「地域助け合い基金」助成先報告
支えあいボランティア 「チーム上弓削」
京都府京都市右京区
助成額
150,000円(2024/10/16)助成⾦の活⽤内容
京都市右京区・京北地域は京都府の中部(京都市右京区の北部)に位置し、総面積は約217平方キロメートルで面積の9割以上が森林を占めている。平成17年に京都市に合併した地域であるが、6地区・64集落が存在し、それぞれの地区ごとの取組が根強く残る地域である。総人口約4,500名、高齢化率約46%であり、少子高齢化が進行している。
京都市右京区社会福祉協議会京北事務所では、運転ボランティアが関わる外出支援サービスの利用が年間700名を超えており、京北の住民(主に高齢者)を医療機関やスーパー等に送迎を行っている。一方でタクシー会社が令和4年に廃業する等、京北地域の交通は課題が多く、バス停までの歩行も困難な高齢者の増加によりドアtoドアのニーズは年々高まっている。また、合併等による委託金の減少に伴い、外出支援サービスの事業の存続も危ぶまれている状況である。
そのような中で運転ボランティアが自家用車を使い、ボランティアが居住する地域の高齢者等を対象とした取組が必要であるという想いから、京北全体で勉強会等を開催。この度、弓削地区における「上弓削」(5集落)の有志による自家用車を活用した移動支援サービス事業の実施を目指して「チーム上弓削」を結成。誰もが安心して京都市右京区・京北の上弓削地域で暮らし続けていくため、外出に困難を感じる方等の通院や買物等の移動を支援する事業としてマイカー送迎事業を行っていく。
「チーム上弓削」を皮切りとし、京北内で様々な地域で同様の外出支援の取組が拡がるよう、京都市右京区役所京北出張所、京都市右京区社会福祉協議会京北事務所他、公私問わず関係機関との連携を行いながら当事業を継続させていく。当基金は特に実施初年度にかかる保険料や広報に係る経費を中心に助成をいただくことで、担い手・利用者が共に安心して活動・利用できる環境面を整えることに活用したい。
活動報告
私たちの居住する京都市右京区京北地域は、京都市市街地から約30㎞隔てた地にあり、総面積の約90%を山林が占める過疎地域である。こうした条件であるため、公共交通機関が維持できず、住民の移動は専ら自家用車に依存する状況となっていた。
高齢化率が実に5割に迫り、このところ高齢者による交通事故が多数報じられることもあり、運転免許を返納する方が増え、買物、通院といった日常生活に困難を感じる状況となってきた。
こうしたことに対し、地元社会福祉協議会においても移動支援の事業に取り組んでいるものの、自ずと利用目的、曜日に制限が生じることから、より柔軟に利用できる移動支援の手段として、京北地域の中でも私たちの居住地である上弓削地区において許可・登録を有しない自家用車を使用する移動支援事業に取り組んだものである。
一定の周知を行ってスタートしたが、当初は私たちが予想したほどには利用が伸びなかったため、移動支援事業実施中であることをPRするオリジナルマグネットを車両に貼付するほか、周知の一環として、メンバーによる「寸劇」形式での事業内容説明を高齢者対象の事業の場において行い、分かりやすいと好評を得ており、徐々に利用者の増加を見ている。
また、この取り組みにおいて、右京区のまちづくりに関する賞を得たことから、右京区全体を対象に取り組みを発表する機会があり、右京区内のみならず、京都市他区の移動困難地からも関心を寄せていただくなど波及効果があった。
地元京北地域からの反響も多くあり、他の地区でも同種の取り組みが自治組織も含めて検討されているなど広がりを見せている。
この事業は、移動を支援することが目的ではあるが、買物等では相乗りの利用もあり、車中や買物先での会話を楽しまれるなど付帯的な効果も生まれている。
今のところ曜日(水・土)、行先(京北地域内)を限定した取り組みであるが、利用者からの要望も踏まえ、更に拡大した取り組みができないかチーム内で検討していきたいと考えている。
今後の展開
私たちも決して若くないので、取り組みを継続して行くためには、次を担ってくれる方の加入が必要です。
「活動報告」の欄にも記したように、他の地区、地域でもこうした取り組みに関心を持っていただいているが、ぜひとも踏み出していただきたい。