学区内の全住民を対象とした「しぶはなちゃん健康サロン」や「健康相談サロン」等について協議を行いながら実施をしてきました。
令和5年度からは、平成30年~令和4年の高齢化率の増加率が1.08%と草津市内14学区の中で3番目に高いことから、地域の高齢者が今後も住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりに求められる取り組みについて協議を行ってきました。協議の中で、渋川学区内で実施されている地域サロンや老人クラブの集まり等地域資源をまとめた地域資源マップを発行し、地域の高齢者の方々が家に閉じこもるのではなく、居場所に出向いてもらうことが必要だと協議の結果判断しました。居場所に出向いてもらうことで、人との交流が生まれるだけでなく、介護予防にもつながるため、住み慣れた地域でいつまでも元気で過ごしてもらうことを目的に地域資源マップを発行したいと考えています。
活動報告
草津市は京阪神地区への利便性の良さから他地域からの人口流入が続き、渋川地区は70年前の市制発足当時700人であった人口は、9,600人余となりました。鉄道は複々線化され、百貨店、スーパーやホテルが進出しました。経済関係の大手出版社が発行している「住みよい街ランキング」では、草津市は毎年上位にランクされ、市民の間でも話題になりました。
ランキング上位がベターであることに越したことはありませんが、地域福祉の観点からは気がかりな点が存在していました。ランク付けの基となった統計データは経済指標が中心で、「住みよい街」の重要な要素である<地域内での人と人との交流度〉が全くカウントされていませんでした。
人間同士の交流度合い、近所との親密度を数値化することは困難なことですが、人と人の交流力を考慮せずに「住みよさ」はカウントできません。私ども渋川学区社協のスローガンは、「支え合い助け合って暮らしやすい渋川へ」です。店舗数や床面積、交通利便性だけでなく、人間的要素を加えることで、暮らしやすい街が形成されると考えます。
今回発行した資源マップ【いきいき渋川】は、他地域から転入されて、近所との交流も無いまま毎日を過ごすことが無いよう、地域の高齢者の集まりへの参加呼びかけが狙いです。
お配りした方への反応、活用方法の聞き取りを行い、次の指針とする計画です。
今後の展開
草津市では、14学区のほとんどに「〇〇学区の医療福祉を考える会議」が組織されています。各地に存在する福祉団体や福祉関連事業者、医師会、行政組織が自分たちの垣根を越えて、幅広く福祉について考えようとする趣旨から結成されました。それぞれの団体、組織が今まで行ってきた活動の中では気付かなかった問題点、新しい視点を関係者が共有することができて、今後も大いに発展することを期待します。
「医療福祉を考える会議」は、学区ごとに地域差が見られ、市民の認知度も今一歩の感じがあります。草津市は、急速な変貌のため従来からの住民と転入してきた方との融和は不可欠と言えます。わが街が無機質に大きくなるのではなく、人と人がつながり合う有機的な街に発展することを期待します。「渋川学区の医療福祉を考える会議」の活動はまだまだ十分とは言えませんが、他学区の活動実態を参考に、また他府県の情報を収集して「会議」を成長させたいと思います。