「地域助け合い基金」助成先報告

 小山駅東口青年部活性化委員会

栃木県小山市
居場所その他

助成額

150,000円2025/06/25

助成⾦の活⽤内容

これまで私たちは、地域の子どもたちや若者を中心とした活動を通じて、地域に笑顔とつながりを生むことを目指してきました。そうした取り組みの中で、コロナ禍以降、子育て中の家族同士の交流が著しく減っていることに驚かされました。
きっかけは子育て支援や親子の居場所づくりに取り組む地域団体の方々との出会いでした。お話を伺う中で、コロナ禍で出産・育児をされているご家族が直面している課題が見えてきました。行政や病院が実施していた「パパママ教室」は中止または個別対応となり、子育て支援センターなども予約制・人数制限が設けられ、気軽に利用することができなくなっています。
その結果、育児中のご家庭が「孤立」や「孤独」を感じるケースが増えているのだそうです。
また、コロナ以降、コミュニケーションの取り方が大きく変わってしまい、「どうやって子育て仲間をつくればよいのか分からない」といった相談が増えているそうです。
少子化が進む一方で、子育てに対する不安や負担は軽減されておらず、特に産後に感じる「孤立」や「孤独」は、場合によっては虐待リスクにつながるのではないかと危惧しています。
そこで、育児を始めたばかりのご家族を対象に、互いに交流できるイベントを開催し、同じ育児仲間を見つけるきっかけを提供するとともに、地域で育児支援や居場所づくりに取り組む団体とのつながりも生まれるような活動を行っていきたいと考えています。
地域は、すべての世代が関わり合うことで、はじめて持続可能なものになります。これまでは主に青少年を対象とした活動に取り組んできましたが、今後は地域の他団体と共同し、未就学児や乳幼児、その保護者に対する支援活動にも力を入れていきます。
こうした新たな取り組みを地域ぐるみで進めていくためには、より広い視点とネットワーク、そして安定した活動基盤が欠かせません。その一助として、今回、さわやか福祉財団の助成制度に申請させていただきました。
地域の未来を担う子どもたち、そしてその育ちを支えるすべての大人たちが、安心してつながり合えるまちづくりを目指して、今後も活動を進めてまいります。

活動報告

本事業は、小山市内に住む3歳未満の子どもを持つ保護者を対象に、親同士の交流(コミュニケーション)を促進することを目的として実施しました。
初めて子育てを行う家庭にとっては、地域の子育て情報が得にくく、また同世代の親子と直接出会う機会が少ない現状があります。
そのような中で、本イベントは「リアルに会って話せる場」として多くの参加者から高い評価をいただき、「同じ悩みを共有できて安心した」「継続的に開催してほしい」といった感謝や継続開催を望む声が多く寄せられました。
実施にあたっての苦労としては、複数の団体が協力して運営するにあたり、目的や方向性の共通認識を持つことに時間を要した点が挙げられます。
しかしながら、その過程で団体間の理解が深まり、新たな連携や協力体制が生まれるきっかけともなりました。
参加者のみならず、協力団体側にとっても互いの活動内容や役割を再認識する良い機会となり、小山市には子育てを支援する多様な団体が存在することを改めて確認できました。
これらの成果を通じて、地域における子育て世代の孤立防止や、支援団体同士のネットワーク強化につながる意義ある取り組みとなりました。

今後の展開

小山市は、市外・県外からの移住者も多く、また地域の先住者も新たな住民を温かく受け入れる風土を持つ、とても魅力的なまちです。
行政の支援施策だけでなく、公園整備や交通インフラ、地元企業の活動など、暮らしやすい環境が整っている点も特長です。
一方で、民間企業・任意団体・行政との間に十分な連携が取れていない現状があり、子育て世代が安心して永く暮らせる「持続的な仕組みづくり」までは進んでいないと感じています。
各団体がそれぞれに活動を続けていますが、単独では限界もあり、今後は団体間の横のつながりを強化し、行政や企業とも連携して取り組むことが必要だと考えています。
私たちは、「子育てがしやすいまち」としての小山市の魅力をさらに高め、より多くの人にその価値を知ってもらえるよう、地域全体で協力しながら活動を広げていきたいと思います。

添付資料