「地域助け合い基金」助成先報告

 みかんラボ

東京都荒川区
その他

助成額

150,000円2025/02/14

助成⾦の活⽤内容

事業名 あらかわライトアップ2025 ~世界アルツハイマーデー/月間~ (仮称)

①申請内容
国際アルツハイマー病協会は、世界保健機関(WHO)と共同で、9月21日を、世界アルツハイマーデーと定め、この日を中心に認知症の啓発を実施しています。荒川区においては、荒川遊園の大観覧車のライトアップ、講演会開催、図書館や公共施設地域包括支援センターでも各所でミニイベントを開催しています。
この区のイベントを区民の力で支援するために、世界アルツハイマーデー/月間にあたる9月に、当事者の方やその家族、更には、認知症に関心のある区民が結集し、認知症啓発集会を開催し、その後、その会場から荒川遊園までパレードを行い、大観覧車の点灯式を区民によって実施して、よりアピール性の高い啓発活動に繋げたいと考え、申請するものです。

②計画
このフェスは3つのイベントからなります。集会、パレード、点灯式です。
9月20日には、区の行う大観覧車ライトアップのための事前イベントとして、荒川区在住のイラストレーターで「令和元年母がボケました。」の著者の横田貴子さんをゲストスピーカーに招き、「認知症になっても安心して暮らせる街をめざして」をテーマに認知症啓発集会を開催し、当事者とその家族や支援者など多様な参加者がアピールを行います。
集会後は、都電通りに沿って、大観覧車のある荒川遊園まで、約1キロメートルをパレード(デモ行進)します。荒川遊園到着後、参加者は、ペンライトを持って、大観覧車へ向かって8つの方向から1列に並びます。点灯時間が迫って来たら、カウントダウンしながら、観覧車に遠い人から明かりをつけていき、荒川区の実施する大観覧車のライトアップに繋げて盛り上げます。

活動報告

今回企画したイベント「あらかわライトアップ2025(通称:あらら)」は、世界アルツハイマー月間に合わせて、荒川区の後援を得て、認知症啓発団体「みかんラボ」と地域介護予防活動団体「町屋青空テラス」の共催により実施しました。
主な内容は以下の通りです:

認知症理解を深めるトークセッション
認知症支援PRパレード(※雨天中止)
あらかわ遊園・大観覧車のライトアップ点灯式

当日は小雨にもかかわらず、あらかわ遊園近くの「あらかわ希望の家」に約100名が来場。参加者は荒川区在住・在勤・在学の方々で、未就学児から80代まで幅広い層が集まりました。
トークセッション「マンガで知ろう認知症」では、荒川区在住のイラストレーター・横田たか子さんが登壇。ご自身の著書『令和元年 母がぼけました』を題材に、認知症の介護体験をユーモラスに語っていただきました。

参加者からは、
「認知症への恐れがなくなった」
「前向きに捉えられるようになった」 など、前向きな感想が寄せられました。

続く参加型セッションでは、区内で活動する団体や個人が登壇し、スローガン入りプラカードや写真を掲示しながら、活動内容や認知症への思いを語りました。特に印象的だったのは、認知症当事者の方の次の言葉です:
「私が認知症になっていることを皆さんに話すのは、私の認知症がもっと進んでわからなくなったときに、皆さんに助けてほしいからです。」

また、参加者からは「多くのボランティアが様々な活動をしていることに感動した」との声もあり、地域の絆の深まりを感じる場となりました。

雨天のためパレードは中止となりましたが、点灯式の時間には雨がやみ、大観覧車のライトアップ・カウントダウンは無事に実施。高齢者の参加者も多い中、大歓声に包まれ、会場はオレンジ色のペンライトと笑顔であふれました。認知症のシンボルカラーであるオレンジに染まった大観覧車とともに、イベントは感動のうちに幕を閉じました。


今後の展開

「あらかわライトアップ2025」は、性格の異なる2団体による共催で実施されました。
●「みかんラボ」は、地域活動家の育成を目的とした「あらかわコミュニティカレッジ」の修了生が立ち上げた団体で、認知症サポーター養成講座の企画・運営などを通じて啓発活動を行っています。
●「町屋青空テラス」は、2025年問題を見据え、孤立しがちな高齢者の居場所づくりを目的に7年前に発足。地域包括支援センターの協力を得て、園芸活動から始まり、オレンジカフェの運営や体操教室など、現在は10か所の拠点で活動を展開しています。

今回のイベントでは、両団体の持つ社会資源を活かし、荒川区全体に働きかけることで相乗効果を生み出し、多くの方々の共感を得ることができました。
一方で、今後の課題も見えてきました。当初は「認知症オレンジランタンフェス」の企画も検討していました。これは、区内の介護施設や地域包括支援センターの前にオレンジ色のランタンを設置し、世界アルツハイマー月間を広く周知する取り組みです。しかし、設置場所の確保や財源の問題などにより、今回は実施に至りませんでした。
今後は、認知症を正しく理解し、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指し、啓発活動に一層力を入れていきたいと考えています。

添付資料