「地域助け合い基金」助成先報告
トト遊び
東京都足立区
助成額
149,000円(2024/10/11)最終助成額
124,760円(2025/12/09)(一部返金:24,240円)
助成⾦の活⽤内容
1.活動の趣旨
本助成金を活用して取り組みたい活動は、「バリアフリー・アドベンチャー」というプロジェクトで、重症心身障がい児をもつ当事者家族のお出かけを支援し、居場所づくりや、相互交流や社会とのつながりを作ることを目的としています。
2.活動の背景
私は、ミトコンドリア病という難病を抱える重症心身症の娘を持つ母親で、普段はSNSを中心に、重症心身障がい児をもつ家族の日常を発信しながら、普通の家族にとっては当たり前と思える様々なことに子どもとチャレンジしてきました。家族で個人的にいろいろと挑戦する中で、同じような境遇の他の当事者家族の皆さんのチャレンジしたいという気持ちを実現する活動をしたいと思うようになり、このプロジェクトを立ち上げました。
活動の背景にある最も大きな地域課題として、障害や疾患を抱えた子どもたちの多くが、地域の学校に一緒に通ず、それによって、地域社会にとけ込むことが難しくなってしまっているという現状があります。学校などで一緒に過ごしていないので、地域で行われるお祭りや様々な活動にも参加しづらいのが実情です。子どもは、もともと分け隔てなく自然に互いに遊んだり一緒に過ごすことができます。子どもやそこ家族が安心して楽しく自信を持って外出できる機会や経験を提供したいというのが、大きな動機です。
3.活動内容
・グランピングお泊り会の実施
具体的には、千葉県千葉市の稲毛海浜公園内の「スモールプラネット キャンプ&グリル」で当事者家族のお泊り会を実施し、当事者や支援者同士の交流を図ります。同時に、シュクレという車椅子等での座位保持のための座椅子器具の専門家の先生をお招きし、また、地元の浜の施設運営関係者の方々を交えて情報交換します。
・2回の実施
なるべく多くの参加者が集まってほしい、また子どもの体調などの都合から寒い冬季の実施は難しいので、秋と春の2回お泊り会を実施する予定です。1回目は初めての取り組みになるので、様々な改善点が見つかるはずで、それを踏まえて2回目の実施に活かし、当事者家族の安心感を高めたいと考えています。
・サポート体制
このプロジェクトでは、当事者家族が安心して過ごせるような工夫を取り入れたいと考えています。具体的には、ペースト食やミキサー食などの食事の工夫を飲食施設の担当者と相談しながら実現します。また、普段いなげの浜でバリアフリーの活動をされていて障害や病気に理解のあるカメラマンさんに同行してもらい、慣れない環境で家族が存分に楽しみつつその思い出を写真や動画で残せるようにします。そして、医療的ケア児の家族や支援者向けにメディアやイベント運営をしているNPOの方々にも参加いただくなど様々な支援を準備します。
4.活動の狙い
この活動を通じて、私自身の家族も含めた、当事者家族のエンパワメントが大きな目的の一つです。
私自身の娘が急に病状が変わって重度心身症児になり、もう3年が経ちます。私が、障がいのある長女と「外に出るのは大変」「こんなことはできない」と決めつけて、いろんなことを諦めていたせいで、次女までも家族としての思い出を作れないまま過ごしてしまったら、私自身後悔しないだろうかと思いました。もし娘の状態がさらに悪化して医療的ケアがもっと必要になったら、など同じ様に葛藤や不安を抱える多くの当事者家族に会ってきました。
当事者家族が新しいことに挑戦し、成功体験を共有することで、外出に対して自信を持つことができるようになることで、地域に出かけていき馴染んでいけるきっかけにしたいと考えています。
また、地域で事業を展開する地元企業さんと協力してプロジェクト進めることで、地域のバリアフリー改善が進むことも最終的な狙いにしています。このプロジェクトを通じて、障がいのある人々への対応を学ぶ機会となり、理解や配慮をどう形にすればいいのか、具体的な活動を通じて考えていただけることを期待しています。地域での助け合いには、地域の理解と、それを表現する方法を知っていただく必要があり、それにはまず、当事者家族が勇気を持って出かけられる機会を作る必要があると考えています。
活動報告
本助成金を活用し、2024年11月に千葉県稲毛海浜公園のグランビング施設にて、重症心身障害児とそのご家族を対象としたグランピング企画を実施いたしました。約10組の当事者家族が参加され、多くの方が初めてのグランピング、そしてバリアフリーとは言えない環境下での宿泊に挑戦する貴重な機会となりました。
活動中は、参加者同士が安心して交流を深められるよう、様々な工夫を凝らしました。日中は広大な草原で、身体に不自由があっても楽しめるよう、大きなスティックや電動のバブルガンを使ったシャボン玉遊びを行い、障害のある子もない子も一緒になって笑顔が溢れる時間となりました。夕食は、グランビング施設専属シェフのご協力により、嚥下食に対応した特別なBBQを堪能。食事の様子や家族のふれあいをプロのカメラマンに撮影していただき、食後にはその日の写真を使った上映会を開催し、参加者全員で感動を分かち合いました。
施設のシャワールーム利用や、気管切開や寝たきりのお子さんのための休憩スペース確保など、物理的なバリアに対しては、ご家族同士、そして施設スタッフの方々と協力し合うことで乗り越えることができました。夜には、子どもたちが寝静まった後、助成金で追加利用が可能となったテント内で保護者同士の交流会を実施。普段はなかなか話せない子育ての悩みや地域との関わりについての不安、日々の生活の工夫などを、夜が更けるまで語り合い、固い絆で結ばれる時間となりました。
当初2回を予定していた活動が1回のみの実施となった点は課題として残りましたが、参加されたご家族からは、「勇気を出して参加して本当に良かった」「他の家族と悩みを共有できて心が軽くなった」といった喜びの声を多数いただきました。また、施設スタッフの方々からは、「障害児家族と触れ合う中で、普段の業務に対する意識が変わり、より積極的に手助けをしたいという気持ちが芽生えた」という嬉しいご感想をいただき、この活動が地域における新たな「助け合いの輪」を生み出すきっかけになったと実感しております。
【Instagramでの今回のイベント関連情報発信】関連投稿の合計閲覧数:115,000
準備編(ペースト試食会)、閲覧数:7,600
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DAhFOCVBw-B/
当日の様子をプチライブ配信、閲覧数:4,000
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DBTDHpRp9sR/
1回目のまとめ投稿、閲覧数:1.6万
https://www.instagram.com/totochan__mama/p/DBnsw7ZJjP7/
1回目のまとめ動画、閲覧数:1.2万
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DBntl5Fp7U7/
デイキャンプ①、閲覧数:1.9万
https://www.instagram.com/totochan__mama/p/DHMrNvVTZeO/
デイキャンプ②、閲覧数:2.3万
https://www.instagram.com/totochan__mama/p/DH5n_tuz3fO/
デイキャンプ③、閲覧数:9,200
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DIa5TDYPm14/
デイキャンプ④、閲覧数:6,000
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DIh0ERGSc06/
施設のシェフと嚥下食についてコラボライブ①、閲覧数:6,500
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DHc2XvOOQmn/
施設のシェフと嚥下食についてコラボライブ②、閲覧数:5,500
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DHnnwI5yDjN/
施設のシェフと嚥下食についてコラボライブ③、閲覧数:6,200
https://www.instagram.com/totochan__mama/reel/DH-U1PPTsaZ/
今後の展開
今回のグランビング企画の成功は、私たち当事者家族にとって大きな自信となりました。実際に、グランピング後には稲毛海浜公園でデイキャンプを複数回実施し、ハンモックや薪割り体験といった新たなアクティビティも取り入れることができました。
また、本企画にご協力いただいたグランピング施設のシェフが嚥下食について深く学んでくださり、会社HPに嚥下食対応窓口を設けていただけるという、予期せぬ素晴らしい展開も生まれました(現在はシェフの転職により閉鎖中ですが、施設側は再開を検討されています)。このことは、当事者が勇気を持って一歩を踏み出し、地域と関わることで、環境そのものを「バリアフリー」に変えていける可能性を示してくれたと確信しています。
私たちは、環境が整えられた特別な場所に行くだけでなく、様々な人や地域と寄り添いながら新たな挑戦を続けることこそが、真の共生社会に繋がると信じています。これからもSNSなどを通じて積極的に情報発信を行いながら、当事者家族の新たな挑戦をサポートし、私たちの活動や想いをより多くの方々に知っていただくことで、社会との間にある「壁」をなくしていくことを目指します。
添付資料


