「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 ららら音楽アトリエ
茨城県笠間市
助成額
150,000円(2024/09/09)助成⾦の活⽤内容
◇地域のこども園を活用した多世代交流事業
地域での核家族化の進展より、世代間の分断が顕著になってきている。
このことは、地域のつながりや地域コミュニティの希薄化、そして地域力の弱体化につながると考えられる。
このことから、地域の多世代交流を高め、地域の連携を深めるため、地域のこどもの居場所となっているこども園で多世代交流事業を行うことで、こども、親、そして高齢者など多様な方々の交流を促進し、地域の絆を高めることを目的に事業を開催する。
具体的には、事業実施場所を地域のこども園とし、地域のこども、親世代、高齢者など多様な方々が参加し、音楽での交流、お手玉やゴム飛びなどの昔遊びで交流を深め、さらに地域資源や課題についても共通認識を深めるためのワークショップを開催することで、地域間連携を高める。
このことにより、親同士のつながりを深め、子育ての先輩と交わることで地域の絆を促進する。さらに高齢者の方々については認知症予防、健康にも寄与する事業となる。
活動報告
■地域のこども園を活用した多世代交流事業
事業の開催は、学校法人大成学園の「いなだこども園」、「笠間こども園」、「ともべ保育園」の3つのこども園(保育園)を開催場所として、こども園(保育園)、NPO法人ららら音楽アトリエ、地域との連携で開催した。
1.地域みんなで交流会inいなだこども園 2024年12月17日(火)10時~12時
①参加者:園児53人 地域の方々20名
②開催内容:園児による歌と遊戯発表、ミニコンサート、脳トレゲーム、昔遊び、稲田の今昔物語(地域の歴史語り)
③交流会に至るまで:こども園の園長及び担当の先生と3度打合せ。参加園児の人数、地域への呼び掛け、地域の特徴的な歴史を園児にどう伝えるか、昔あそびの内容などを検討。その結果、こども園の地区(稲田小学校区24の行政区)へのチラシ配布、民生委員への呼び掛けを行った。歴史の語りは、この地域の民話の中心となっている稲田神社の田村先生に依頼した。
④交流会を開催して:参加した地域の方々は高齢者が多く、「園児との交流で元気をもらった。このような交流をすることで、こども園とのつながりができてよかった。」などの意見があり、また、園児は「地域の稲田神社のことが良く分かった。こんど神社に行くときはお母さんにも教えてあげたい。」などの話があった。昔あそびでの交流で、園児が楽しく地域の方々と交流する姿が印象的でした。
2.地域みんなで交流会inかさまこども園 2025年2月12日(火)10時~11時40分
①参加者:園児50名 地域の方々30名 ※障がい者支援施設からの参加あり
②開催内容:園児による歌と遊戯発表、ミニコンサート、脳トレゲーム、昔遊び、笠間の今昔物語(笠間の知名、笠間城の歴史などを紙芝居で語り)
③交流会に至るまで:こども園の園長及び担当の先生と2度打合せ。参加園児の人数、地域への呼び掛け、笠間の歴史のテーマ、昔あそび、交流のあり方を検討。その結果、こども園の周辺地区(21の行政区)へのチラシ配布、近隣の高齢者施設等への呼び掛けを行った。歴史の語りは、「笠間」の知名の起こりや笠間城などの語りをかさま歴史交流館の梅原館長に依頼した。
④交流会を開催して:地域の方々と近隣の障がい者支援施設の方々にも参加いただき、園児と交流できたのは良かった。笠間の今昔物語で園児とのやりとりで、園児に問いかけをして、園児が元気に答えることができ、「笠間」について楽しく学ぶ機会となった。脳トレゲームや昔遊びで、地域の方々、障がい者の方々、園児が交流できたことは、とても良かったと思う。
3.地域みんなで交流会inともべ保育園 2025年2月19日(水)10時~11時40分
①参加者:園児30名 地域の方々15名
②開催内容:園児による遊戯発表、ミニコンサート、脳トレゲーム、昔遊び、友部の鉄道物語(JR常磐線と水戸線の歴史、駅の話し)
③交流会に至るまで:保育園の園長及び担当の先生と2度打合せ。参加園児の人数、地域への呼び掛け、地域のことをどのように園児に伝えるか、鉄道をテーマにどのように交流を行うかなどを検討。その結果、保育園周辺の地域(18の行政区)へのチラシ配布、保育園周辺住宅への呼び掛けを行った。この地域は鉄道・駅ができて街が発展してきた歴史があることから、鉄道の歴史や駅に関する語りを、元教員で鉄道博士の川又正英先生に依頼した。
④交流会を開催して:地域の方々と園児が鉄道の話や駅とのつながり、歌などで交流が盛会に実施できた。この保育園は民間に移行して2年目であり、地域にこの保育園の存在を知ってもらう良い機会となった。電車に興味がある園児は多く、交流のテーマとして鉄道の話は地域の方々にも喜ばれた。
4.全体を通して:地域への呼ぶかけをどのよう行うか、行政区長への依頼、チラシの配布は苦労した。また、その地域の歴史を園児に分かりやすく、楽しく伝えることに工夫をこらした。
今後の展開
■今後の地域での多世代交流事業について
今回の交流事業は、「いなだこども園」、「笠間こども園」、「ともべ保育園」の3つのこども園(保育園)を開催場所として、事業を実施したが、次年度ではこども園(保育園)ではなく、地域の交流センターを会場として、その地域の特徴を活かしたテーマを設け、子どもや地域の方々、高齢者、さらには障がい者の方々にも参加いただき、交流事業を展開したい。
このことにより、親同士のつながりを深め、子育ての先輩と交わることで地域の絆を促進する。さらに高齢者の方々には、認知症予防、健康にも寄与できる。
■「非営利活動法人ららら音楽アトリエ」アピールしたい活動内容
多世代参加と協働の精神のもと、社会の平和と次世代の未来をつくるために、乳幼児から高齢者、障碍者に対して、地域に根差した様々な文化活動を提供し、その全ての人々が健やかに幸福感を持って暮らせる社会づくりと文化の増進に寄与することを目的として活動をしている。
■活動内容
1.親子向け多世代対象コンサート事業
①多世代参加型ファミリーコンサート
②茨城・笠間の歴史と音楽(教育における音楽の役割と変遷)
③歌の宴(地域交流センターでの季節に応じた音楽会)
④笠間セントラルパーク歌って踊る音楽フェス(親子対象)
2.高齢者施設・病院等慰問コンサート事業
3.障碍者対象音楽活動事業 地域の特別支援学校での音楽を通しての交流事業
4.子ども・親子・不登校児・ニートに対するコーチング事業
5.自立型人材育成のための講座事業
①ママのための講座(定期的に開催)
②中医学とコーチング(家族の健康)
今後とも地域の多世代交流を高め、地域の連携を深めるため、地域のこどもの居場所となって交流センターやこども園などで多世代交流事業を実施したい。そのことで、こども、親、そして高齢者や障がい者など多様な方々の交流を促進し、地域の絆を高めていきたい。