「地域助け合い基金」助成先報告
メコ☆しろSweets
新潟県加茂市

助成額
60,000円(2025/04/24)助成⾦の活⽤内容
地域的に田舎ということもあり、学校に行けないという状況はあまり理解が進んでおらず、この活動も怪しいものを見る目で見られることも多々ある状況です。学校へ行けなくなった理由は自分の心の問題かもしれないけれど、復帰を難しくしているのは地域的な理由もあるのではないかと考えます。学校に行かないと外出していても「学校には行かないくせに」と後ろ指をさされるような状況では、このような悩みを抱えている子どもたちはいつまでたっても変わることができません。
そこで、当たり前に学校に通っている子が経験しているような楽しいことや様々な経験を、身近なこの場所で、こどもたちに与えてあげることはできないかと考えました。
今回は「好きな事」や「自分のできること」の発見、「できたよ!という自信」を、食品サンプルの制作体験を通して体感してもらおうと考えています。
基金を申請し、きちんと活動していることを地域の方に理解していただきたい。
悩んでいる方のもとにこの活動が広まって、そんな方々のお役に立てればと考えています。
活動報告
今回は「子どもたちの居場所活動」をされているお寺さんの活動の一環で、好きな事、得意な事をみつけて将来の糧にしてもらいたいと企画したものでした(不登校や特性のあるお子さん対象)。
普段は家から出られない子がこれを楽しみに外に出る、特性のあるお子さんをお持ちの親御さんが、座っていられない、黙っていられないなど、様々な症状で他で遠慮していたことをここなら遠慮せずに体験できるということを目標とし、この体験からなにか一つでも新しい発見をしていただきたく、3月と9月の2回、開催しました。
1回目は不登校と特性持ちのお子さんが5名ずつ、2回目は不登校3名特性持ち7名と少人数制で、誰に気兼ねすることもなく、自分のタイミングで自由に食品サンプル作りを体験してもらうことができました。
一番の苦労は、「このような会に参加することが自分の子どもの不登校や特性を認めることになる」「わが子は違う」と思っている方々に、どういう風に参加してもらうかということでした。
不登校の子の親御さんに多かったのは、お声がけしても「あ、うちは不登校じゃないです」とか「たまに行けますから違います」とか、お子さんの体は学校に行けないのに、親が認められないケースです。「お寺でこんなことやってるよ」「自分だけじゃないよ」「お母さんも他のお母さんに聞きたいことあるよね?」みたいな感じで、構えないで参加していただくのに、実際に不登校の子をお持ちのお寺さんには、大変ご尽力いただきました。不登校は悪いことではなくて、学校が全てではないことや、食品サンプル作りを通して、いろいろな感情を味わってほしいという趣旨をお伝えしていただきました。
お子さんたちは家では見せないような集中力を発揮し、親御さんは「こんなに集中しているわが子を久しぶりに見た」と喜んでおられました。勉強だけではなく、色々な経験値を高めて将来の糧にしていただければ嬉しいと思います。また、お母さんたちとは子育てがほぼ終わりかけの私の経験なども交えてお話をしましたが、一番不安でいっぱいなのはお母さんたちで、中には涙目の方もいらっしゃいました。
今回は食品サンプル体験が入り口ではありましたが、そのようなお母さんたちにも気軽に話の出来る居場所として、お寺さんの活動を知ってもらえてよかったです。
こちらの地域ではまだまだ不登校のお子さんについて理解が進んでおりません。
「親の育て方が悪い」「親の責任」と言われることも多々あるようです。
まだまだ課題は多く、長く続けていくことの必要性を感じました。
特性をお持ちのお子さんは、とにかく完成することを目指していましたが、とんでもない才能を発揮してくれる子もいて、親御さんも終始笑顔でした。近隣の特別支援のお話や、子どもたちの今後についてお話されている方も多かったように思います。食品サンプルを作り終わった後は、親御さん同士で情報交換をされていました。
「朝は機嫌が悪くて習い事に行けないと思っていたけど、食品サンプル作りでリフレッシュできて、習い事にも行けました」「今日は親も怒らなくていい日なのでいいですね」「やることが決まっていて順番に説明を受ければできます。本当に楽しいようです」など、他の方に気兼ねすることなく体験できる環境に、親子でリラックスして体験していただけたようです。
このお寺さんでの活動を、インターネットニュースに取り上げていただくことができました。
また、当教室としてこんな活動に賛同していますと書いたところ、別地域のフリースクールの社長さんと繋がったりと、少しではありますが前進していることもあります。「こんなことが必要なのでは?」「私はこの部分がお手伝いできるかも」など少しでも思ったら、是非行動に。案外なんとかなります。
体験格差は都会と地方だけではなく、こういうところにもあると思います。
自分のできることを、今後も続けていきたいと思います。
助成金で支援をしていただいたことに感謝しています。ありがとうございました。
今後の展開
浄秀寺で開催の「くもサロン」は、若坊守の奥様の立ち上げた居場所活動です。不定期開催でありながら、たくさんの方とのつながりがあり、いらっしゃる方々は帰りには必ず笑顔で帰って行かれます。
とにかく一人で抱え込まないで、話してみようという趣旨で開催されています。子どもにとっても、大人にとっても、居場所を提供する活動です。
活動の中では様々な取り組みをされていますが、営利目的ではなく、この活動を続けていく資金を捻出するための取り組みで、決して個人の利益を求めているものではないように感じます
旦那さんである住職さんも、子どもたちに色々な仕掛けを準備して、ご尽力くださいます。
少子高齢化ですので、私たちの未来を託す子どもたちが、少しでも希望をもって暮らせるように。
育てている親御さんたちが少しでも肩の荷を下ろせますように。
もっともっと周りの理解が進み、悪意のある言葉を向けてくる人たちが少しでも減りますように。
細く長く活動を続けることを目標とし、こちらでの開催を続けていきたいと思います。
添付資料
