「地域助け合い基金」助成先報告
一般社団法人 カラフルドットライフ
愛媛県松山市

助成額
150,000円(2025/06/26)助成⾦の活⽤内容
①障害や発達特性などから困難さを抱えた人たちの生活支援の実践について、LGBTQ当事者にまつわる課題を中心に、先行事例を共同で学ぶ学習会を開催します。
講師の想定:LGBT支援ハウス(LGBTハウジングファーストを考える会)
LGBTQ当事者に限らず、障害や発達特性などから日常生活に困難を抱える人々への生活支援について学ぶ勉強会を、松山市内で開催します。今回は、居所を失うことによって繰り返される貧困や孤独の連鎖を断ち切るべく、居住支援の側面から先行事例を学びます。
②老齢期を支える居場所、生活支援の実践について、LGBTQ当事者にまつわる課題を中心に、先行事例を共同で学ぶ学習会を開催します。
講師の想定:NPO法人パープルハンズ
行政書士、ファイナンシャル・プランニング技能士有資格の講師より、LGBTQ当事者に限らず、いわゆる「おひとりさま」の迎える老後について考える学習会を開催します。
※講師都合により、勉強会の日程が前後する場合があります。
■実施結果・期待される効果
・LGBTQの老齢期を支える居場所サロンの試行を当法人がおこなう。この試行によって得られたノウハウを地域へ還元することができるようになると期待できる。
活動報告
1. 助成金を活用して実施できた活動
本助成金を活用し、LGBTQ当事者が直面する「居住」と「老後」という二つの大きな生活課題をテーマにした学習会、および当事者向けの居場所づくりを実践しました。
第1回講演会「LGBTQと貧困 ~LGBT支援ハウスの取り組みから~」(2025年10月22日):オンラインにて開催し、中四国地方の社会福祉協議会職員、当事者団体、大学関係者など27名が参加しました。講師に金井聡氏(LGBTハウジングファーストを考える会・東京)を迎え、障害や発達特性、貧困が重なる複合的な困難への居住支援について、先行事例から学びを深めました。
第2回講演会「LGBTQの高齢期を支える取り組み」(2026年1月23日):松山市の二番町ホールとオンラインのハイブリッド形式で実施し、計29名が参加しました。講師の永易至文氏(NPO法人パープル・ハンズ)より、おひとりさまの老後への備えについて専門的な視点から講義を受けました。
試行開催「出張パープル・カフェ」(2026年1月23日):学習会と同日に、中高年層のLGBTQ当事者を対象とした居場所サロンを自団体のルームで試行しました。
2. 地域とのつながりと新たな協力者の状況
本事業を通じて、地域福祉の中核である社会福祉協議会との連携が大きく進展しました。
生活支援コーディネーターとの連携: 助成申請に先立ち、松山市社会福祉協議会の第1層生活支援コーディネーターを直接訪問し、事業内容について説明を行いました。このプロセスを経て推薦をいただき、今後は弊団体を「地域の資源」の一つとして活用してもらう協力体制が築かれました。
専門職への波及: 学習会には社協職員だけでなく、出版関係や大学関係者も参加しており、LGBTQの課題を地域の普遍的な生活課題(貧困、孤独、高齢化)として共有するネットワークが広がりました。
3. 進めるうえでの苦労や課題
複合的課題の共有: 性の多様性だけでなく、障害や貧困といった「交差的・複合的な課題」を、地方都市でいかに自分事として捉えてもらうかという普及啓発の面で工夫を要しました。
アウトリーチの難しさ: 専門職向けの学習会には多くの参加がありましたが、当事者向けのサロン「パープル・カフェ」の参加者は4名にとどまりました。本当に孤立し、生きにくさを感じている当事者へ情報を届け、参加の心理的ハードルを下げて居場所へと繋げることの難しさが、今後の大きな課題として浮き彫りになりました。
4. 参加者の声と今後の展望
参加した社協職員や専門職からは、これまで見えにくかったLGBTQ当事者の老後や生活困窮の現状について理解が深まったとの認識を得られました。今後はこの試行で得られたノウハウを地域へ還元し、自治体や企業、社会福祉法人等と連携を強化しながら、「誰もが安心して暮らせる地域づくり」の体制構築を目指していきます。
今後の展開
1. 誰もが排除されない「持続可能な地域づくり」の体制構築
今回の事業を通じて、LGBTQ当事者が直面する課題は、高齢化、貧困、孤立といった地域の普遍的な生活課題と深く結びついていることが再確認されました。今後は、松山市社会福祉協議会をはじめとする公的な団体、自治体、企業、そして他の福祉団体との連携をさらに深め、弊団体が「地域の資源」の一つとして機能することで、誰もが自分らしく、安心して住み続けられる持続可能な体制を築いていきたいと考えています。
2. 課題解決を担う人材の育成とノウハウの還元
地方都市において、障害や貧困などが重なり合う「交差的・複合的な課題」に対し、再現性のある解決モデルを確立することが目標です。今回の学習会で得た知見や、試行した居場所づくりのノウハウを地域に還元し、共に地域課題を考え、解決に取り組む人材を一人でも多く育てていきたいと願っています。
3. 地方からの情報発信と孤独の解消
インターネットやSNSを活用し、地方都市での先駆的な取り組みを全国へ発信していきます。これは、単なる広報活動ではなく、今この瞬間も孤立感や生きにくさを感じている当事者やその家族に対し、「ここにも居場所がある」というメッセージを届けるための大切な活動です。
私たちは、居所を失うことで繰り返される貧困や孤独の連鎖を断ち切り、誰もが笑顔で助け合える共生社会の実現に向けて、一歩ずつ歩みを進めてまいります。
添付資料
