「地域助け合い基金」助成先報告

 スミレン’sワーク いろり

兵庫県宝塚市
居場所

助成額

140,000円2024/08/13

助成⾦の活⽤内容

我々いろりが活動する宝塚市には、約2,700人のひきこもりの方が居ると推計するデータがある。ひきこもり等生きづらさを持つ方がいろりに参加することにより、自尊感情を高めて次の作業への参加や社会と接する意欲を持つことにつながっている。合わせて、協力企業へ出かけて作業することで、社会から必要とされる自尊心も獲得できている。
また、協力頂いている企業の代表からも、これから働き手が減少していくことを考えると、ひきこもり等生きづらさを持つ方に地域や色々な人が関わることで、その人に合った働き方を提案できるようになり、仕事の担い手となることができるのではないかと考えている。
合わせて、地域との繋がりにおいて、地域住民と接点を持つことは大変重要である。生活支援コーディネーターや社協職員と繋がりを持って、地域イベントや共同募金などに参加して啓発を行っている。
今後、いろりの活動を通じて対象となる方にも参加してもらい、ひきこもり等生きづらさを持つ方が自宅から一歩出るきっかけを作りたいと考えている。

活動報告

宝塚市には、平地だけでなく山間地域でも多くの方が生活されています。特に山間部にお住まいの方にとっては、日常的な外出にかかる交通費が大きな負担となっており、それが外出や社会参加への高いハードルとなってしまう現実があります。
このような背景の中で、ひきこもり状態にある方と接点を持つことは決して容易ではありません。たとえ支援を受けたいという気持ちがあっても、第一歩を踏み出すまでには大きな勇気と安心できる環境が必要です。「いろり」では、そうした方々一人ひとりと向き合い、急がず丁寧に信頼関係を築きながら、安心して参加していただけるような取り組みを行っています。
また、私たちの活動に共感し、協力してくださっている企業の皆さまには、ひきこもりの方々の現状や課題をご理解いただいたうえで、在宅でできる内職的な作業の提供など、さまざまな形でご支援いただいています。企業側のこうした配慮は、外出が難しい方にとって社会とのつながりを実感する貴重な機会となっており、大きな力となっています。
実際に「いろり」を卒業された方からは、「外出にはどうしても交通費がかかってしまい、外に出ることをためらっていたが、いろりでは交通費が支給されるので助かった」という声も届いています。このような支援が参加への心理的・経済的ハードルを下げ、ひきこもりの方々が次のステップに進む後押しとなっていると信じています。
さらに、いろりでの活動を経て協力企業でアルバイトとして雇用契約に至った方や、そこでの経験を土台にして一般企業への就職にチャレンジされた方もいらっしゃいます。小さな一歩かもしれませんが、それは本人にとって大きな前進です。
今後も私たちは、ひきこもりの方が社会とのつながりを持ち、自信を取り戻しながら、それぞれのペースで社会の一員として活躍していけるよう、継続して支援を行ってまいります。

今後の展開

スミレン’sワーク「いろり」
“本当は○○したいけど…”という想いに寄り添う居場所
「いろり」は、“本当はやってみたい、外に出てみたい、誰かと話してみたいーーでも不安や迷いがある”
そんな気持ちを抱えるひきこもり当事者のための居場所です。
年齢や性別、これまでの経験や背景に関係なく、誰もが安心して自分らしく過ごせる場所。
「やってみたい」という小さな想いにそっと寄り添いながら、無理なく一歩を踏み出せる環境づくりを大切にしています。
この場所には、似たような悩みや経験を持つ仲間が集い、焦らず、自分のペースで少しずつ前へ進んでいます。
ともに過ごす中で、気づけば笑顔が生まれ、自信の芽が育っていくーーそんな時間が、ここにはあります。
また、地域の企業と連携し、社会とのつながりを築く取り組みも行っています。
小さな関わりから始まり、「自分にもできることがある」と感じられるような経験を重ね、実際に仕事へとつながった方もいます。
私たちは、地域の皆さんにも「こうした想いを抱えている人が、すぐ身近にいる」ということを知っていただきたいと願っています。
そのために、地域のお祭りやイベントにも積極的に参加し、「いろり」の存在や活動、そして私たちの想いを多くの方に届けていきます。
「やってみたい」という気持ちを、大切に育てていける場所ーーそれが『いろり』です。


添付資料