「地域助け合い基金」助成先報告

 サロン家T・E

新潟県佐渡市

助成額

150,000円2025/03/21

助成⾦の活⽤内容

「子ども食堂をやりたい!」と2024年1月に佐渡島に古い空き家を購入し、退職後の2024年4月に島外から移住してきました。佐渡市役所の高齢福祉課と子ども若者課、佐渡市社会福祉協議会、そして生活支援コーディネーターの方々と相談し、活動計画を立てて取り組んでいます。その中で、近隣の学校などにアンケート調査を実施したところ、子ども食堂や常設の居場所にニーズがあることが確認できたので、2025年春に開設することを目標としました。今回、この助成金を活用して、別棟の老朽化した台所をリフォームし、調理場・水場を確保することで子ども食堂の開設と常設の居場所づくりへの大きな足掛かりになると考えています。

活動報告

助成金を活用して事業所のキッチンに水道と流し場を整備しコンロ台を購入した。
水道が使えることで、常設の居場所として日々提供しているお茶、コーヒー等の水を母屋から汲んで運ぶことなく用意ができ、洗い物もできるようになった。水は毎日使うものであり、夏場は氷を作るなど水の使用量が増えたので本当に助かっている。
コンロ台にはカセットコンロを置いて利用している。春先の寒い時期には佐渡番茶が好評で、毎日やかんで沸かして運んでいたが、設置後は事業所で様子を見ながら火を使うことができて安心だ。
今年3月の無料お試し期間を経て4月にオープンして以来、毎日のように当番のスタッフが朝からお茶やお湯、水の準備で何度も隣接する母屋を往復していたが、助成金の活用によりキッチンとしての機能が向上し、イベント時にはその場のスタッフにお願いして飲み物の提供もスムーズにできるようになった。

最初は喜んで子どもたちも自由に使っていたが、お金を頂いて提供している珈琲の管理もあるので、使う分の水や氷はポットに移してから部屋で利用するようにした。
また、コンロを卓上型にしたことで持ち運びができ、テーブルにて参加者と共に盛り付けや配膳を行うことができて「楽しい」「またやりたい」という声のほかメニューのリクエストもあがり、楽しみな時間として活動できると感じた。

まだ半年が過ぎただけだが嬉しい出会いや再会があった。私たちだけでなく利用者同士の輪も広がっている。近所の駄菓子屋でおやつを買って、事業所が開くのを待ってくれている児童もいる。夏休みが明けて小学校の校長先生が来られ、話をするなかで振替休みや児童が早く下校する日に対応できるよう、毎月の予定表をいただけることになった。
課題としては、当初利用を期待していた中学生や高校生の利用がなく、送迎の車やバスを待つ30分ほどの時間では立ち寄るタイミングが難しいのか、今のところの利用者は地域内外の友人知人、学校区内の小学生である。

ここは大人15人も入ればいっぱいの古い家の1階部分が会場である。子どもが9人で鬼ごっこを始めたときには床が抜けないか心配する脆さもある。それでも今あるもの、活かせるものを工夫しながら見守り、1つ1つ利用者のニーズや地域の声に応えていきたい。そして「常設」ということで定期開催の子ども食堂・地域食堂よりは、日常的に居場所を利用する人たちへの飲み物や食べ物の提供の必要性が高く課題でもある。今後はもっと柔軟かつ積極的に大切な水と火が使える環境を活かしたい。

これからも共に活動する仲間や他団体、生活支援コーディネーターや社協、市役所などたくさんの人たちと連携し、日々の活動の中での体験や気付きを大事にしていくところに課題解決のヒントがあると考える。

今後の展開

少しずつではあるが、新しく利用してくださる方が増えてきている。
今後は月1回というイベント的な地域食堂の開催だけではなく、常設である強みを活かして、より細かな日々の食の支援をしていきたい。
具体的にはフードバンクからご支援いただいた米、餅、乾麺などを利用者から希望があれば可能な限りその場で一緒に調理して、利用者の家族にもすぐに用意できる軽食を安価で提供出来れば、そこが「子ども食堂」であり、近隣の方でも、商店までお買い物に行けなかった時や、ちょっと支度する時間がないかなというときの、お助け「地域食堂」にもなるだろう。気軽に立ち寄ってもらえる居場所を目指したい。

添付資料